『三国志スリーキングダム 第37話』儒者たちが孔明に負けた理由

江東から魯粛が劉表の弔問と称して、劉備と共に曹操へ立ち向かおうと呼びかけました。そこで、諸葛亮(孔明)が魯粛と共に孫権へ拝謁する事になりますが、そこで多くの儒者たちと舌戦を繰り広げる事になるので詳しく紹介しましょう。

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『第37話 儒者たちとの舌戦』のキャスト

諸葛亮と江東の儒者たちが激しい舌戦を繰り広げていく『第37話 儒者たちとの舌戦』に登場する人物や声優さんたちは、以下の通りです。

  • 曹操(魏)/江東を狙う丞相(声:樋浦勉)
  • 程昱(魏)/檄文をしたためる軍師(声:小野健一)
  • 蔡瑁(魏)/軍備を整える将軍(声:高山春夫)
  • 劉備(江夏)/江東の動きを警戒する皇叔(声:家中宏)
  • 諸葛亮(江夏)/江東へおもむく軍師(声:堀内賢雄)
  • 劉琦(江夏)/魯粛の弔問に驚く江夏の太守(声:手塚ヒロミチ)
  • 孫権(呉)/曹操と戦うべきか悩む江東の君主(声:咲野俊介)
  • 魯粛(呉)/江東の開戦派の筆頭(声:岩崎ひろし)
  • 張昭(呉)/江東の降伏派の筆頭(声:小川真司)
  • 黄蓋(呉)/儒者たちをあざ笑う猛将(声:小山武宏)
  • 虞翻(呉)/諸葛亮に論破される儒者(声:林和良)

『第37話 儒者たちとの舌戦』のストーリー

江夏へ落ちのびた劉備は、これからどうするべきか途方にくれていました。そこで諸葛亮は、江東と手を組むべきですと進言しますが、劉備は「江東が我々と手を組むとは考えられん」と孫権たちの動向を警戒しますが、そこへ江東から魯粛が、劉表を弔問するために訪れてきたのです。

魯粛の真の狙い(起)

劉琦は「江東の者が父(劉表)を弔問するとはおかしいです」と言うので、諸葛亮が「なぜです?」と尋ねます。それに劉琦は「我が父は、孫権の父(孫堅)の命を奪ったので、我々と戦うならいざ知らず、弔問に来る事は考えにくいのです」と言いました。

www.akira-blog.comそれに諸葛亮は「恐らく弔問とは名目で、曹操や我らの戦力を探るためでしょう」と言って、魯粛と会う事にします。そこで、劉琦は「なぜ、我が父の弔問に?」と尋ねたら、魯粛は「弔問とは表向きで、曹操や劉備殿の戦力を知るためです」と率直に答えました。

この率直な答えに諸葛亮は「何と、そこまで率直に話されるとは」と静かに語りかけたら、魯粛は「諸葛亮殿ですな?ご高名は伺っております。そなたは智謀が長けて、弁がたつとか?口下手な私では、綺麗事を並べても意味がない」と答えます。

諸葛亮が江東行きを決断(承)

魯粛は「今度どうなされるおつもりですかな?」と聞いたら、劉備は江東に頼ろうとしないので「なぜ、我ら江東と共に、曹操と立ち向かおうとなされぬのですか!」と激しく問い詰めます。それに驚いた劉備は思わず感謝して頭を下げますが、魯粛は「それで、どなたが江東へ参られますかな?」と尋ねたら、諸葛亮が江東へ行く事を決断。

襄陽では、曹操が軍議を開いていて、蔡瑁に「そなたに三月与えよう、40万の水軍を調練すると共に、8千の軍船を作り、赤壁へ向かうのだ」と、魏の命運を大きく変える事になる赤壁行きへ命令。さらに曹操は、程昱に「兵100万と勇将1000で、貴殿(孫権)と共に、狩をして劉備を捕えよう」と書かせます。

そして、曹操は「その檄文を3千も写し書きさせて、長江へ流して、江東の民や兵たちの肝を冷やしてやる」と高笑いしました。その檄文は、魯粛と諸葛亮が乗っていた舟に当たり、諸葛亮は檄文の内容を知って「見事な名文」と感心します。そして魯粛は、この檄文で江東が乱れるのは必至と憂慮します。

諸葛亮と儒者たちの激しい舌戦(転)

諸葛亮は、孫権と拝謁する前に、孫権配下の儒者たちから会う事になります。そして、張昭から「曹操と戦っても、新野に逃げ帰った、これいかに?」と尋ねたら「戦力は少なくても、曹仁や李典たちの軍をせん滅した。それに引き換え江東で戦おうとしない者たちは天下の物笑い」と言い負かします。

それに虞翻は「曹操は100万で江夏を狙っています、これからどうなさりますかな」と尋ねたら、諸葛亮は「曹軍は烏合の衆」と言います。それに虞翻は「江夏に逃げ帰っておきながら」と笑ったら「我らの戦力は少ないのに曹操と戦っているのに、江東は十分な戦力がありながら戦おうとしない」と静かになじります。

しかし、他の儒者はそれでも納得できなくて「それでは曹操は何者か」と尋ねたら、諸葛亮は「漢の賊臣、言うまでもないでしょう」と答えます。しかし儒者は「そうですかな、すでに漢の命脈は尽きています」と迫ったら「忠義とは人の本分、もしも漢の命脈が尽きるとしたら、それはあなたのような者がはびこった時」と論破しました。

諸葛亮が孫権に拝謁(結)

諸葛亮が、江東の儒者たちを次々に言い負かしていた所で、黄蓋が「さすが諸葛亮殿」と笑いながら登場して、ついに諸葛亮は孫権に拝謁します。そこで魯粛から「くれぐれも曹軍の兵の多さを口になさいますな」とクギを刺されますが、諸葛亮は孫権に「曹軍は、華北や荊州を平らげた今となっては140万あまりはいます」と教えます。

そこで孫権は「それでは、交戦か和睦か降伏か?先生(諸葛亮)に決めてもらいたい」と尋ねたら「戦うも従うも良いでしょう」と答えます。しかし孫権は「劉備殿はなぜ降伏しない?」と聞いたら「わが主君は漢室の末裔です、天地が崩れようとも降伏しません」と、暗にあなたと我が主君は違うのだと示されてしまいました。

これに孫権は黙って下がってしまい、張昭たちは主君孫権の心を動かせなかったと安心して笑いながら下がって行きます。はたして、諸葛亮は孫劉連盟を達成できるのでしょうか?

『第37話 儒者たちとの舌戦』の感想

数多くの儒者たちを論破していく『第37話 儒者たちとの舌戦』を見た感想を紹介するので、参考にしてみて下さい。

三国志の名言『燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや』

江東の儒者が、無様に負け続けている劉備軍をけなしたら、諸葛亮は「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」と言い返します。この言葉は、燕(ツバメ)や雀(スズメ)のような小さな人物に、鴻鵠(大きな鳥)のような大人物の胸中は分からないという言葉です。

この言葉は、古くから使われている言葉で、漢民族がいかに、この言葉を大事にしてきたか分かりますね。そのため、漢民族とはどれだけ嘲笑されても「今に見てろよ」と心の底で野望を秘めて屈辱に耐えられる人物が多いという事が分かります。大和民族は、このしたたかさから学べるところは多いでしょう。

『第37話 儒者たちとの舌戦』の残念な所

江東の儒者たちは、諸葛亮に次々に論破されます。それでは、江東の儒者たちはアホの集まりなのでしょうか?それは違います。なぜなら、孫権という人物は、三国時代の中でも人の使い方が上手い君主として有名です。そのような君主が、アホな者を抱ええる訳はありません(孫権の晩年はのぞきます)。

それでは、なぜ儒者たちが諸葛亮に論破されたのかと言えば、それは儒者たちに後ろめたさがあったからに他なりません。その後ろめたさとは、保身を考えて、十分な戦力や要害(長江)がありながら降伏しようとしていた所です。この後ろめたさを隠しながら、舌戦しようとしたので、諸葛亮に敗北してしまったのです。

もしも、江東の儒者たちに後ろめたさがなければ、あれほど簡単に諸葛亮に敗北したかったでしょう。呉のファンの私としては、それが残念で仕方ありません。

『第37話 儒者たちとの舌戦』の見所

第37話の最大の見所は、やはり諸葛亮が儒者たちを論破した所です。彼らに後ろめたさがあったにせよ、あれほど大人数の儒者たちを論破させるのは、並大抵の知力では不可能です。実際に、漫画『SWEET三国志』では、黄蓋が「勝ったんかい!こいつらに議論で勝ったんかい!」と諸葛亮に激しく尋ねるシーンは爆笑ものでした。

少し話は脱線しましたが、史実とは違って魯粛はアホのように扱われやすいのに、この第37話では、魯粛が大賢人として扱われているのは珍しい事であり、大きな見所になっています。仮にも孫権に天下二分の計を進言したほどですから、魯粛はやはり頭の優れた人物という事でしょう。

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