【7月7日 AFP】パキスタンの首都イスラマバードの裁判所は6日、汚職の罪で起訴されたナワズ・シャリフ(Nawaz Sharif)元首相に禁錮10年の判決を言い渡した。弁護団が明らかにした。25日に行われる総選挙に向け苦しい闘いを続ける元首相の与党・イスラム教徒連盟シャリフ派(PML-N)にとって深刻な打撃となる。

 シャリフ元首相は現在、妻のがん治療のためロンドンに滞在しており、判決は被告人欠席の中で出された。パキスタンは英国と犯罪人引き渡し条約を結んでおらず、この判決を受けシャリフ元首相がパキスタンに戻るかどうかが注目される。

 シャリフ元首相はロンドンでの記者会見で、判決はパキスタン建国後70年の歴史の約半分で政権を握ってきた強力な軍部による陰謀だと主張した。

 シャリフ元首相は「パナマ文書(Panama Papers)」の流出がきっかけで汚職捜査を受け、昨年に最高裁の判断により首相を失職、議員資格も剥奪されたが、PML-Nの象徴として影響力を持ち続けている。今回の判決は、クリケットの元スター選手イムラン・カーン(Imran Khan)氏率いる野党・パキスタン正義運動(PTI)にとって大きな追い風となる可能性がある。(c)AFP/Sajjad TARAKZAI