「過体重」と一言で言われても、ぽっちゃりさんはセーフなのか? アスリートのように筋肉質で脂肪は少ないのに、体重だけ重い人は不健康なのか?
いろいろ疑問に思うことがありますよね。
世界保健機構のデータを解析した結果、やはり体重の重さのみにフォーカスすると、主に血管系や呼吸器系の疾患で亡くなる人が多いことがわかりました。
詳細を見てみましょう。
過体重とはBMI値25以上から
世界保健機構(WHO)の統計では、WHOが把握している国々の成人データより、その中の約40%(約19億人)がBMI値25~30の「過体重」に該当しているということです。
BMI値の計算の仕方は、以下の通り!
すぐにご自分や、ご家族のBMI値をチェックしてみましょう。
BMI値の計算式は
体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m) = BMI値
となります。
例)身長165cm(1.65m)で67.7kgの場合
67.7kg ÷ 1.65m ÷ 1.65m ≒ BMI値24.9
過体重はBMI値25以上からなので、身長165cmの人は、体重67.7kgまでがギリギリ正常値24.9となります。
しかし、ほんの0.3kg増えて、68kgからはBMI値が25となるので過体重となります。
日本では小数点第一位まで正常値としてカウントされていますが、このギリギリラインの体重の方は一部の諸外国のように正常値を24としてして、約2.7kgダウンの65kg(165cmの場合)から体重が増えないようにこころがけていたほうがいいでしょう。
ちなみに、BMI値の正常値の範囲は18~24.9までとなっています。
そしてBMI値31以上からは「肥満」となります。
過体重はBMI値25~30です。いわゆる"ぽっちゃりさん"または筋肉質の人が該当するということですね。
ご自分の身長と体重に置き換えて、計算してみてください。
理想の体重の計算式は?
ご自分の理想体重を計算するときは、先にBMI値を定めてから逆算するといいでしょう。
計算式は
BMI値 × 身長(m) × 身長(m) ≒ 理想の体重(kg)
- モデル体型に近いBMI値18と定める場合(身長165cm)
BMI値18×1.65m×1.65m ≒ 49kg - 妊娠しやすい理想のBMI値21を目標にする場合(身長165cm)
BMI値21 × 1.65m × 1.65m ≒ 57kg
となります。
特に小柄な人は、背の高い人と同じ分量の食事を摂ると、あっと言う間に体重が増えてしまうので、過体重とならないよう、くれぐれも食べる量の調整をしておきましょう。
これで、後、何kg落とせば理想の体重になるのかわかりますね。
BMI値の計算の仕方がわかったところで、本題に戻りましょう。
喫煙よりも過体重の方が危険?
アメリカのサザンカリフォルニア大学が世界保健機構のデータをもとに、過体重と寿命の関連性を解析した結果、過体重は、早期死亡の可能性を有意に高めていることがわかりました。
以前は、特に女性の場合は、高齢者ほど少し体重が多めの方が長生きである(BMI値27ぐらいまで)、という研究報告が多く上がっていましたが、最新のデータ解析で、その説は危険であることもわかりました。
これは早期死亡の原因の1つとして挙がっている喫煙習慣よりも過体重の方が、ある死因に関しては危険ということも物語っていたようです。
喫煙経験がほとんどなく、持病(慢性疾患)もない人でも、5年間の追跡調査で、約39万人の死亡がありました。
過体重の人はガンよりも血管系、呼吸器系の疾患が多い?
この人たちを解析した結果、総じて過体重(BMI値25~30)の人が多く、心臓病や脳卒中など血管系に関する疾患や、呼吸器疾患での早期死亡が多いことがわかりました。
中にはガンで亡くなる方もいましたが、血管系や呼吸器系の疾患が圧倒的に多いということです。
※参考:『ランセット』
地域別にみるとヨーロッパ全域、北米、アジア全般に多く見られる傾向のようなので、日本人も該当しますね。
BMI値30以上の「肥満」は要注意?
前述しましたが、以前の研究では過体重(BMI値25~30)は、高齢になるほど、寿命を延ばすという見方がありましたが、このデータ解析で覆されてしまいました。
以前は、BMI値30以上の「肥満」から生活習慣病や死亡率が高まるとされていましたが、今や「肥満」はかなり危険度が高いということもわかりましたね。
さいごに
過体重の場合、呼吸器系の疾患で亡くなる人が多いとのことですが、これは体重が増えると、階段の上り下りで息が切れてしまったり、少し走っただけで呼吸困難になることからも、伺えますね。
筋肉質で過体重の人も、カラダの重さ全体でいう統計では、決して健康体ではないかもしれません。
スポーツの程度にもよりますが、一般の方は、なるべくBMI値が正常範囲内に収まるよう、食生活や生活習慣に気を付けておきましょう。
体重が増えやすい人は、総じて、野菜嫌いの人が多いので、肉食やファストフードの利用、スイーツの量を減らし、サラダやお惣菜1皿増やすだけでいいので、野菜の摂取量を増やしてみましょう。