オーバーロード ワン・モア・デイ   作:0kcal
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前回の話を8/22に間違えた状態で、8/23に正しい物をアップしております。ご注意下さい。





Determination

 アインズは間近に迫った出立のために急ぎ準備を進めつつ、自室で各報告書に目を通していた。

 

 前回入手した既知となっている情報と、新たに明らかになった情報を見分けられるのはアインズしかいない上、アルベドやデミウルゴス達の前ではどんなぼろを出すかわからないからだ。知らないはずの情報を既にアインズが知っていることに気がつけば、あの二人の頭脳によってどのような結論が導かれ、そしてどれ程の事件が起こってしまうのか。想像できないだけに怖い。

 返って何もかもうまくいくのかもしれないが、既知の情報と選択肢があるのに、それを捨て去るというのは幾度考えても博打にすぎる。

 

 主に目を通しているのはパンドラズ・アクターから上がってきた報告書だ。やはり収集対象が違うためか、目新しい情報が多い。アルベドの報告書は前回よりも捕縛人数が多少多いため、情報量は増えていたが、同じ部隊に属する者である以上所持している情報も似通っている。増えた情報も9割は既にアインズが知っている情報、残り1割もその補足程度のものばかりだ。

 

「ふむ、法国は神殿勢力を影響下に置いているだけでなく、各国の貴族にも通じているのか……厄介だな」

 

 目新しい情報の中で注意すべきことは、法国の周辺国家に対する影響力の大きさだ。各国の神殿が、冒険者組合のように国家権力から独立採算制をとっているのは知っていたが、その理由の一つが法国の出先機関的な存在であるからだというのだ。少なくとも、情報収集の拠点等として活用している法国側はそう認識している。

 王国や帝国を見たところ、この世界の魔法抜きでの医療技術はお世辞にも高いとは言えない。魔法が存在し、各国の神殿が金銭と引き換えではあるが民や兵の怪我や病気を癒している以上、応急処置以上の医療技術の発達は抑制されてきたのだろう。つまり、神殿勢力は医療を独占している組織ということ。それらが国家から独立した存在であるというのも問題だが、他国である法国の影響下にあるというのは危機的状況と言っていい。

 

(確か、帝国に関する報告書では魔力系魔法詠唱者の育成を魔法学院で行っていただけでなく、神殿に属しない信仰系魔法詠唱者を集めていたとあった筈……流石ジルクニフ、この問題にも既に気がついていたのだろうな)

 

 また、法国の手は十重二十重に周辺各国に伸びており、現地に根を下ろし情報収集にあたる者から、行商人やそれらの護衛をする傭兵などの旅人に身をやつして情報収集を行う部隊が存在し、その部隊や公の外交で構築した交友など、様々な手段を用いて各国貴族の一部と通じているという。

 見習うべき点ではある、情報収集は何より大切だ。だがこれほど執拗にとなると、隣国に対しての備えというよりは、やはり……とアインズが考えていると、周辺警護を行っているエントマ・ヴァシリッサ・ゼータより声がかかる。

 

「アインズ様、シャルティア様がお目通りを願いたいと執務室にお越しのようです」

 

「わかった、すぐに行くと伝えよ……いや待て」

 

 執務室では、アルベドが仕事をしている筈。これからシャルティアと話す内容を聞かれるのは、些か都合が悪い。

 

「私はまだ作業中ゆえ、シャルティアにここに来るよう伝えよ……あー、あとアルベドに追加の指示を。執務室にてデミウルゴスと防衛戦シミュレーションを行い、防衛時の金貨消費量低減案、及びナザリック周辺警備による脅威度の低い侵入者に対する撃退案を策定せよ。シャルティアの謁見が終わったら、私も執務室に向かう。念のため、デミウルゴスにも急ぎ執務室に向かうよう指示を飛ばせ」

 

「畏まりました」

 

 エントマが一礼して、退出する。スクロール等の消費型マジックアイテムの節約を命じているため、回廊に控えさせている“伝言係”のもとまでいくのだろう。アインズはインベントリより秘密のノートを取り出すと、既に完璧に記憶しているにも拘らず、確認のためページをめくるのだった。

 

 

 

 

 そのころ執務室では

 

「ふっ」

 

 伝言を受け取って、勝ち誇った笑みを浮かべるシャルティアと

 

「ぐぬぬ……」

 

 シャルティアの態度と自身が受けた伝言の内容から、歯ぎしりをするアルベドの姿があった。

 

「さぁて、では妾は失礼するでありんす。愛しの君に御寵愛を受けに参らねばならないので」

 

「……何を勘違いしているのかしら。アインズ様は自室で作業中だから、貴女をお呼びになったに過ぎないわ」

 

「嫌でありんすねえ。高貴な御方がそんな事を、あからさまに仰るはずがないでありんしょう」

 

 先程まで、アルベドにうざいくらいに左手の指輪をちらっちらっと見せられていたシャルティアは、ここぞとばかりに鬱憤晴らしを行う。この様子からすると、大口ゴリラはまだアインズ様の私室に入ったことはないらしい。

 

「でも、自室に御呼びになられるってことは普通は……ねえ?ああ、賞味期限が切れるまで食べられたことの無いおばさんには、わからないかもしれないでありんすねー」

 

「ぶっ殺すぞ!蝋人形!」

 

「はあぁ!?アニマルゴーレムが何か喋ったかぁ?」

 

 アインズの自室には周辺警護として、必ずプレアデスの誰かが待機しているためそんな事になるわけはないのだが、二人の頭からは完全に抜け落ちていた。そもそも自室に呼ばれることがその事とイコールであるならば、プレアデス全員に先を越されてることになるのだが。

 結局、数分後にデミウルゴスが到着するまでに、執務室が中破する羽目になった。止める者がいないとはかくも恐ろしい事である。

 

 

 

 

 

「アインズ様、シャルティア様がお見えになられました」

 

「よかろう、通せ」

 

 執務室からと考えるとちょっと……いや、ずいぶん時間がかかったような気がするが、何かあったのだろうか?アインズの脳裏に、アルベドとシャルティアの、眼前で幾度か繰り返された鞘当ての記憶が浮かび上がってくる。その内に扉が開き、シャルティアが優雅な動作で入ってきた。

 彼女が一礼すると、それに併せて影よりシャドウ・デーモンが現れ一礼し、再び影に戻る。

 

「アインズ様、ご機嫌麗しゅう存じんす」

 

「……うむ、シャルティア、その姿がお前の選んだ“外の姿”か」

 

「はい。これより君命に従いセバスと合流いたしんすが、出立する前に一度アインズ様に見て頂いたほうがいいかと思いまして、御挨拶を兼ねて参上いたしんした。いかかでありんしょうか」

 

 入室してきたシャルティアは普段と全く異なる装いをしていた。白蝋のような肌、赤い眼はそのままだが、長い銀色の髪は金髪に染まっている。そこまではいい。

 

「そうだな、うむ……お前によく似合ってはいるが、些か肌の露出が多いのではないか?」

 

「そうでありんしょうか?」

 

 シャルティアがその場でくるり、と一回転する。シャルティアの装いは、ぶっちゃければレオタード、ボンテージファッションと呼ばれる類のものだ。胸には赤い髑髏のペンダントが輝きを放っており、そこから同色のリボンがたなびいている。裏地が赤の黒いマントを羽織り、腕には袖口に赤いラインの入った、ガントレットのような黒長手袋。脚には血のように赤いブーツを履き、白のオーバーニーに黒のブーツカバー、赤いガーターベルトを装備している。

 

 いずれもマジックアイテムなのだろう、シャルティアの体にぴったりとフィットしている。主に黒と赤で構成されたある意味吸血鬼らしい装いではあるし、確かに言うほど肌の露出が多いわけではない。体にフィットした装備であることと、露出しているのが肩から二の腕、太ももなどのやや煽情的な部分なので、普段と比べるとそう見えるのかもしれない。ちょっと目のやり場に困る。

 

「すまぬな、普段のお前から考えると、という意味だ……だが、その装いは私が指示した“外の姿”の条件を満たしていないのではないか?」

 

 

 

 アインズは今回、外部で活動する守護者達のうち、悪名が発生する可能性が高いデミウルゴス、及びシャルティアに普段と全く異なる“外の姿”を創り出し、変装をして行動するように指示した。その理由は前回のある事件に起因する――かつて、王都でデミウルゴスと偶然対峙した時にアインズは思ったのだ。

 

 

 (デミウルゴスまるだしじゃないか!)

 

 

  あの時は状況に流されて半ばうやむやの内に容認……いや黙認してしまったが、思い返せばあれは非常に不味い。いくつか理由はあるが、その中で大きなものを挙げるとすれば、ナザリックに属する守護者デミウルゴスと、魔王ヤルダバオトに多くの外見的共通点が生まれてしまう事、つまりナザリックが非道な行いに手を染めているという推察の元になってしまうことだ。殆どの者は気がつかないだろう。だが、例えばジルクニフなら?様々な情報を集積している法国は?何より未だ姿を見せぬプレイヤー……そして、かつてのアインズ・ウール・ゴウンの友達なら?

 

 最もアインズが恐れているのは、最後の件だ。かつての友達ならば、おそらくは自分がちゃんと話せれば納得してくれると信じてはいる。だが、その状況を作り出すまでに、全く被害や確執が発生しないとは思えない。それはアインズにとって最も避けたいことだ。プレイヤーの件もそうだ。自分たちが悪役、プレイヤーが英雄という図式はなんとか避けようと自分なりに苦心してきた。

 

(直接の目撃者は蒼の薔薇だけだったとは思うが……プレアデスも仮面をつけてただけでいつもの格好だったよな……)

 

 それでもデミウルゴスであれば、何か考えがあるのかもしれない。だが、ジルクニフとナザリックで会った時、デミウルゴスは半魔形態ではあったが、いつものスーツ姿ではなかっただろうか。あの時は正直言っていっぱいいっぱいだったので、そんなことに気を回している余裕はなかったが、考えてみれば危険である。ジルクニフがヤルダバオトの情報を手に入れた時に、デミウルゴスと結びつける可能性は十分にあった。記憶をたどると、ジルクニフがやたらとデミウルゴスを警戒していたようにも思えてくるから不思議だ。流石に被害妄想の類だとは思うが。

 

 また、悪名問題の別の側面だが、アインズはナザリックのNPC達を表舞台に出せなくなる事も懸念していた。シャルティアは前回あっさりと外見情報を持ち帰られてしまったため、人類国家にシャルティアを連れていくことはほぼ不可能になった。外見的に人間に近い者が少ないナザリックでは、これも充分痛手である。それに、アインズは魔導国建国の後、功労者であるデミウルゴス達を影の存在にするのも嫌だったのである。

 

(式典などの際に外見を変えさせるだけでも良いのかもしれないが……あの姿は皆が定めた彼らの一張羅だものなあ、晴れ舞台に別の姿というのも不憫だ)

 

 以上の考えからアインズは今回、外部で行動する二人は念のため偽名を用い、かつ変装をして行動するべきとしたのだ。条件としては、伝聞情報では同一人物と推測されることの無い衣装であること。そして顔の大部分を隠しておく事だ。更にシャルティアには、血の狂乱を発動する事も考慮するよう言い含めた。指示を行った際にデミウルゴスが「なるほど……流石はアインズ様」と言っていたので間違った指示ではない筈。

 ちなみにセバスやソリュシャンに関しては多少悩んだが、悪名を得るような活動ではないし、変装は役柄に応じた装いだけで済ませた、つまり前回と同じである。アインズ的には後にモモンやナーベ同様、魔導国で召抱えたという形にすれば問題はないという判断だ。

 

 

 

「アインズ様、御心配には及びんせん。御身の前に出るのに顔を隠しているのは非礼と考えたまでで、こなたの通り用意してございんす、失礼して……」

 

 シャルティアが、空間より覆面を取り出し被る。口元から顎の部分、また頭部が大きく開いており、頭の左右に角が出ているような……蝙蝠や燕を連想するようなデザインだ。被った際に何らかの魔法的効果が発動したのを感じるが、アインズにはそれが何かはわからなかった。

 

「ふむ……確かにその姿から、ナザリックの階層守護者であるシャルティア・ブラッドフォールンを連想することはないと言っていいだろう。ところで、今何か魔法が発動した気配があったのだが、効果は何だ?」

 

「はい。アインズ様には効果がない程度ですが、永続化された<ディスガイズ・セルフ/変装>が発動しておりんす。またこれらはシリーズ装備のようで、外装統一効果が発動していんす。シモベに見せたところ身長が少々小さく、髪は金色で目の色は青く、肌もエルフのようと……全体的に幼く見える外見になっていると言っておりんした。私の所持する装備や衣装でこのような効果がある物は珍しいのでありんすが、今回の御指示には適していると考え、着ていくことにしんした」

 

<ディスガイズ・セルフ/変装>は低位階の幻覚系魔法で、自身の見た目を変化させる魔法だ。たとえば骸骨やゴムマスクでも人間の顔に見せることができる、便利な魔法である……シャルティアの持ち物という事は、ペロロンチーノが作成したものに間違いはないし、無数と言えるほど彼女の衣装を作っていたことは知っていたが、なぜシャルティアの外見を変えてしまうような装備を作成したのか全くわからない。わかる点と言えば外見が幼くなる部分だけだ。彼がロリを意味する単語を口にしない日はなかったのだから。

 

「声に関しては<ヴォーカル・オルタレーション/変声>のマジックアイテムを持っていくつもりでありんすぇ。こちらは永続化のかかったものが無いので、都度発動させる必要がありんすが……後、デミウルゴスに協力してもらい、呪いをかけてもらいんした。この髪の色は、私の姿がどうあろうと解呪するまでこのままでありんすぇ」

 

「なるほど、呪いであれば幻覚や魔法による変身を見破る能力を持ったものでも、見抜くことは困難だな。見事だ」

 

「お褒めに与り光栄の至り……では名残惜しくはありんすが、出立いたしんす」

 

 シャルティアが優雅に礼をして退出の意を示すが、アインズは許可の言葉でなく、片手を上げてそれを制する。

 

「待て、シャルティア……出立の前に私よりお前に授ける物がある」

 

「ええっ!」

 

 シャルティアの反応と、椅子に座っていたエントマがガタッ、と音を立てて前傾姿勢になったのが気になるが、アインズは椅子から立ち上がり、シャルティアに近づいていく。

 シャルティアの眼が、自分と奥の扉を交互に行き来するのはなんでなのか。覆面のせいでわかりにくいが、顔をやや赤くしたシャルティアの眼の前に立ったアインズは、インベントリよりあらかじめ準備して置いた箱を取り出すと、シャルティアの前に差し出した。

 

「これを持ってゆけ」

 

「は!?は、はい。ありがとうございます……こちらの箱は一体何でしょうか」

 

 どこか気の抜けた様子で、いつもの口調が完全に抜け落ちたシャルティアに、アインズは何といったものか考える。

 

「これは……御守り……そうだな、御守りのようなものだ。今は開けて中身を見ること、調べることは許可できないが、お前のインベントリに厳重に保管せよ。お前が使命を果たし無事に帰還した時、封印を解き開けることを許そう」

 

「か、畏まりました」

 

 恭しく箱を両手で受け取ったシャルティアが、愛おしそうに箱を撫でた後にインベントリに保管するのをアインズは見届け、口を開いた。

 

「シャルティア、本来であれば階層守護者であるお前に、外部の調査などさせるべきではないのかもしれぬ。だがここは未知の世界。すまないが、守護者最強であるお前には、危険な任務に就いてもらわねばならない」

 

「勿体なきお言葉。階層守護者の名を汚さぬよう、必ずや使命を果たし戻ってまいりんす」

 

 シャルティアが再び優雅に礼をする。アインズの胸中に前回、シャルティアをこの後に襲った未知の事件に対する怒りと、事件が起こるとわかっていながら、彼女を送り出さなければならない罪悪感、そして哀しみが去来する。対策は取った、アインズ自身も動く。それでも本当に送り出していいのか、という声が己の中より大きく湧き上がる。が、自分はナザリック大墳墓の支配者としてそれを押し殺さねばならない。

 

「苦労を掛けるが、よろしく頼む……無事に、無事に帰ってきてくれ。シャルティア」

 

「ああああ、アインズ様!?」

 

 話しているうちに気が昂ぶったアインズは、気がつけばシャルティアを抱きしめていた。身長差があるので、アインズが前屈みになり、胸にシャルティアの頭が押し付けられるような格好になる。

 慌てたシャルティアがパタパタと動かしていた手から力が抜けたころ、アインズはそっとシャルティアより離れた。アインズはコホン、とわざとらしい咳をした後で声をかける。

 

「すまなかったな、シャルティア」

 

「いい、いえ……」

 

(いかん、感極まって自分でも思いがけない行動に出てしまった。なぜこういう時に限って、精神の平衡が働かないのだ)

 

 もはやシャルティアの顔は、覆面越しでもわかるほど真っ赤だ。エントマは前傾どころか身を乗り出しているし、髪からこちらに触角のようなものを伸ばしている。アインズはもう一度わざとらしい咳をすると、自身の未練と部屋に流れる雰囲気を断ち切るように、威厳ある声色で強く言葉を発した。

 

「シャルティア・ブラッドフォールン!」

 

「はっ!」

 

 アインズの声に、シャルティアが姿勢を正した。エントマも元の姿勢に慌てて戻っている。

 

「あらためてお前に命じる!油断せず務めを果たし、無事に戻ってくるのだ……では行くがよい、シャルティア」

 

「畏まりんした、アインズ様!」

 

 シャルティアと再び現れたシャドウ・デーモンが一礼し、扉の向こうへと消える。アインズはその姿を見届けると、エントマの方に顔を向けた。

 

「エントマよ。言うまでもないが、以前より命じてある通り私室の中で――」

 

 アインズの言葉の途中で、扉の向こうより「いやったあああああぁ―!!」という雄叫びが聞こえてきた。厚い扉の向こうだというのに、はっきり聞こえた程だ。この分では回廊中に響いたかもしれない。アインズは片手で頭を押さえて言葉を続ける。

 

「――私室の中で見た事、聞いた事は他言無用だ……スクロールの使用を許可する、シャルティアと供に付けたシャドウ・デーモンに同じ内容を今すぐに伝えよ、急げ」

 

「畏まりましたぁ」

 

<メッセージ/伝言>を起動するエントマを横目に、アインズは自身の机の引き出しを開け、そこに収められた、ある箇所で開かれたままの秘密のノートを見ながら決意をあらたに願った。

 

 

(ペロロンチーノ。シャルティアを、お前の娘を、今度こそ私は守ってみせる。だから、お前の力を貸してくれ)

 




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相変わらず話の進行が遅いのですが、気長に御付き合い頂ければ幸いです。







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