メーカーの人に聞いてきました。結論としては、できなくはない、と思います。
小学校の頃、音楽の授業で鍵盤ハーモニカを使ったことがある人は多いと思う。僕も使った。
当時、鍵盤ハーモニカを使いながら思っていたことがあるのだ。 これで吹き語りができないものか、と。
1975年愛知県生まれ。行く先々で「うちの会社にはいないタイプだよね」と言われるが、本人はそんなこともないと思っている。
前の記事:「どこまで怖くするつもり?お化け屋敷プロデューサーに聞きました」 人気記事:「ラーメン二郎に行ったことがない」 > 個人サイト むかない安藤 Twitter 浜松にある鈴木楽器製作所をたずねました子どもの頃、学校で習った楽器といえばリコーダーと鍵盤ハーモニカだったのではないかと思う。
年代によって差はあるかもしれないが、この二つは今でも多くの学校の音楽の授業で使われているようだ。 今回は、そんな誰もが一度は触ったことがある楽器、鍵盤ハーモニカの製造メーカーを訪ねた。ここで長年の夢というか疑問をぶつけてみたいと思う。 編集部安藤(左)、音楽家宮城さん(右)
鍵盤ハーモニカについて、僕は学校で触った程度なので、今回はちゃんと演奏のできる人代表として宮城マリオさんにも来てもらった。宮城さんはピアノで大学の音楽科へ入学している。
今回お世話になるのは鍵盤ハーモニカ「メロディオン」の製造メーカーである鈴木楽器製作所。来月弊社のイベントスペース東京カルチャーカルチャーで鍵盤ハーモニカのイベントがあるというので、担当者を紹介してもらい今回の企画が実現したのだ。言ってしまえば来月のイベントを盾に無理にお願いした形である。 鈴木楽器製作所の多田さん(中央)
ちなみにこの時点ではまだ鈴木楽器製作所の多田さんに吹き語りの話はしていない。来る前に断られたらいやだったからである。
鈴木楽器製作所本社にて。
というわけで詳細を説明しないまま本社まで連れてきてもらった。さすが楽器メーカーの本社である、玄関先にはこれから出荷される鍵盤ハーモニカが積まれていた。
多田さん「これでも200くらいでしょ?ピーク時はこんなもんじゃないですよ。」
多田さんいわく、鍵盤ハーモニカ出荷のピークは春なのだとか。新しい学年がはじまるときに子どものいるご家庭がみんな買うからだ。
多田さん「数多くの工程がありますからね、急に春に大量にそろえることができないんです。一年かけて春にむけてストックしていく感じですね。」 なるほど、鍵盤ハーモニカにも繁忙期はあるのだ。 鈴木楽器では鍵盤ハーモニカ以外にもたくさんの楽器を作っていて、その一端を展示コーナーで見ることができる。 くぎ付け。
僕も宮城さんも楽器が大好きなので、こういうのはずっと見ていられる。宮城さんに特に気になったものはどれかと聞いてみると即答でこれを指した。
宮城「やっぱりアンデスですね。」
アンデス。
聞いたことない楽器である。見た目は鍵盤ハーモニカを少し横に広くしたような感じだろうか。 多田さん「いいところに目を付けましたね。」
多田さんは展示してあるサイン入りのアンデスという楽器をいとも平然と出してきてくれた。触っていいんですかそれ。
多田さん「いいですよ、楽器は演奏するためのものなんだから。」
アンデスは鍵盤ハーモニカではなく鍵盤リコーダーと呼ばれる楽器なのだとか。
「うわー、いいなー。」
これがアンデスの音である。そうとういい。
鍵盤リコーダー「アンデス」。有名なところだとピタゴラスイッチのオープニングのあのメロディを奏でている楽器である。中に鍵盤の数だけ笛が入っていて、吹くとそれぞれの鍵盤に対応した笛が鳴るイメージ。小学校の頃に習った2大楽器(笛、鍵盤ハーモニカ)が一つになった夢の楽器だ。
これは確かにかわいい。
アンデス以外にもハーモニカや大正琴など、いろいろな種類の楽器を作っているということだが、今回は鍵盤ハーモニカを中心に紹介したい。
鍵盤ハーモニカといっても僕たちが学校で吹いたあれ一つではない。 こちらはオール木製の大人バージョン。
通常品に比べ音が柔らかい。
明らかに僕たちが知っている鍵盤ハーモニカとは音が違う。楽器はもちろん吹き方も大切だが、本体の材質や形状でも音の質や響きが変わるらしい。この木製バージョンは職人さんの手作りだという。キータッチからして温かみがある。
こちらはアーティストモデル。パリッとしたサックスみたいな音が出る。
宮城さんに来てもらってよかった。こういうときにすらっと弾ける程度にピアノを習っておく必要があるなと思った。
低音だけのモデル。ホルンみたいな音がする。正直これが一番ほしかった。
木製バージョンもアーティストモデルも、完全にターゲットは大人である。鍵盤ハーモニカと聞くとどうしても音楽の授業で使うイメージが抜けきらないのだけれど、大人向けモデルは触ると明らかに違う。キーのタッチも音も質感も、すべてが大人心をくすぐるようにできているのだ。そして調べてもらうとわかるのだけれど、どれもわりと気軽に買えちゃう金額だからこわい。
「でしょう、欲しくなるでしょう。」
ちなみに多田さんは楽器をやらないのだとか。楽器メーカーだからって全員が演奏できるわけではないらしい。そいえば僕の友人も車のメーカーに勤めているけど免許を持っていない自転車マニアだったりするので、仕事と趣味は別なのかもしれない。
本題に移ろういろいろお話をうかがい多田さんとの関係も構築できたと感じたところで、そろそろ本題に移りたいと思う。
「ところで多田さん、ハーモニカの吹き語り、ってできないですかね。」 へ?吹き、語り?
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