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有給/遊休/悠久

リリース4ヶ月、コミックDAYSについて思うこと

  • 序文

 講談社の漫画サービス「コミックDAYS」がリリースして4ヶ月が経ちました。

 ヤングマガジン、モーニング、アフタヌーン、イブニング、Kiss、BE・LOVEの6誌を読み放題で毎月720円(初月は無料)のプレミアム会員にリリース開始直後から登録しており、「もう一度、漫画読もうぜ」のキャッチコピーの通り、忙しくて読まなくなってしまった漫画雑誌を再び読むようになり、また新しい雑誌や作品との出会いもありました。他の漫画アプリと比べても遜色ない優れたサービスであると感じています。

 4ヶ月時点ということでこれから更新もあるでしょうが、どのような点が良いと思い、どのような点に課題があると感じているか、いち利用者としての雑感を書いておきます。

 

  • ラインナップ

 ヤングマガジン、モーニング、アフタヌーン、イブニング、Kiss、BE・LOVEのラインナップはリリース当初こそなんでKissとBE・LOVEが入っているんだろうか疑問でしたが、現在ではむしろこの2誌があるのがコミックDAYSの良さと捉えています。
 コミックDAYSのメインターゲット層はおそらく30~40歳前後の男性、もっと言えばモーニングかアフタヌーンを購読している(いた)人でしょう。この2誌は根強い人気がありますから。そう考えるとヤングマガジンとイブニングが入っているのは分かりますが、Kiss、BE・LOVEは女性向け漫画誌なので読者層が異なるはずです。

 かと言ってKiss、BE・LOVEを購読している女性をコミックDAYSの大きなターゲットと捉えているならば、もう少しラインナップに女性誌の数を増やしていたはずです。やはりラインナップから考えてコミックDAYSのメインターゲット層は30~40歳前後の男性ということで間違いないでしょう。

 以上の通りでリリース当初はラインナップに疑問を感じていましたが、いざ利用してみると今まで読んだこともなかったKiss、BE・LOVEも積極的に読むようになりました。それは月額料金制で読んでも読まなくても費用が変わらないことから「もったいない精神」で。また単行本は買っていない漫画でも雑誌を買っていると読んでしまうように、コミックDAYSという同じ場に並んでいることが読むきっかけになったのだと思います。
 もともと漫画を習慣的に読む人は男性向けか女性向けかで抵抗を感じにくいでしょうし、Kiss、BE・LOVEは女性向け漫画誌でも対象年齢が高いように見うけられるので、こういうきっかけさえあれば読み始める人も多いと思います。

 

  • 価格

 毎月720円(初月では無料)。安い。比較対象はジャンププラスもそうですし、NetflixやHuluといった月額制サービスです。この相対的安さはサービス開始の際にはうれしかったですが、今ではもう頻繁に利用するようになっているので1000円まで上げてもう2,3誌追加してもらっても全然うれしいです。1000円というのが1つの区切りに感じています。月マガ追加だととてもうれしいですが、今まで読んだこともないような雑誌が追加されて新たな出会いの場になることも期待しています。
 逆に週刊少年マガジンは入らなくてよかったと感じます。おそらくラインナップに週マガが入っていれば値上げもしくはラインナップが6誌よりも少なくなっていたかと思われますので、週マガは加えなくて正解だったと思います。最近の週マガはけっこう面白くなってきた印象ですが、それはまた別の話として。

 

  • 閲覧期限の設定が良い(過去の雑誌が消えていく)

 先行サービスであるジャンププラスやDモーニングが購読期間の発売雑誌であれば過去のものであってもいつでも読めるのに対し、コミックDAYSには閲覧期限が設定されています。

 基本的には週刊誌は4週分、月刊誌は2月分が読めます。当然いつでも過去分が読める方がサービスとして優れていますが、いつでも読めることでいつも読まなくなるという危険があります。いわゆる締切効果で読むようになる。これも「もう一度、漫画読もうぜ」のキャッチコピーに沿った造りですね。行動経済学的というか。
 また過去の雑誌が消えていく(期限が来ると読めなくなる)ために定期的にアクセスすることで、読み見逃しがなくなる点も優れていると感じています。特に隔週発売のイブニングは忘れがちなので。他の雑誌を読むつもりでアクセスしたら、別の雑誌がもう発売していた(読めるようになっていた)という感じに。
 どこまで読んだか何を買ったか、管理しなくていい、ポータルサイトやアプリにアクセスすれば分かるというのはすごく楽に感じます。

 

  • DL機能なし

 先行サービスであるジャンププラスやDモーニングが雑誌を端末DLできるのに対し、コミックDAYSはできません。この点は不満に感じる人も多いかもしれません。外出時のオフライン状態やデータ通信量を抑えたいシーンで、利用できないためです。
 ただ私自身はコミックDAYS利用シーンは常に在宅時で、ノートPCからアクセスしているため全くマイナスには感じません。当然、機能が多い方が選択肢は多く持てるのでDL機能はあった方がよいとも思いますが、むしろない方が良い、なくて良かったという想いの方が強いです。
 それは利用シーンが限られていることも締切効果と似た、制約による行動の促しが働くためです。読める期限が決まっていて、読めるシーンも決まっていることが、コミックDAYSへのアクセスを誘導しているのだと考えています。
 あとは単純にDLしてストレージが減ってきたらデータを消してという手続きが面倒で、読みたいとき読めるときにアクセスしているというのがあります。6誌すべて読んでいるとけっこうな容量を食うでしょうから。

 

  • レイアウト

 WEB版のレイアウトはマイページに6誌が並んでいるために、ついつい6誌すべて読んでしまいます。また週刊誌は過去3週分読めるのですが、マイページには過去2週分しか並んでいないことも前述の締切効果をより強めます。
 私はWEB版コミックDAYSを普段はログアウトしており、利用する際にログインして漫画を読むという利用をしていますが、コミックDAYSはログアウトをどこですればよいか分かりにくいです。一般的なサービスはマイページから常にアクセスできる場所にログアウトのボタンが設置されていますが、コミックDAYSはマイページ>お客様情報のページにアクセスして初めてログアウトボタンが見えます。退会ボタンのような隠し方!
 都度都度ログアウトするような利用を想定されていなかったためのデザインなのかもしれませんが、ログアウト方法をこんなに探したサービスは初めてなのでちょっとびっくりしました。

 アプリ版のレイアウトについてもコメントしたいところですが、実はアプリ版はこれまで利用していませんでした。そこでこの感想を書く上で試しにインストールしてみました。Android版です。ここまで書いてきたWEB版の良いところはアプリ版では弱く感じます。携帯端末は画面の大きさが限られているので、一覧で雑誌や作品を並べて表示することができないための事情で仕方ありませんが。
 ただ連載作品の更新された最新話を隙間時間に読むような使い方であればアクセスはしやすいという印象です。

 

  • アンケートが電子版対応していない

 良い点として今までに購読していなかった雑誌も読むようになったことを挙げました。
 ところが6誌のうちアフタヌーン以外の5誌は、電子版がアンケートに対応していません。せっかく読むようになって意見があっても、コミックDAYSで読んでいる人はアンケートを出せないのです。紙の雑誌からコミックDAYSに移行した人も当然いるはずですので、アンケートの数は減っているのではないかと推測できます。
 新規読者の意見を拾う良い機会になるため、ぜひ電子版もアンケート対応していただきたいです。

 

  • 支払い方法の変更

 登録したクレジットカードを変更しようと変更ページを探したもののなく、QAにも載っていませんでした。サポートにメールで問い合わせたところ、なんとポイントを購入する(ポイント購入の際にカード変更できるそう)か一度解約して再契約するかしかないとのこと。カード変更でこんなに面倒なのですね。
 もっともこれはおそらくWEB版で契約しているためで、アプリ版であればGoogle Playで支払い方法を変更すればよいだけのはず。
 ジャンププラスはアプリ版で支払っていますが、WEB版でのカード変更はやはり手続き面倒みたいです。コミックDAYSと同じように定期購読の解約と再契約が必要とのこと。

 

jumpbookstore.com

 

 ただジャンププラスはこの通りサポートページに記載されてますし、コミックDAYSも支払い方法の変更レベルのことはQAに載せてほしいと思います。サービスの性格上、継続利用する人が多いはずですので。

 

  • 連載作品

 連載作品はほとんど追っていませんでした。もともと定期更新されるWEB漫画を追うのが苦手なので。ちゃんと追っていたのは太田モアレの『寄生獣リバーシ』くらい。
 この機会に一覧をチェックしてみましたが、雑誌で読んで気になっていたものや好きな漫画家の作品などがあり、もう少しチェック数が増えました。
 個人的に「定期更新されるWEB漫画を追うのが苦手」なので、指定した連載作品をマイページに並べる機能があれば読み逃しもなくなるし利用するのになぁと思ってました。アプリ版ではまさにそのマイリスト機能が実装されていますが、WEB版にはありません。

 

  • 閲覧履歴とマイリスト

 WEB版の機能に「閲覧履歴」があります。過去に読んだ連載作品がマイページに表示されることでアクセスが用意にできます。ただ、あくまでWEB版での履歴なのでアプリ版との同期はしていません。
 一方、アプリ版にはこの閲覧履歴の機能がない代わりに、WEB版にない「マイリスト」機能があります。気に入った連載作品を指定して、自分の本棚(WEB版でのマイページに当たる場所)に表示できるものです。
 WEB版も閲覧履歴よりはこのマイリスト機能があった方が、(自分で管理していなくても)マイページにアクセスすれば読み見逃しなくお気に入りの漫画や雑誌を読めるという利用に適していると思います。

 

  • ポイント

 プレミアム会員なので毎月ポイントが付与されます。が、このポイントは全く使っていませんでした。追っている連載作品は時間が経てば無料で読めるようになるのでポイント利用はもったいないかなぁと思い、かと言って他に使うこともなし。などと言っていたら最初のポイント失効期限が今月末に迫っていました。リリース4ヶ月でもうポイント失効するというのはかなり速い気がしますが、それよりも不満なことはポイント失効日がWEB版からは見られなかったこと。このタイミングでアプリ版をインストールしてさわっていたために気づけました。ポイント失効が速いと知っていれば使うモチベーションにもなるので、これは何らかの通知が必要と思います(月末失効の段階で通知がなかったため、おそらく通知機能はないものと思われます)。
 それはともかくポイント利用してみました。単行本を買いましたが、単行本収録の各話をポイント購入したようなデザインで単行本を買った気があまりしません。まあこれは慣れの問題でしょう。

 

  • まとめ

 コミックDAYSは発売タイミングが異なる6誌をまとめたことでポータル(アプリ)へのアクセス頻度を高めています。都度アクセスするマイページには6誌だけでなくポイント購入した作品や連載作品の閲覧履歴(アプリではマイリスト登録機能も有り)が並び、それが目的の漫画以外も読ませるように働いています。「もう一度、漫画読もうぜ」のキャッチコピーに沿ったサービスと思います。
 閲覧期限の制限、ポイント失効の速さ、DL機能の存在しないこともそれを強める要素だと個人的には好意的に捉えています(もちろん一般的にはあまり好まれることではないでしょうが……)。
 今後望むこととしては、価格を上げてもいいので雑誌ラインナップを増やしてほしい。WEB版での支払い方法変更についてQA記載してほしい。アプリ版のマイリスト機能をWEB版にも導入してほしい。電子版もアンケート対応してほしい。などなど小さなところでいくつかあるものの、全体としては非常に満足しています。

 

 ちょうどこれを書いている間に更新がありましたが、これも良い更新ですね。

 

comic-days.com

 

 今後もコミックDAYSの更新を楽しみにしております。以上。