フル墨攻

「少しまとまった思いつき」を書きます

「北朝鮮は一方的にいつも約束を反故にしてきた」のか

米朝会談の前にアップしておかないと、またそのままになりそうなので。
北朝鮮に関する情報で評価の高い38 Northが日本語で情報出してたので、時系列で並べた。
これを見ると、核問題について「北朝鮮が一方的にいつも約束を反故にしてきた」かのように報道されているが、アメリカや韓国も同様に反故にしてきた歴史があることがわかる。
参照元:歴史の読み誤りは、欠点のある政策を生み出す | 38 North: Informed Analysis of North Korea https://www.38north.org/2018/04/lsigal032718j/

1994年

米朝枠組み合意
米政府が「政治的・経済的関係の完全な正常化」→「敵対政策の終わり」を約束

2002年10月

北朝鮮がウラン濃縮を交渉の議題にあげる
ブッシュ政権は交渉に応じず、1994年の米朝枠組み合意を反故

2005年9月

6カ国協議共同声明
→米政府と北朝鮮政府「相互の主権を尊重すること、平和的に共存すること、及び二国間関係に関するそれぞれの政策に従って国交を正常化すること」「朝鮮半島における恒久的な平和体制について協議する」ことを約束
(米政府にとってこれらの北朝鮮との合意は、北朝鮮政府の核兵器とミサイル開発を停止させるためのもの/米朝枠組み合意により約10年間、北朝鮮核分裂性物質の製造や、中・長距離ミサイルの発射実験は止められ、2007年から2009年にかけても同じ)
米政府が関係改善のために約束を守ることをほとんどせず、北朝鮮政府は非核化を守らなかった→2つの合意は決裂

2007年10月3日

フェーズ2合意で北朝鮮は「全ての核開発の完全で正しい申告」を約束
→検証作業はその次のフェーズ3で
フェーズ3「サンプリングやその他の法医学的措置」を行うことへの同意

2008年10月11日

「双方の合意に基づいて未申告の場所への立ち入り」の合意
→韓国と日本はこの合意は書面に残すべきだと主張し、これに対して北朝鮮側はこれはフェーズ3で正式に交渉した上で解決すべき問題だとして応じず
韓国は約束したエネルギー支援を反故にすることで、合意を守らなかった