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「著作者人格権」と「著作権(財産権)」は、著作物が創作された時点で「自動的」に付与されます。したがって、権利を得るための手続は、一切必要ありません
(無方式主義 (第17条第2項))。
「著作者人格権」は、著作者が精神的に傷つけられないようにするための権利であり、創作者としての感情を守るためのものであることから、これを譲渡したり、相続したりすることはできないこととされています
(第59条)。
一方、財産的利益を守るための「著作権 (財産権)」は、土地の所有権などと同様に、その一部又は全部を譲渡したり相続したりすることができます。
したがって、通常、著作物が創作された時点では、「著作者」(創作者)と「著作権者」(「著作権(財産権)」を持つ人)は同一ですが、「著作権 (財産権)」が譲渡されたり相続されたりすると、著作者と著作権者は異なることになります(第61条)。
また、「著作権(財産権)」が譲渡されても、「著作者人格権」は引き続き「著作者」に残っていますので、「著作権(財産権)を持っている人」と契約する場合には、その人は「著作者」なのか、又は「著作権(財産権)を譲り受けた人」なのかを、よく確認することが必要です。それによって、著作者人格権を持つ人の了解を得なければならない利用について、「誰の了解を得るか」が違ってくるからです。 |