SNSでの恋愛関係暴露で22歳英学生が自殺 ラグビーチームメイトがいたずら

医者を目指していたシニアさんの遺族は、彼が愛情豊かで思いやりのある青年だったと語った
Image caption 医者を目指していたシニアさんの遺族は、彼が愛情豊かで思いやりのある青年だったと語った

英南西部にあるスウォンジー大学の医学生が、メッセージアプリ「ワッツアップ」で恋愛関係を暴露されたために自殺していたことが、5日までに分かった。

ニューポート検視法廷が5日に行った判定によると、「すぐに終わった恋愛関係」についてエドワード・シニアさん(22)がラグビーチームの友人に送ったワッツアップのメッセージが、いたずらで多くの人に広められたという。

これがシニアさんが通う大学にも伝わり、大学はシニアさんを一部停学処分にした。「辱められた」シニアさんはその後、地元モンマスシャーの自宅敷地内の林で首をつって死んでいるのを発見された。

上級検視官のウェンディー・ジェイムズ氏は、「愛情のある家族の支えがあったものの、強いストレスを抱えた時期を乗り越えるには足りなかった。将来への影響が分からないなかで彼は孤独を感じ、途方に暮れた。若者が過ちを犯すのは珍しいことではない。しかし、彼が犯した最も大きな過ちとは、一つの過ちに拘泥しすぎたことだ」

検視法廷によると、シニアさんのラグビーのチームメイトが非公開のメッセージをばらしてしまった Image copyright Google
Image caption 検視法廷によると、シニアさんのラグビーのチームメイトが非公開のメッセージをばらしてしまった

検視法廷によると、シニアさんはワッツアップへの投稿について苦情が出た後、今年2月に自殺した。地元モンマスシャーのラグランの自宅に戻ったシニアさんは取り乱した状態で、遺体で見つかった日の朝は「何か考え事をしている様子だった」という。

判定を執筆したジェイムズ検視官は、「本件は、ソーシャルメディアへの投稿に伴うリスクを浮かび上がらせている」と述べた。

「非公開の掲示板に彼は投稿し、それが友達によって共有され、結果として授業の大半から締め出された。彼は医者になる将来が危うくなっていると感じた」

シニアさんの遺族は、シニアさんの笑顔やチャーミングな性格で周囲の空気が明るくなったと話した
Image caption シニアさんの遺族は、シニアさんの笑顔やチャーミングな性格で周囲の空気が明るくなったと話した

シニアさんの母親ダイアナさんは検視法廷で、シニアさんがブリストル大学で生理学を学び好成績を得た後、アフリカのガーナの孤児院で1年間活動したと語った。

シニアさんの兄弟、マックスさんは「22年間の彼の人生は、本当に多くの人に信じられないほどの影響を及ぼした。テッド(エドワードの愛称)は誰とでも友達になり、助けを必要としている人にできる限りのことをした」と話した。

シニアさんの遺族が設立した、若者の自殺防止に取り組む「テッド・シニア財団」には、1万9000ポンド(約280万円)の献金が集まっている。

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誰かに助けを求めたいときは

日本では、厚生労働省所管の自殺総合対策センターが、「いのち支える相談窓口一覧」として、都道府県・政令指定都市別の相談窓口に関する情報を提供している。

NPO法人 自殺対策支援センター ライフリンクも、生きる支援の総合検索サイト「いのちと暮らしの相談ナビ」を開設し、様々な問題を抱える人たちがニーズに合わせて支援策を探し出すサポートを行っている。

一般社団法人 日本いのちの電話連盟は、インターネット相談のほか、ナビダイヤル(0570-783-556、午前10時から午後10時まで)、自殺を考えている人向けの相談電話(0120-783-556、無料、毎月10日の午前8時から翌日午前8時まで)で相談を受け付けている。

米国には、米国自殺防止ライフライン(1-800-273-8255)があるほか、支援が必要な若者向けに「キッズヘルプフォン」(1-800-668-6868)がある。

英国では「ザ・サマリタンズ」が自殺防止のための電話相談を受け付けている(116123)。

BBCも英国内を対象に、精神的に苦しんでいる人向けの情報をまとめたウェブページを公開している

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(英語記事 Swansea University student's suicide after 'WhatsApp mistake'

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