アインズ様Lv1   作:赤紫蘇 紫
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鈴木さんに侍っていた皆、幸せそうな鈴木さんを見て幸せだったよ、ってお話3連続でした。
アインズ様の幸せを皆で祈る幸せなナザリック……!(自分得)


閑話 八肢刀の暗殺蟲の気持ち

ナザリック地下大墳墓の支配者であるアインズ様が、レベル1になられて。我々八肢刀の暗殺蟲は、より気を引き締めてアインズ様をお守りしなければならなくなった。

 ……何せ、あの守護統括殿が、獲物を狙う肉食獣のような瞳でアインズ様を見つめていたのだから。先日のアルベド様謹慎事件は、我々八肢刀の暗殺蟲にとって衝撃的だった。アインズ様をお守りすべき守護者が、まさかの暴挙。誰も予想が出来ず、アインズ様に襲いかかるアルベド様を押さえることが出来なかった。それは、痛恨のミスだ。我々の目の前で、アインズ様が床に倒されて。必死に助けを求める姿に漸く我に返ったが……守護者のレベルは高過ぎて、我々だけではどうあがいても引き剥がすことは不可能だった。あの場にマーレ様がいらっしゃらなかったら……と思うとゾッとする。

 今のアインズ様は、その時よりも遥かに脆いお体だ。もし、レベル1のあのお体でアルベド様に襲われたなら、大怪我どころかそのまま亡くなってしまうのでは……と不安で仕方がない。我々に出来るのは、彼女たちからアインズ様を盾となってお守りし、他の守護者が助けに来るまでの時間稼ぎをすることだけなのだ。非力なこの身が憎い。

 他の僕よりもアインズ様を見守る時間が長く、幸せな役職に就けていると自負しているが、万が一アインズ様をお守り出来なかったなら、即座に自害しアインズ様の後を追うつもりだ。

 そんなことを考えつつ、眼下のアインズ様を見守る。レベル1になって、更に種族まで変わられたので、色々と装備の変更などが大変なようだ。宝物殿にはデミウルゴス様が付き従ったので我々はアインズ様のお部屋の前でお二人のお帰りを待っていた。

 そして、アインズ様が自室にお戻りになり、メイドに紅茶を給仕された時に事件は起こったのだ。

(!!!!!!!)

 何と、アインズ様が涙を流されたのだ。その、あまりにも尊きお姿に、一瞬時間が止まったような気がした。だが、次の瞬間、我に返るとアインズ様と紅茶を給仕したメイドを見比べる。メイドはメイドで自分の失態かと取り乱していたが、アインズ様は違うと仰って。我々もメイドも安堵した。それにしても、アインズ様の泣かれる所とは。あまりにも貴重な物を見られた幸福に胸が熱くなっていると、更なる幸福が訪れた。アインズ様は、紅茶をお飲みになり幸せそうに微笑んだのだ。

(何という役得っ……!隠密に特化した我が身を褒めてやりたい……!!)

 いつものアインズ様より表情豊かなので、色々なお顔を眺めることが許される今。常にアインズ様のお側に居られる警護の任務は、本当に最高の仕事だと思う。勿論、今までの警護も心躍る素晴らしいものではあるが、今の状態を我々八肢刀の暗殺蟲や影の悪魔以外の者に知られたら、激しい嫉妬の目に晒されることは間違いないに違いない。

 アインズ様はお食事の際も大層ご機嫌で。それを見守る我々も、幸福な気持ちで満たされていた。願わくば、アインズ様の平穏をずっとお守り出来たら。そう思いながら、我々は深夜の侵入者に備え気を引き締めて再び警護に当たるのだった。







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