半径300メートルのIT:Cookieの削除もSNSのログアウトも効かない! 「個人情報を使わずに、個人を識別できる技術」とは (1/4)

GDPRの施行やFacebookによる個人情報の流用問題を受け、いまオンラインユーザーのプライバシーを守る動きがますます厳しくなっています。しかし、それでも「抜け穴」は作られるもの。WebサイトにアクセスするユーザーのログインIDや端末IDといった情報がなくても個人を識別できる技術とは、一体何なのでしょうか。

» 2018年07月10日 07時00分 公開
[宮田健ITmedia]

 いま、世界中で「ネット上のプライバシーの保護」に注目が集まっています。2018年5月25日、「EU一般データ保護規則(GDPR)」が施行されました。この法律に準拠するため、多くの企業が自社サービスのプライバシーポリシーをアップデートしており、その通知メールを受け取った方も多いはずです。その2カ月前に当たる2018年3月には、SNSの雄であるFacebookが、本来なら許されないにもかかわらず、ユーザーの情報を他の企業に利用させていた事実が判明しました。この事件も、まだ皆さんの記憶に新しいのではないでしょうか。

(参考)

 GDPRはあくまで企業を対象にした法律ですし、Facebookのデータ不正流用問題で被害に遭ったユーザーのほとんどは、日本国外の方でした。そのため、日本のいちユーザーとしては、こうした事件が及ぼす影響を実感しにくいかもしれません(その後もFacebookではいろいろなプライバシー問題が発覚していますが……)。

 それでも私は、一般のユーザーにとってプライバシー問題は、“もっと注意を払うべき大きな課題”だと考えています。もっと踏み込んだ言い方をすれば「ユーザーである私たちが実際に声を上げないかぎり、プライバシー問題は有効な形で改善されないだろう」という危機感さえ抱いています。

最近見つけた「とある文言」

 なぜ、私がこんな危機感を抱くことになったのか説明しましょう。インターネットの世界では、「(今起こっている物事について)黙っている=それを了承した」と見なされる傾向にあります。しかし、これが当たり前になってしまうと、ユーザーである「あなた」を識別する情報が、知らないうちに“ダダ漏れ”になりかねないのです。

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