このブログを公開するかどうか今も考えながら、macのキーを叩いている。

今日(5月28日午後10時から29日午前4時まで)のことを自身のために記述したいと思った。自分のためなら公開する必要も無い気がするのだが、まあ得てして話はそう簡単じゃない。

5月28日午後10時から29日午前4時までのことを記述しようと思ったら、5月28日起床後から遡る必要に駆られたので、その通りにする。

5月28日の俺は、午後16時に起床して始まった。なんどか睡眠を繰り返した。前日に、年金支払いの手続きのハガキが来ていて、母親と口論(次の勤務予定先が契約社員での雇用ということも伝え、そしてそれは予想通り彼女に混乱と不安をもたらした。)したこともあり、なによりその関係で前の勤務先に電話しなければならず億劫でたまらなかった。

遅すぎる朝食とタバコ2本を吸い終わり、まずはmacを開いて日課であるメールボックスを開くと、採用予定で今後のアポイントのオファーもしていた勤務先から体制変更により見送るというあまりにも身勝手かつ冷酷な処置のメールが来ていた。珍しく、俺は取り乱し、何度も舌打ちと「は?は?」と言語処理の限界を示す1文字を連呼・絶叫していた。体が震えてくるのが分かる。こういう経験は何度かある。

・予想外の出来事

・かつ自身にとって極めてネガティブ

な時だ。ああ、まさしく正確無比に前述の2項目を満たしている。

焦りながらも、焦っている自分を自覚する余裕はあったので、まずは最初の今日の義務である前勤務先への連絡を済ませ、次の勤務予定先へ電話をかけた。なんども取り合ってみたが(一度切った後、もう一度電話した)向こうが何かを改善しようとする気がなく、なんとかこの時間をやり過ごすことに専念しようとしているのだ電波と音振動からも伝わってきたので、まさに思うツボなのだが諦めることにした。とにかくこの混乱から逃れたいと思った。酒か女かサウナか・・・。自身の選択肢は絞られている。

 なによりあまりに突然の事態だったので、自分にとって早急に措置しなければ頭がおかしくなると思い、一番時間がかからない最寄りのサウナに行くことにした。俺はすぐにバスタオルをリュックに詰め込み、家を飛び出した。

 XXXTentacion「?」をiPhoneから再生しながら。

 道途中、駅前で「鎌倉本」に引き続いて出来た雑誌と思しき「大船本」の店頭販売をしており、キャッチコピーが「ついに、脚光を浴びる時が来た」で大船住民はみな自身の立ち位置を自覚していたのかと笑い、そしてなんとなく勇気が湧いた。

 一本タバコを吸い、銭湯へ。独り言が時々口に出た。無意識ではない。そうしないと壊れそうだったからだ。

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 サウナを出て、少し気分が落ち着いた。早く家に帰れば、母親がいると思い、とても会って話など出来る状況ではなかったので一番安いカフェに入ることにした。その前に喫煙所でまたタバコを吸いに。つい最近、禁煙することになったのだがとてもそんなこと言っていられる状況ではなかった。自分の好きな喫煙所は、天井やタバコを除ける壁がない、ショッピングモール2階の広場だ。絶望を全身で味わいながら、iPhoneのメモになんとなく思ったことを書きなぐった。

「夜の喫煙所

季節を感じないスーツ着たリーマンがまるで虫のように20時以降集まってくる

みな所在なさげにだけれど何の気なしに車が行ったり来たりして光が揺れる様子を眺めてた

その時俺は思った ここはもうとっくに牢獄と同じじゃないかと 空が天井の牢獄

俺らは突き落とされて生まれて泣き声をあげた

くだらない妄想だろう 俺は明日も明後日も予定はないし仕事も辞めて見つからないからこんなこと言ってるんだきっと 本当か? お前はどう思う? 楽しいことなんてもう十分減ってきてるじゃないか」

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カフェに入る。しばらくぼーっとしながらRykeyのアルバムを聴く。Rykey兄貴、助けてくれ。

持ってきていた雑誌を読み、LINEに返事をし、ゲームをやりなんとか気を紛らわそうとした。MONYPETZJNKMNも聴いていた。twitterで3回ツイートしている。

「最近世の中がいよいよただ気持ちよくなることだけを目指してきている気がする ストロングゼロネットスラングの域を飛び出したし 少なくとも我々ディアスポラの間では絶望病が流行り始めている」

これは、ペヤング超超超大盛GIGAMAXリリースを受けてのツイートだ。あとの2回は前述の内容のものなのでここにはペーストしない。

絶望が来ている。これは自分の就職のプライベートな話ではなく、同世代の周りの人の動きや発言を受けて、最近感じていることだ。その旨を小野にLINEで伝えたところ、相変わらずほどよいジョークで消化しようとしていたのでイラつく。俺は本気なのだ。絶望が来ている。ちゃんと補足説明をしたところ、ある程度理解を示してくれた様子。説明が他人に不親切で勝手にイラつくのは俺の悪癖だ。彼は責任をとることが苦手だと思う。本人も時々口にする。

やることもなくなり、10時くらいになったのでカフェを出ることにした。

もう少し散歩したいと思い、広い駐車場のあるセブンイレブンで烏龍割を購入した。リリックを3曲分ほど書きなぐった。instagramのストーリーに自分の自撮りと聴いている音楽の再生画面のスクリーンショット(Fishmans「頼りない天使」)をアップした。

 

その後、自宅正面の公園のベンチで横になった。こんなことは家を追い出された中学生の時以来だ。外気が涼しくて気持ちがいい。気持ちがよすぎるが故に傷が開いてくのを感じる。体と精神の齟齬。悲しくても仕事が来て、朝日が来るから、この世は残酷だとよく思う。外界との断絶。そしてそれでも人は頑張っているからすごいと尊敬する。本当に。俺は辛くなるとすぐこの有様だ。

Fishmansの「宇宙・日本・世田谷」を聴きながらそっと家のドアを開ける。犬と両親が起きないようにだ。しかし、犬は起きた。

自身の現在の自(?)宅を訪れたことが無い人のために補足をする。まだ公開するかどうかは考えているが。自宅はマンションで、玄関を開けると左右に廊下がある。右では、母親や犬が就寝する部屋・俺が就寝する部屋・リビングがあり、左は、父親と兄の部屋と洗面所だ。

犬は左から鳴きながら、姿を表した。これはつまり、稀というわけだ。その瞬間、俺は察した。母親は、俺が仕事を辞めたことがバレているのをそっと隠そうとしていたとき、不安からか父親の部屋で寝ていた。今回もそういうことなのだと察した。俺は、なんだか急に混乱してかけてある洗濯物が落ちるのも気にせずに自分の部屋に入り、戸を閉めた。必死にイヤホンから流れるFishmansの音楽に集中しようとした。

俺は床に伏し、いとも簡単に落涙した。口は歪み、目はつむらざるを得なくなった。あんなに待ち望んでいた号泣の訪問を肉体から感じる。ああ、ああ、ああ、ああ。やがて嗚咽した。涙は止まらなくなった。こんなに涙の人数が多かったとは。待ち望んだ号泣はやがてシンプルな号泣となった。声が己の腹から漏れてくる。自殺・破滅願望の類と思われる他愛のない言葉だ。親よ気付かないでくれ親よ気付いてくれ親よ気付かないでくれ親よ気付いてくれ親よ気付かないでくれ親よ気付いてくれ・・・俺は、泣き始めながら自分が泣いている理由を必死にたぐり寄せようとした。親がいつもの部屋で寝ていないこと=親が不安を感じていること=俺の挙動が原因であること・・・。俺は酔っていること・・・なぜ酔っているのか・・・俺はもう分からなくなっていった、というか思考を放棄した。ああああああああ、叫ぶように声が出てくる。イヤホンで音楽を聴いているのでどのくらいの音量なのかは自分でも分からないが。やがて母親がドアを開けたことに気付く。俺は彼女と目を合わせると全て明るみになった気恥ずかしさと安堵でまた顔を伏せ、また涙の勢いと苦しみは強まった。誕生日、ケンカ、写真、卒業、抱擁、子守唄。やがて俺は告白を始めていた。死にたい、消えてなくなりたい、自分のせいで皆が不幸になる不安になる疲弊する、自分がいなければみな穏やかに幸せに暮らせた、お金ばかりかけてもらって何も返せない、自分が他人を傷つけるのを見たくない、音楽や映画、物語を好む者ならばだれでも感じるであろう、悲しいことをどこかで愛する悪癖・・・。痙攣と自傷行為を繰り返しながら、ここから消えてしまいたい思いだけでここに存在し、俺は母親に抱擁された。あんなに憎み、感謝した母親。今も受け取るだけ受け取り、何も返す当てがない俺はその間にも死んでしまいたい思いがどんどん生成されていた。2時間近く号泣を繰り返しながら、やがて母親は自分が子宮頸ガンであることを告白した。俺はその事実を両耳でなんとか受け止めた。死にたいのに俺は死ねなくなってしまった。やめてくれ。もう何も起こらないでくれ。両側から生の壁と死の壁が猛スピードで俺をはさみ殺す様を俺は妄想した。治るの?と泣き突っ伏しながら聞いた。わからないそうだ。俺は幸せに生きて欲しい、幸せに生きて欲しい、自分のことなど捨ててくれていいから、自分のしたいことや行きたい所に行って、幸せに暮らしてほしいと泣きながら懇願した。捨てられないのだそうだ。親子というのはそういうものなのだそうだ。愛してしまうものなのだそうだ。そんな悲しいことお願いだから言わないでくれと俺はまた懇願した。もし死ぬならその時は一緒に死のうと彼女は提案した。俺にはそれを呑むしか出来なかった。当然だ。彼女の願いはもはや最強だ。俺のはただのわがままなのだから。そして悲劇を待ち望むニヒリストの汚い欲望なのだから。もし自身の選択を後悔していないなら、自分の道をぶれずに生きろと彼女は言った。そして、やりたいことをやるように言った。そうすることにした。やりたいことの分からなさに俺はまた絶望しかけたが。やがて、みなに自分の可能性を捨てないで欲しいと思っていることだけは思い出してとりあえずそれを頼りにしようと思った。2.5時間ほどひたすらに泣き続けて、落ち着きを取り戻した。彼女は会話の終わりを感じたのかお茶とシュウマイ弁当を持ってきてくれた。俺はまたいつものように落ち着いた「考える像」の物真似を始めた。性格は治っていない。なにより俺にはまだ言っていないことがある。言うのは止めてしまった。これ以上、彼女を混乱させたくなかった。彼女は就寝の挨拶をして、彼女の部屋に帰り、俺はその場で横になった。

 落ち着き始めた俺は、なにを手始めにするか考えあぐねていた。こういう時にどうやって俺はまた生活を進めればよいのか知る術はなかった。スマートフォンを手始めに開き、その美しく無さと自身のぶっきらぼうさに嫌気が差してすぐに手放した。音楽を聴きながら、タバコを吸うことを決めた。

その延長でいくつか音楽を聴くことにした。以下に列挙する。

The Beatles「I`m Only Sleeping」

・Sun Ra and His Intergalactic Myth Science Orchestra 「Sleeping Beauty」

・Frank Ocean 「Moon River」

・Kyle Dixon and Michael Stein「Eulogy」 

・jjj「Soul」

菊地成孔が母親の死について語っていたなと思い出し、youtubeにあったのでそれを聞きながらシュウマイ弁当を食べた。生活へと戻っていく罪悪感を感じながら。

Grouperの2枚のアルバムをその後聴き、今はMount Eerieの新作を聴いている。

とりあえずそんな感じなのだが、今も公開するかどうか決めあぐねている。試験的に今から寝て起きるまでとりあえず公開にしておこうかと思う。道徳的に良いのか悪いのか分からない。

少なくとも他人へのコミュニケーションは変わる気がするので、公開しておくとお互い楽なこともありそうな気がする。人と話す機会も減らそうと思っているので。(このこととは別に無関係) ブログの感想とか読んで言いたいことがあったら直接全然welcomeです。今はもうだいぶ落ち着いたので。読んで触れないのも気持ち悪いし難しいな。だれが読んでるのかも分からないし。やはり非公開にしようかと思い始めたけれど、とりあえずいいや。