オウム真理教をめぐる一連の事件で、7人の死刑囚に刑が執行された。
一連の事件では13人の死刑が確定していた。このうち7人が3月、東京拘置所から全国5か所に移送され、その執行が焦点とされていた。
同一事件の共犯者の死刑は同時執行が原則とされているが、7人が同じ日に執行されるのは異例だ。
7月6日に死刑が執行された死刑囚は、以下の通り(呼称略)。
麻原彰晃(本名・松本智津夫、63)

関与した事件:坂本一家弁護士殺人事件、松本サリン事件、地下鉄サリン事件など計13事件で27人を殺害したとして死刑。
オウム真理教の教祖で、一連の事件の首謀者。熊本県出身、目が不自由で小学校2年生から県立盲学校に通っていた。
漢方薬局経営ののち、1984年2月に東京でヨガサークル「オウム神仙の会」を設立。87年7月に「オウム真理教」に改称した。地下鉄サリン事件があった95年3月には、出家信者が1400人、在家信者が1万人以上いたという。
逮捕・起訴後、法廷で不規則発言を続け、事件についてほとんど何も語らないままだった。弁護側は訴訟能力を問う戦術に出たが、東京高裁は控訴を棄却。最高裁も特別抗告を退け、判決は 2006年に確定した。事件を巡る審理は、実質的に地裁段階だけで終わった。
井上嘉浩(48)

関与した事件:地下鉄サリン事件、仮谷清志さん拉致など10事件で殺人罪などに問われ死刑。
京都市出身、高校2年生でオウムの前身に入門。地下鉄サリン事件の総合調整役、他の事件では指揮役をになった。教団では24歳で「諜報省」のトップに任命されていた。
早川紀代秀(68)

関与した事件:坂本一家弁護士殺人事件など7事件で殺人罪などに問われ死刑。
大阪府立大学大学院卒。坂本一家弁護士殺人事件では実行犯をにない、「影の司令塔」とも言われた。元大手建設会社社員で、教団では「建設省」のトップとなり、サリンプラントの建設を指揮した。
中川智正(55)
関与した事件:坂本一家弁護士殺人事件、松本サリン事件、地下鉄サリン事件など11事件で殺人罪などに問われ死刑。
京都府立医科大学卒。元医師で、松本死刑囚の主治医をつとめた。坂本弁護士一家殺害事件では実行役をにない、サリンの製造にも関与。教団では「法皇内庁」のトップだった。
遠藤誠一(58)
関与した事件:松本サリン事件、地下鉄サリン事件など4つの事件で殺人罪などに問われ死刑。
帯広畜産大で遺伝子工学を学び、獣医師資格を取得。さらに京都大大学院でウイルス研究などをした。サリンの製造をになったほか、ボツリヌス菌を培養し、生物兵器として散布しようとした。教団では「第一厚生省」トップ。
土谷正実(53)

関与した事件:松本サリン事件(ほう助)、地下鉄サリン事件など6事件で殺人罪などに問われ死刑。
筑波大大学院で有機物理化学を専攻。地下鉄サリン事件では、サリン製造の責任者として、その生成方法を確立させた。教団では「第二厚生省」のトップだった。
新実智光(54)
関与した事件:坂本一家弁護士殺人事件、松本サリン事件、地下鉄サリン事件など11事件で殺人罪などに問われ死刑。
愛知学院大卒。地下鉄サリン事件では送迎役をになった。教団では「自治省」のトップをつとめ、麻原死刑囚の「側近中の側近」とも言われた。
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