なんということだ。
大阪北部地震に続き、こんどは大豪雨である。
ネットには救助を求める被災者の声があふれている。
そんななか、全地形対応の特殊車両レッドサラマンダーが愛知県岡崎市から西日本に向かった。
全国にたった一台しかない「あらゆる災害現場への人員・物資の搬送や救助救援活動」が可能な「レッドサラマンダー」だ。
サラマンダーとは、「山椒魚」、そして火熱に耐える伝説の生物「火蜥蜴」。水陸両用の救助救援活動を可能にする車輌にふさわしい名前だろう。
豪雨被災地に赤い特殊車両 悪条件こそ本領発揮(17/07/10) - YouTube
し・か・し、
肝心のレッドサラマンダーは、国内に一車輌しかない。
ゆえに、「全国の中央にあり、北にも南にも出動しやすい」「高速道路が近く、交通の便が良い」という理由で、2013年から愛知県岡崎市に配備されている。
そもそも論、だが、
なぜ、この災害大国の日本に
全地形対応車の救急車両が一台しかないのか。
だから、岡山か広島か、
という話になる。現場の人間にとって、これぐらい心引き裂かれることはない。
迅速な活動と、訓練も含めその機動性を高めるためには、少なくとも全都道府県に一台ずつあってしかるべきではないか。
これこそが、
浪費三昧の防衛省に比べ、この国の消防庁に予算が下りていないことを如実に表す数値である。
レッドサラマンダー、1車輌1億1千万円。
その予算を出し渋る政府は、一方で、1機あたり約130億円のF35戦闘機42機の購入予定、昨年11月には更に追加購入すると発表。トランプ政権へのご祝儀だ。
普天間オスプレイ24機ですらこれだけの緊急着陸や2機の墜落でとんでもない話だというのに、オスプレイ17機セットを総額3600億円で購入。1機あたり約220億円の計算だ。
屑鉄オスプレイ一機の購入予算で、いったい何台のレッドサラマンダーが全国に配備できるか、単純計算でも、220台だ。
さらには、イージス護衛艦の弾道ミサイル対応艦を8隻態勢とする改修と建造に約1000億円、そしてご存知の通り、イージスアショア2基で合計約1600億円。
予算額の5兆円を突破し、今年度の防衛費は過去最高額となるだろうといわれている。
第一次安倍政権は、2007年に防衛庁を防衛省へと格上げし、その防衛省の威信と予算上の大きな権限を与え、十年以上も軍事力強化ばかりを優先させてきた。
ミリタリズムとはこういうことだ。
常に軍事を優先させ、国民にとって必要なことが常にないがしろにされる。
消防庁の切り札であるレッドサラマンダーは、あの東日本大震災の教訓を受け配備された。
それなのに、全国にたった一台しかないというのでは、ほんとうに教訓は生かされているのかどうか、疑わざるをえない。
< 2018年7月8日朝、追加 >
それを証拠に、8日の朝の時点でやっと政府は災害対策本部を立ち上げた。
どう考えても遅すぎるだろ。
総理が1日何をしていたのかはこちらからどうぞ。⇩
発出動した消防車両「レッドサラマンダー」 脅威の性能とは - ライブドアニュース