ドキドキ美少女皇帝危機一髪
2018/07/05 後半が雑になっていたので書き直した
床に倒れて、姿勢を低くしながら、ギーネは、降り注ぐガラスからむき出しの肌を守ろうと、匍匐前進で慌てて窓から遠ざかった。
「へうー。奇襲をくらわすつもりが、先制攻撃を食らったのだ!なにゆえ?あの少女は、超能力者かなにかですか!?」
狙撃の集中に入る前、微かな違和感がギーネを救ってくれた。視界で敵全体の挙動を捉えていなかったら、危なかったのだ。
痕跡の足取りを辿るだけでなく、位置も捕捉してきた。思いながら、敵の戦力評価……特に索敵能力を跳ね上げる。
血の匂いがギーネ・アルテミスの鼻腔を突いた。帝国製ナノマシンを含んだ血液に独特の炭と鉄粉を混ぜたような香り。額に指先で触れる。ぬるりとした感触。鮮血で濡れている。
「……っつ」
別の窓下に移動するも、まるで見えているかのように移動した窓に叩き込まれる。
銃撃が追尾してくる。完全に捕捉されている。
口元に嘲笑を張り付けて、廊下に低く伏せた帝国貴族は窓の外を分厚い雲を眺めた。
「……くふっ。下手したら私のほうが殺されます、ティアマットの子供手強い。恐い。笑えますのだ」
銃弾が撃ち込まれるたび、周囲にはガラスの破片が降り注いでいた。
「……いっ」
歯を食い縛ったギーネは、寝転がったまま、ごろごろと横転して窓から距離をとった。
慎重に低い姿勢を維持したまま、掴んだままの1挺と壁に立てかけた3挺のマスケットを手に取ると、それを抱えたまま、這いつくばった姿勢で匍匐前進を開始する。
(なにが、見逃してあげますなのだ。ギーネさんの方が狩られそうになってますぞ。
アテナとのサバゲー思い出します。奴も気づいてない振りしての先制攻撃とか好んで使ってきました。卑怯者なのだ)ちなみに、この二人、読み合いで勝った側は敗者を間抜け呼ばわりし、負けた方は勝者を卑怯者呼ばわりするのが通例であった。
愚連隊の保有する武装に、壁を抜いてくる様子はなく、より高い位置をとった狙撃手も存在を察知してない。まあ、もしいたら、ギーネにとって面白くないことになるだろう。
ガラスの破片を気にするよりも、兎に角、安全な位置に退避することを優先して、廊下を這い進んでいくが、その間も、移動する帝國貴族を追ってくるように、少し真上の位置にクロスボウのボルトやらマスケットの弾薬が撃ち込まれて壁に弾痕を刻んでいく。
銃声が鳴り響くたびに、ガラスが頭の上から降ってくる。頑丈な風防ガラスなので粉々には砕け散ったりしないが、それでも細かな破片が降り注いできて、神経を削ってくれる。
どうしてかは分からないが、確実に、そして完全に『位置を捕捉』されていた。
その事実に気がおかしくなりそうな恐怖と愉悦を一瞬、覚えてしまい、鼻で笑う。バトルジャンキーにはなるまいぞ。アーネイと違って、統治者であるところのギーネは、闘争の神テュールに信仰を見出す気はなかった。
ギーネは姿勢を低く保ったまま、匍匐して渡り廊下から銃撃の届かない位置まで逃げようと這いずって逃げ……転身を試みた。アルテミス帝國軍に退却の文字はないのだ。
安全な曲がり角に移動してから、ようやく銃声が止んだ。ギーネはズボンをずらした。死の恐怖に緊張し収縮した膀胱から小水が迸って床を濡らした。
「あは……ははは、はっはあははははは。くそっ、畜生、やってくれましたね、野蛮人どもめ、こん畜生めが」
口汚く罵って嘲るように笑い声を漏らす。でも、尻丸出しである。その愚連隊に。破落戸にしてやられた。破落戸でなければやられていた。高度な装備か、技能を持っていたら今ので仕留められていた。
額に指先で触れて、髪の毛をゆっくりと指でかき回す。ずきりと痛みが走った。
それでも銃創ではないとホッとして、ポーチから薬を取り出した。
銃声が鳴り響いたのは、敵からの死角に伏せてからで、完全に躱したタイミングだったのに、痛みと流血の感覚があった。
「……ガラスで切りましたのだ」
傷口を確かめる。そう深くない。消毒液をぶっかけて、ついてないのだ。沁みますのだと、痛みに顔を顰めつつぼやいては乱暴に清潔な布を巻いた。とりあえず止血する。傷を縫うのは後だった。まずは反撃の態勢を整えなければならない。
「……参りましたぞ、もう」
小さな鏡を使い、そっと渡り廊下の様子を窺えば、賞金稼ぎたちが次々と西棟に突入してくる姿を確認できた。
動きは軽快で、例によって連携も取れている。劣悪なのは装備だけで、ノウハウも訓練もよく積み上げられている。気に入らないほどに優秀だった。仕掛け爆弾くらい警戒して欲しかった。それとも無いと見極めたのか。
ギーネの位置と動きをも敵は完全に捕捉している。索敵において優る敵勢力に対しては、やり過ごして背後から襲い掛かる作戦は使えない。
ギーネの好む戦術だった。有り触れていると同時に、防ぎ難い定石の戦術でもある。攻撃位置と退路、そして速度が肝要なこの戦術は、此方が内部構造を把握し、敵からは未知の構造物である『ホテル・ユニヴァース』の中であれば絶好の舞台として多用できるはずであった。ギーネの自信の源の一つであるが、それが前提から崩壊していた。
さらに言うなら、ギーネが使う戦術は、敵も使うのだ。とはいえ、得意の戦術だけに封じ手も熟知する帝國貴族は対策も打ってある。不意打ちを受け易い警戒すべきポイントもある程度、把握している。敵の行動範囲と屋内の構造から、不意打ちを受ける妥当な可能性を割り出している。とはいえ、敵が分散すれば、時間と共に確率は拡散していくし、帝國猟兵のように数時間も、数十日も、時には数か月も、隠れながら狙撃の好機を待ち受ける狙撃兵に侵入されていたら、手の打ちようがない。愚連隊には滅多にいないし、いて欲しくないが、腕利きや精神的怪物なんて意外と何処にでも転がっているものだ。
もう一つ、恐ろしいのが光学迷彩などを用いたステルス兵だった。此方も取れる対策は少ない。
床に体重に反応する落とし穴や音を立てそうなガラスの破片を設置。幾つかの重要な回廊に糸。ふつう歩く場合、そこまで足を上げない脹脛の高さに髪の毛など張ってある。敵が通れば透明人間でも分かるが、ゾンビや変異獣にも反応するだけに確実性には欠ける。
壁を貫通する攻撃はしてこない。高い位置は取られていない。
こうなっては真正面からの決戦以外ありませんのだ。頭部の負傷で空間認識に狂いが出てないといいけれど。涙目でズボンを履きながら、敵の侵入経路を予想して、移動せずに待ち受けることにする。
渡り廊下で設置された花壇に遮蔽を取ったハンターたちが、マスケット銃やクロスボウを手に叫んでいた。
「仕留めたか?!」
「分からん!いや、多分、駄目だ。どうだ?!お嬢ちゃん」
ライフリングを施した愛用マスケットに次弾を装填しながら、渡り廊下の『伊達男』は12階の様子をそっと伺った。
だが『痩せ犬』も、『耳』も首を横に振っている。最初に確認した『蛇目』の少女も分からないらしい。
帝國人の賞金首。渡り廊下側から射すくめられて、身動きできなくなっているのが理想だったが、曲がり角まで退避したようだった。そうそう都合よくはいかないようだ。と小さく舌打ちするが、すぐに思い直した。上の階に逃げずに奥に逃げたのなら、
「突入して確保するぞ!」
マルコの叫びを合図に『火竜』のメンバーたちが西館になだれ込んでいく。
「ギーネ・アルテミスか、それともアーネイ・フェリクスか。中途半端に腕が立つから早死にすることになる」
銃を装填しながら『伊達男』の呟きに、『痩せ犬』が立ち止まった。
「連中を知っているのか?」
「名前だけはな。マケインが連中とは揉めるなと口にしていた」
『痩せ犬』が鼻にしわを寄せた。
「マケインは兄貴分じゃなかったか?」
『伊達男』は肩を竦めて皮肉っぽい笑みを返した。
「別に俺はあいつの子分じゃない。世話になったことは確かだがな」
帝國人の賞金首どもは、こちらを不意打ちする気だったのだろうが、先手を取れた。
窓からこちらを狙っていると餓鬼に言われた時には、半信半疑だったが、慌てて伏せる気配に斉射すれば、攻撃に声を掛けてくるでもなく、逃げの一手を取っている。
味方への誤射ではなく、賞金首であることは確かなようだった。
驚いたぜ。末恐ろしい餓鬼どもだ。思いながら『伊達男』は競争相手の連中について想いを馳せた。
フォコンたちがどうしたのか。別のエリアにいるのか。それとも、いまだ14階を探しているのか。或いは……いや、いずれにしても好機だった。
西館に突入した『伊達男』は、一般的なホテルの構造を脳裏に思い浮かべた。
階段を幾つか昇った踊り場で『火竜団』のマルコの肩を掴み、作戦を告げる。
「聞け。12階に昇ったら俺たちが正面から奴を牽制する。牽制射撃でこちらが抑える間に、お前らはフロアを大きく廻りこんで反対の廊下から挟撃しろ」
マルコは不信の色混じった眼で『伊達男』を睨んでいたが、危険は『伊達男』のチームの方が大きい。すぐに頷いた。
「……賞金は山分けだぜ」
頷きを返してから、十二階へと到着した。駆け去っていく『火竜』の若者六人を見送ってから、『伊達男』は取り巻きの女たちに視線を走らせた。連れてきた女ハンターたちはいずれも練達の射手で、マスケット銃でも二十メートル先の動いてる人間に当てて見せる。
「ジーナ、メアリー。援護しろ。エマとリルはついてこい。遮蔽を取りながら進むぞ」
「任せて」マスケット銃を抱えた女たちは艶冶な微笑みを返した。
「まずは、棚に身を隠す。撃ち合いで牽制し、回り込んだら一気に進んで制圧する」
頷いたメンバーに銃を構えながら、素早く廊下を進む『伊達男』のチーム。
廊下の曲がり角に標的らしき人影が陣取っているのが銃口だけ見えた。
「……よし」
狙いを定めようと遮蔽の客室から僅かに顔を出した『伊達男』の脳天が、その瞬間に吹き飛んだ。
「……え?エンゾ?」
きっかり2秒後。立ち止まって呟いたエマの顔半分が銃声とともに吹き飛ぶ。
さらに2秒後。慌てて床に伏せたリルの額に大穴が開いて、後頭部から脳みそが噴出し、廊下を汚した。
「な、なにが起こったの?」
階段の位置から廊下を覗き込むように、僅かに顔を出したジーナが銃声とともに痙攣して崩れ落ちた。
「……ひっ!」
腰を抜かしたメアリーが身を竦める。もはや恐ろしくて身を乗り出すこともできない。
マスケットを抱えたまま、歯をガチガチと鳴らしていると、なにかが飛んできて音もなく廊下に突き刺さった。
「ひい!な、なによ!」
びくんと体を震わせるも、それはただのガラスの破片だった。
幾つかのガラス片に映っている、恐怖に歪んだ己の顔を見て、メアリーは少しだけ落ち着きを取り戻した。
「信じられない……逃げさせてもらうわ。ごめん、エンゾ。ジーナにエマとリルも」
そろそろと立ち上がり、階段へと後退っていく。
「わたし、まだ死にたく……ずべっ!!」
廊下を音もなく距離を詰めてきた帝國貴族がマスケットだけ角から出して、独白途中のメアリーの脳みそをぶち抜いていた。
立て続けの銃声が響いてくる。伊達男の一行が全滅したことなど知る由もないファイアードラゴンの団員たちが、獰猛な笑みを浮かべて廊下を走り抜けると、遂に標的の姿を補足した。
次の曲がり角にマスケットに弾込めしているギーネ・アルテミスの姿があった。
「こっちのはまだ修正を終えていないのですけど、まあ、やるしかありませんか。ティアマットの重力にも大分慣れてきましたし。それにしてもモシン・ナガンが一挺あれば、こんな苦労をせずに済むのですが。うわ、錆が浮いてるのだ。こんなん、いつ暴発するかわからねえし、ドキドキ美少女皇帝危機一髪ですぞ」
訳の分からないことをぶつぶつと言ってる遠めの標的にマルコが苛立たしげに舌打ちした。
「『醜男』め!なにやってやがる!」
「どうする?!」
「……突っ込む!」仲間の問いかけにマルコは即断したが、幾人かは怖気づいた。
「だってあいつ、銃を構えているぜ」
「一挺だけだ。マスケットは、そうそう当たるものじゃねえ」
帝國貴族の様子を角から伺いながら、マルコは考えるようにつぶやいた。
『火竜団』は六人。全員がそれなりに経験も積んで、マスケットの弱点も熟知している。
標的までは、およそ100メートル少しか。マルコは、目測してみる。マスケットは、装填におよそ十五秒から二十秒かかる。一発。最低でも二発凌げば、賞金首を補足できると踏んで決断する。
「全員で一気に突っ込んで叩く。やられる奴は出るかも知れねえが、賞金は手に入る」
標的は、気づいた様子を見せていた。だが、逃げる様子は見せない。
廊下の曲がり角に隠れると、そのまま『火竜』をちらちらと観察している帝國人だが、確かに見たところ、一挺しか持ってないように見える。
「……気が進まねえなら、無理にとは言わねえよ。
やりたくねえ奴は降りて構わねえ。だが、ここが勝負の賭けどころだ」
言い切ったマルコの野心が共鳴したのか。暫く躊躇っていた他の若者たちも頷いた。
「よし……わかったよ」
「やってやるです!」
「おうよ!」
「行こう!」
速度が命だった。全員で前だけを見て駆け抜ける必要があった。余計な荷物を下ろし、身を軽くする。
マスケット銃の射程は、17世紀から18世紀のライフリングをされていないものでおよそ30~50メートルと言われている。これは狙って当たる距離であって、命中した場合に人体を殺傷可能な距離となれば、数百メートルと遥かに伸びるが、いずれにしても遮蔽をとって遠距離で撃ち合った場合、本来であれば、早々に当たるものでもない。
そしてこれは、銃を撃たない人には案外知られていないことだが、銃には一挺一挺、わずかな違いがある。個性といってもいい。銃身内の僅かなライフリングの違いや銃身の曲がり。材質の偏り、トリガーやハンマーといった部品の噛み合い方。職人が手工業で作っていた時代のマスケットは勿論、地球は21世紀の工業製品ですら銃には癖があり、射撃するごとに僅かに弾道に差異が生じるのだ。
ゆえにマスケットで百m先の標的に一発目から必中というのは通常、殆ど考えられることではなかった。
が、幾つかの条件を揃えることで、命中率を飛躍的に向上させることは不可能ではない。
一つは、ギーネが高度な演算能力を持っていたこと。高度なコンピューターにも匹敵する演算能力で一瞬にして弾道計算を行うことで、飛躍的に命中率を高めることができた。
第二には、火薬の質が一定でありかつ高品質であったこと。中世の黒色火薬の品質にばらつきがあったのに対して、ハンターたちから回収したティアマット産の黒色火薬は、品質が一定であり、おおよその爆発力の計算がやり易かった。故に銃身が暴発せず、かつ打撃力を誇りうる量を容易く割り出せたこと。さらには、ギーネがパウダーを砕くことで、粒の大きさを可能な限り、統一していたことも理由の一つだろう。
第三に、火薬量をかなりのところまで正確に測れたこと。帝國貴族は手にした物体の重さをミリグラム単位の精度で測れた為、毎回、同じ品質の火薬を同一の量、装薬として銃身に詰めることができた。
これで期待される爆発力は、全ての銃でほぼ統一される。工業製品の金属薬莢を使用するのと同様に条件を整え、あとは銃ごとの癖を掴むことが出来れば、命中率は飛躍的に上昇する。
第四に火薬量と同様に、銃弾も可能な限り加工して規格を統一したこと。時間も限られ、鉛玉の大きさも不揃いであったが、ギーネは可能な限り手作業で弾薬を作り直した。融点が低く、柔らかな鉛の加工は、刃物や熱源があれば容易く行える。一定以上に小粒、或いは不揃いな弾は、すべて不適格として脇にのけ、残った弾を可能な限り真円へと削りなおした。
これによってマスケット銃でも、毎回の発射で限りなく弾丸が同じ弾道を描いて跳ぶようになった。
第五にマスケットの口径が揃っていたこと。弾も比較的、円に近い形に整えた為、銃の弾道を図って、癖を掴む修正が行い易かったこと。
第六にギーネの姿勢制御が完璧に近かったこと。絶えず外敵や賊の脅威に晒される帝國東部域では、銃は日常品の扱いであった。加えて先祖伝来の大貴族であり、物心ついた時分には狩猟を嗜んでいたギーネ・アルテミスにとって、銃は手足の延長に近かった。そして、マスケットの巨大な反動も常人より遥かに強靭で精密な肉体を持つギーネ・アルテミスにとっては完全に分散可能な衝撃に過ぎなかった。
動き出した『火竜団』目掛けて賞金首が発砲した。
疾走するマルコの頬を掠めて背後に飛んでいく。
3秒経過。賞金首が発射済みのマスケットを床に投げ捨て、もう一挺を壁の奥から取り出した。狙いをつけて発射。
再びマルコを掠めるも、やはり外れた。7秒経過。すでに廊下の半分近くまで来ている。
「行くぜ!行くぜ!」仲間の誰かが背後で叫んでいた。
賞金首は慌てた様子もなく三挺めを取り出した。狙いをつけて発射。
「外れー!へったくそ!」誰かが陽気に叫んでいる。ここまで一人も当たっていない。
いける。マルコは確信した。
十秒経過。もう目の前、賞金首が四挺めのマスケットを構えた。
何挺あるんだ?だが、腕前は把握した。マルコに恐れはない。発砲。全然、外れだ。下手糞め。
賞金首が身を翻した。廊下の曲がり角へと逃げ込んだ。
「逃がすかよ」マルコが廊下へと飛び込んだ。
足が滑った。
「うお!」
叫んだマルコの米神ギリギリを弾が掠めた。床が濡れてる。踵から滑って尻もちを激しくついた。
目の前にいた帝國人が初めて、僅かに動揺したように目を瞠った。が、手は機械のように動き続けて、壁に立てかけた六挺めのマスケットを滑らかに手に取った。狙いをつけ、飛び込んできた仲間に呼吸を合わせて発砲する。頭蓋が一瞬で粉砕され、死体がマルコに勢いよくのしかかってきた。
「くそ!」喚きながら仲間の亡骸を退かせようとして、ふと廊下に目をやったマルコが凍り付いた。
廊下に4人の仲間が倒れていた。ピクリとも動かない。一目で死んでいるのが分かった。
足の遅い奴から、遠くで死んでいる。何故だ?賞金首はもう一人いて、背後から襲われたのか。
「……なんだよ、これ」
目の前の光景が理解できずに混乱し、間抜けに呟いたマルコの額に七挺めを構えた帝國人が狙いを定めている。七発目の銃声が廊下に響き渡った。
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