難民認定を義務づけ 異例の判決

内戦が続くスリランカを離れて日本に入国したタミル人の男性が難民と認定するよう求めた裁判で、難民と認定することを国に義務づける異例の判決が言い渡されました。

スリランカの少数派のタミル人の58歳の男性は、内戦が続いていた母国を離れて12年前に日本に入国し、難民認定を求める訴えを起こして7年前に勝訴が確定しました。
その後、改めて難民申請を行いましたが認められず、再び訴えを起こしたのに対し、国は「内戦はすでに終結し情勢が改善されている」と主張していました。
5日の判決で東京地方裁判所の清水知恵子裁判長は「内戦の終結後も、タミル人で武装勢力との関係が疑われると、拘束や拷問の危険にさらされている。難民条約における難民ではなくなる理由には該当しない」と指摘し、難民と認めなかった国の決定を取り消したのに加え、難民と認めるよう国に命じました。
難民認定を国に義務づける判決は異例です。
男性は「とてもうれしいです。日本社会に貢献したい」と話していました。
また、原告側の渡邉彰悟弁護士は「入国管理局には難民が救われていない現状を踏まえた取り組みを求めたい」と話していました。
法務省入国管理局は「今後の対応については検討の上、適切に対応したい」とコメントしています。

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