こんにちは、らくからちゃです。
先日だらだらネットサーフィンをしていると、40代いわゆるロスジェネ世代だけお賃金が増えていない!!という衝撃的なニュースを目にしました。
内閣府は25日、正社員の2015~17年の平均給与を年齢層別に5年前(10~12年)と比べたところ、40代だけが減少していたとの調査結果を発表した。バブル期後半の大量採用組や人口の多い「団塊ジュニア」が40代に当たるが、管理職ポストに限りがあり、部長や課長への昇進が全体的に遅れていることが背景にあるという。
調査は多くの企業で正社員に相当する「雇用期間に定めのない労働者」を対象に、基本給などの所定内給与月額を、5歳ごとに区切り、20~24歳から55~59歳まで比較した。
なんとも誤読しそうなタイトルですが『40代のロスジェネ世代の賃金が5年前より減少した』って意味ではなく、『相対的に高賃金のバブル世代が50代となったことで40代全体の平均賃金が下落した』という話なんですかねぇ?
いずれにせよ、お賃金が伸び悩んでいるこの状況は由々しき自体ですが、こういう話を聞くと、ロスジェネ世代に続くゆとり世代のフロントランナーからすると『ロスジェネ(氷河期)世代だけが酷かったのか?』と思わずには居られないんですよね。
ロスジェネ世代の就職率推移
一般にロスジェネ世代といえば、大学卒業時にバブル崩壊がぶつかった1970年〜1982年度生まれの人のことを指すようです。よくこの世代がいかにエグかったかを示すものとして、以下のグラフが引用されます。
(出典:厚労省:「氷河期世代」採用に助成 正社員化図る - 毎日新聞)
わたしは、2010年に大学を卒業したのですが、就職活動行われていた2009年は前年に発生したリーマンショックの影響をモロにかぶった時期でした。同期は20人いましたが、うち1人は内定取消にあったため翌年弊社を受けて採用され、別の1人は就職のために意図的に留年をしたりと、そんな時代でした。
同級生の中にも、なんとか内定まではこぎ着けたものの、仕事の内容がキツすぎて辞めたひとや、明らかに不本意な仕事で辞めた人もそれなりにいました。そういう『就職語』も考えると、単に就職率だけで見るのもどうなんだろうねえと思いましたので、年齢別の賃金のデータを整理してみました。
若者の所得は低いまま
(出典:国民生活基礎調査 - 有所得者1人当たり平均所得金額,所得の種類・性・年齢(5歳階級)別 を元に筆者作図)
上図は、国民生活基礎調査の中から抜粋した、勤労所得(年額)を年齢階級(5歳階級)別に整理したものです。余談ですけど、この手の調査って10歳階級のものは多いんですけど、もう少し細かくみようと思うと、中々公表データではないんですよね。
改めてグラフにして眺めてみると、
若者のお賃金低いままだなー(´・ω・`)
と思うんですよね。ロスジェネ世代最後尾の1979年生まれが30代となった2010年以降も20代の賃金は低いまんま。
この手のデータって、結構調査対象や切り口などによってデータの性質が全く異なってきちゃうので、他のデータでも見てみましょう。お次に見てみるのは、国税庁の民間給与実態調査。
データは2014年までしかないのが残念ですが、e-statからグラフ出力まで出来るようになってましたのでその結果をペタリ。こちらは1年以上勤めた人が対象ですので、どちらかと言えばフルタイム労働者が多めの結果になりますが、やはり同じくヨコヨコ。
ついでに、総務省統計局の出している家計調査の結果も。
総務省のデータは、34歳以下と35歳から65歳とそれ以上という、中々ザックリした括りでしたので、34歳以下のデータだけ抜粋してみました。こちらは月収ベースで、単身の勤労世帯のみとしております。ついでに『可処分所得(ざっくり言うと手取)』のデータもありましたので並べてみてみました。
お賃金はやや上がっているのかな、と思いつつも、可処分所得の伸びはそれにおいついていないですね・・・。社会保険料が上がった影響でしょうか?いずれの調査結果からも、10年以上若者のお賃金は低いままの残念な状況であることが読み取れるかと思います。
またロスジェネ世代は結婚ができないので子供も産めないといった話も良く耳にしますが、未婚率に関しても、高止まりを続けております。
(出典:未婚化の進行 - 少子化対策 - 内閣府)
むしろロスジェネ世代が20代後半・30代前半だった、2000年前半から見ると、更に上がってるんじゃねーの?って状況ですね。
さらに言えば、近年奨学金の受給率はぐーんと上がっており、かなり多くの人が奨学金を利用している状況です。
(出典:日本学生支援機構について)
ロスジェネ世代に関しては、確かに大変だったかもしれないけど、まだ親はそれなりに豊かだった。その一報、ゆとり世代以降に関して言えば、親も全くもって素寒貧の状況であります。
ゆとり世代が思うこと
『ゆとり世代』なんてネーミングを貰ったおかげか、のんきに生きていると思われてきたのかもしれませんが、2010年頃のリーマンショック後の就職活動は、かなりハードなものでした。採用数が予定数を下回る"厳選採用"の潮流が強く、実態の求人倍率は表面上のものよりもかなり低かったといった話も耳にします。その後も恵まれた雇用環境が得られたか?といわれたら、そうじゃないよねえとも思うんですよね。
ただそんな話をロスジェネ世代の人としてみると
『キミらは俺らの厳しい状況を目にしてきたが、俺らはバブル世代が楽して内定貰ってきた中だから、落差が大きくて大変だった』
みたいな、言ってる側としては納得できるのかもしれないけど、聞いている側としては到底承服しづらいことを言われたりするわけです。
まあ確かに、同じ世代の人と話していると『きっと俺らは豊かにはなれない』『仕事があるだけでも十分幸せ』みたいなことを言う人も多いのですが、それでええんやろうか?とは思わずにいられないんですよね。
俺らも大変だったんやで、あんたら甘えすぎ。なんていうつもりは毛頭ありませんし、卒業年度というのがその後の労働環境を左右する重要なファクターのひとつであることは違いないですけど、あんまり『世代』で壁を作るようなことをしていても仕方ないんじゃないの?とも思うんですよね。
むしろ世代なんてくくりでまとめるんじゃなくて、ひとつひとつ、ひとりひとり、個々の問題にきちんと向かいあうことのほうが大事なんじゃないのんと思う今日このごろでございます。
ではでは、今日はこのへんで。