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【THETAプラグイン開発】THETAでRICOH THETA Plug-in SDKを動かす方法

はじめに

どうも、リコーのKAZ (@yokazuya) と申します。

この記事では、RICOH THETA Plug-in SDK(以下、SDK)をベースに作成したプラグインをTHETAにインストールして動かす手順について説明します。

Windowsを使った説明になっていますが、Macでもやることは同じです。

プラグインを動かすには、RICOH THETA Vを開発者モードに設定しておく必要があるので忘れずに行いましょう。
やり方はこちらの手順を参考にしてください。

開発環境

今回は、以下の構成でプラグインを作成して、動作を確認しました。

  • カメラ
    • RICOH THETA V (Firmware ver.2.30.1)
  • OS
    • Windows10 64bit (Version 1803)
  • ソフトウェア
    • Android Studio 3.1.3
    • RICOH THETA 基本アプリ Version 3.5.0

目次

THETAでプラグインを動かすための流れは以下になります。

  1. SDKをダウンロードする
  2. Android StudioにSDKのプロジェクトをインポートする
  3. ビルドツールを更新する
  4. APKファイルを生成する
  5. THETAにプラグインをインストールする
  6. プラグインの切り替えを行う
  7. THETAをプラグインモードにする
  8. インストールしたプラグインを動かす

SDKをダウンロードする

まずはプラグインのベースとなるSDKを以下からダウンロードします。

theta-plugin-sdk

Android StudioにSDKのプロジェクトをインポートする

Android Studioを起動し、[ファイル]→[新規]→[プロジェクトのインポート]からダウンロードしたSDKのプロジェクトを選択してインポートします。

project-import.png

プロジェクト情報のビルドが開始されます。

終わるまで数分かかりますので気長に待ちましょう。

sdk-build.png

途中、OpenJDKプラットフォームへのアクセス許可を求められた場合は許可します。

ビルドツールを更新する

ビルドツールが不足している場合、必要なツールをインストールしてプロジェクトを再同期する必要があります。

ビルドエラーが出ていなければ読み飛ばしてください。

Android Studio 3.1.3をインストールした直後にSDKのプロジェクトをインポートすると、下記2つのビルドエラーが起きました。

  • Android SDK Platform 26が不足しているエラー
    project-refresh-failed-26.png

  • Android SDK Build-Tools 27.0.3が不足しているエラー
    project-refresh-failed-27.png

エラーメッセージ内のリンクをクリックして、ビルドツールをインストール出来ます。

ビルドツールのインストールが終わると、プロジェクトが再同期されるので終わるまで待ちましょう。

なお、途中でGradleの更新ダイアログが表示される場合がありますが、更新必須ではありません。

gradle-update.png

これでSDKのプロジェクトのビルド環境が整いました。

APKファイルを生成する

THETAにプラグインをインストールするには、APKファイルの生成が必要です。

SDKのプロジェクトには、既にプラグインとして最低限必要な実装が含まれています。
そのため、SDKの中身を変更せずにAPKファイルを生成してTHETAにインストールが可能です。

APKファイルの生成はとても簡単です。

Android Studioの[ビルド]→[ビルドAPK]を選択してビルドします。

以下のメッセージが表示されれば成功です。

apk-build-result.png

locateのリンクをクリックして、plugin-debug.apkファイルが生成されていることを確認してください。

THETAにプラグインをインストールする

RICOH THETA V 本体を用意します。

パソコンとTHETAをUSBケーブルで接続します。

Android Studioのターミナルから以下のコマンドを実行してください。

adb install -r ./app/build/outputs/apk/debug/app-debug.apk

インストールに成功すると、以下のメッセージが表示されます。

Success

なお、Windows7ではadbコマンドが機能しないようです。

プラグインの切り替えを行う

インストールしたプラグインを有効にするため、プラグインの切り替えを行います。

パソコンとTHETAを繋いだままの状態で、基本アプリを開きます。

[ファイル]→[プラグイン管理]を選択します。

plugin-management.png

カメラ接続の確認を聞いてきますので、パソコンとTHETAが繋がっていることを確認してOKボタンをクリックします。

THETAにインストールされているプラグインの一覧が表示されます。

SDKのデフォルトのプラグイン名である"Plugin Application"を選択し、完了ボタンをクリックします。

plugin-list.png

これでプラグインの切り替えが完了しました。

なお、スマートフォンの基本アプリでもプラグインの切り替えが出来ます。

THETAをプラグインモードにする

THETAの電源をオンにして、モードボタンを2秒間押します。

プラグインモードに切り替わると、カメラ状態ランプが白点灯します。

インストールしたプラグインを動かす

プラグインを動かすには、プラグインモードの状態でTHETAを操作するだけです。

THETAはSDKのプログラム通りの動作をします。

現時点(2018/07/06)のSDKでは、無線ランプが青点滅、撮影ランプが消灯した状態になり、撮影は行えます。

特徴的な機能が実装されているわけではないので、プラグインが動作していることが分かりづらいかもしれません。

プラグインモードを解除して動作を比べると、挙動の違いが分かると思います。

まとめ

SDKをカスタマイズすることでオリジナルのTHETAプラグインを簡単に作成することができます。

THETAプラグイン開発に興味を持たれた方はぜひパートナープログラムにご登録ください!

なお、登録時に申請したシリアルナンバーのTHETAについてはメーカーサポート対象外になりますので、ご注意ください。

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