eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
2017年末に発表された信託報酬率引下げで一気に注目されたeMAXIS Slim先進国株式インデックス、信託報酬率は0.1095%(6月末時点)と低コスト、純資産も1月以降は順調に伸び続け150億円(6月末時点)となっています。
先進国を対象とするインデックス「MSCIコクサイ」に連動する商品の中で比較すると、信託報酬率は他を大きく離す1位、純資産額は上位陣とまだまだ差があるものの追いつくのも時間の問題です。
とすると残る課題は実質コストとインデックスとの連動性でしょう。
そんなeMAXIS Slim 先進国株式インデックスですが、第一期決算が公開されていたので確認していきたいと思います。
実質コストは運用報告書から
投資信託には購入前に分かる保有コストとして信託報酬がありますが、他にも実際に運用されてから判明するコストがあります(隠れコスト)。これらを合わせたものが投資信託を保有している間かかる実質コストになります。
実質コストは決算後に公表される運用報告書(全体版)に掲載されます。1万口当たりの費用明細という形で掲載されています。上の式に当てはめると、(b)売買委託手数料、(c)有価証券取引税、(d)その他費用明細の合計が隠れコストになります。
私がよく確認し忘れてしまうのが「決算の期間」。半期決算の投資信託もあるので、ちゃんと1年に直さないと比較できません。もう一つ1期目は投資信託が設定されてから1年後ではないということ、これも1年に換算が必要です。単純に比率で1年換算しても正しくない可能性もあるのですが、出来る範囲で比較していきます。
直近の推定コストは年率0.198%
先日発表されたようにeMAXIS Slim先進国株式インデックスは7月25日より信託報酬率の引下げを行います。先取りになっていまいますが、これを踏まえた同投資信託の推定コストは年率0.198%になります。(税込み信託報酬率+直近の隠れコスト)
以前の記事になりますが、「投資信託の積立で人気の商品はどれ?(海外株式 /MSCIコクサイ編) 」を確認すると実質コストは安い順に次の通りになります。
1位 eMAXIS Slim 先進国株式 0.198% (7月25日より)
2位 ニッセイ外国株式 0.218%(8月21日より)
3位 たわらノーロード先進国株式 0.254%
最新の情報に置き換えてもeMAXIS Slim先進国株式インデックスが低コストNo.1となりました。とは言え、3位のたわらノーロード先進国株式とは0.056%の差ですから(
100万円あたり560円の差)、慌てて乗換えるほどの差ではないでしょう。
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インデックスとの連動性
「【徹底比較】実質コストは高いけど、リターンは良い???ニッセイ外国株式インデックスファンド 」で見たようにMCSIコクサイとの連動を目指すといいつつも各社微妙に異なるインデックスと比較している場合があります。このため運用報告書の内容を単純に比較するよりも、他の商品と比較した方が結果が分かりやすいと思います。
今回は2017年4月28日~2018年4月27日までの1年間を比較してみます。
比較する投資信託は、eMAXIS Slim先進国株式インデックス(赤)、ニッセイ外国株式インデックスファンド(青)、たわらノーロード先進国株式(緑)の3種類としました。また、比較のために2017年4月28日の基準価格が10,000になるように調整しています。
グラフを見ると微妙に赤線や青線が見えていますが、緑線だけになっています。どの投資信託もMSCIコクサイに連動できていると考えられます。
もう一つ比較をしていきます。
eMAXIS Slim先進国株式とたわらノーロード先進国株式の基準価格の差です。最初の比較同様に1年間、2017年4月28日の基準価格を10,000とした後の差(Slim – たわら)。
両社の差は-2ポイントから+2ポイントとほぼ違いなしと言って良いでしょう。1月下旬から段々eMAXIS Slim先進国株式の方がプラスになっていますが、これは実質コストの差でしょう。
まとめ
・eMAXIS Slim先進国株式インデックスが新規設定から1年が無事経過
・eMAXIS Slim先進国株式インデックスの実質コストは0.198%(今後の推定)
・ある程度低コスト、純資産があればどの投資信託でも大差はでない
私は先進国株式に連動する投資信託として、たわらノーロード先進国株式をメインに、少しだけeMAXIS Slim先進国株式インデックスを積立てています。今回の結果によってはメインとサブの入替えも考えていたのですが、これくらいの差であればしばらく様子見とします。
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