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 実行されたWinnyウイルスは、攻撃者が指定した特定のファイルとウイルスを1つのファイルに圧縮して、Winnyの公開フォルダーに移動。ほかのWinnyユーザーが自由にダウンロードできる状態にする。ファイル名には検索されそうな文字列を含めることで、ダウンロードされる可能性を高める。

Winnyウイルスの仕組み
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 Winnyが盗んだファイルを拡散するので、Winnyウイルスにはファイルを送信する機能は不要。特定のファイルを盗み出して公開フォルダーに置くだけでよいのだ。

 Winnyウイルスのまん延により、個人だけではなく企業や組織からの情報漏洩も相次ぎ、社会問題になった。セキュリティ組織などが注意を呼びかけ、2006年3月には当時の内閣官房長官だった安倍晋三氏が、「情報漏洩を防ぐ最も確実な対策は、Winnyを使わないこと」と呼びかけた。政府が特定のソフトウエア名を挙げて注意を呼びかけるのは極めて異例のことだった。

 政府まで注意を呼びかけたWinny。セキュリティベンダー各社は、Winnyウイルス対策の製品やサービスを相次いで発表した。そのうちの老舗中の老舗がネットエージェントだ。同社は2004年にはWinnyネットワークを監視しており、対策ソリューションを提供している。

 2006年4月、当時の同社社長でありセキュリティ専門家でもある杉浦隆幸氏に話を聞いたところ、「2004年2月ごろからWinnyウイルスによる情報流出を確認しているが、これほどの社会問題になるとは予想していなかった」と語ってくれた。

全盛期のユーザー数は54万人

 ネットエージェントによると、2004年のWinnyユーザー数は20万から30万程度。それが2006年3月には約54万人に増えたという。原因は好奇心。情報漏洩がメディアで取り上げられると、その情報を見ようとしてWinnyを利用し始める人が少なからずいたからだ。

 同じく同社によると、2006年4月時点でも、Winnyのユーザー数は、平日は44万から49万、土日は50万から53万で、特に減少傾向にはなかったという。このころが、Winnyユーザー数のピークだったようだ。

 その後、ユーザー数は徐々に減少していく。ネットエージェントによると、2006年12月から2007年1月の年末年始のユーザー数は、平日で29万から多い日では37万、土日で41万から45万。2007年12月末のユーザー数は30万から35万強だった。

 2008年5月には約30万人、2009年1月には約24万人まで減少。このころになると、Winnyの話題はあまり聞かれなくなる。ネットエージェントによるユーザー数の発表も頻度が低くなる。