女だから言えること | 引きこもり、精神病からの生還

太ったおじさんみたいなおばあさんです。キレキャラとおふざけキャラと真面目キャラを分離する才能がないので、丸ごとの自分を出してます。

セカンドレイプとアドバイス罪

この記事を読んだ感想を書いてみたいと思います。

 

ちなみに、私は若い頃に、このような性被害に遭っています。

 

セカンドレイプは善意・心配や無意識から起こる場合も

 以前、ブコメで「アドバイス罪」という言葉を見た。性被害を受けた人や、精神病の症状が出ている相手に対して、善意からくる頓珍漢なアドバイスをしてしまい、相手を傷つけてしまうことがあるという意味で、アドバイスは罪になるという意味合いだと思う。

  セカンドレイプの定義は非常に難しいと思う。セクハラと同じで、他人は善意から励ましの言葉で言ったつもりでも、被害者がそれを不快だと感じて深く傷ついてしまえば、それがセカンドレイプと認定されてしまう場合があるからだ。

 

被害を受ける前と受けた後では被害者の捉え方は違う

例えば件の山口氏の場合だが、女性が被害を受ける前に

「一人で男性の部屋に行かないほうがいいよ。」

「夜中に男性の部屋に行かないほうがいいよ。」

「男性と二人きりにならないほうがいいよ。」

「泥酔した男性とは関わらないほうがいい。」

などと、女性が被害を受ける前に、善意から注意喚起するいことには問題はないと思う。

 

だけども、実際には被害者が被害を受けた後に

「一人で男性の部屋に行かないほうがいいよ。」

「夜中に男性の部屋に行かないほうがいいよ。」

「男性と二人きりにならないほうがいいよ。」

「泥酔した男性とは関わらないほうがいい。」

などの、言葉を受けたとしたら、どうだろう。

 

言葉を投げかけたが側は、もちろん善意で(今後は)注意したほうがいいよ。と言いたいのだと思う。だけども、被害を受けて間もない女性にとっては、

「一人で男性の部屋に行った、あなたも悪い。」

「夜中に男性の部屋に行った、あなたも悪い。」

「男性と二人きりになった、あなたも悪い。」

「泥酔した男性と関わった、あなたも悪い。」

と、言われていると感じてしまう可能性もあるわけです。

 アドバイスをした人たちは、「いや、私はそんなふうな気持ちで言ったわけではない。」と思うでしょう。しかし、被害者側は非常にデリケートな心持になっていて、被害妄想を抱きやすい状態になっている場合があります。ちょっとしたことでも、責められている気分になる場合があるのです。

 その状態で、「あなたの危機管理不足も問題だ。」と聞こえてしまったら、もう、その子は誰も信じられなくなることでしょう。

 

もし、男性から男性への性被害だったとしたら

この被害者を男性に置き換えたとしましょう。男性が男性と二人きりになる時に、

「一人で男性の部屋に行かないほうがいいよ。」

「夜中に男性の部屋に行かないほうがいいよ。」

「男性と二人きりにならないほうがいいよ。」

「泥酔した男性とは関わらないほうがいい。」

と、前もって注意する人たちがどれだけいるでしょうか?

 

 さらに、男性が男性から性被害を受けた場合、上記のように男性の危機意識の低さを指摘する声はどの程度上がるのでしょうか?(異性愛者が多数派の社会の話をしてるので、ゲイ社会での話は今回は省略ね。)

 「同性のケースは想定しにくいから、しかたなかったよね。」と、なるのではないでしょうか?これは、男性から男性への性被害だけでなく、女性から女性への性被害、女性から男性への性被害でも同じことが言えると思います。

 なのに、なぜ男性から女性への性被害だけが、想定できたよね?あなたも注意不足だったのでは?って言われなきゃいけないの?というイラ立ちは、正直、私は持っています。

 

被害に遭いやすい人は注意しようを被害後に言われる悲しみ

 男性から女性への性被害が統計的に多いから、女性は被害後も自分の落ち度を反省すべきだというのなら、オレオレ詐欺は老人が引っ掛かるケースが統計的に多いから、老人は自分の落ち度を反省するべきだと言われているような、納得のいかなさがあります。

 「いや、予備知識がない、判断力がないから被害に遭うんでしょうよ。」それを、被害を受けたあとになって、もっと注意しましょう(すればよかったのに)は、ちょっといくらなんでも厳しいと思うんですよね。そりゃ、あなたは予備知識もあって、(頭が良いから)とっさの判断力もあるんでしょうよ、だけど、皆が皆、あなたと同程度に知能が高いわけではないですからね。と、低能の私はひがんでしまいます。

 

過去の性被害の有無は誰も分からない

  で、じゃあ、被害に遭ってない人に注意するのならいいの?と思うかもしれませんが、性被害を受けた女性や、オレオレ詐欺に遭った老人は、恥ずかしさやセカンドレイプが怖いといった理由から、その被害自体を他者に打ち明けていないケースも多いでしょうから、非常にデリケートな問題だと思います。

 定食屋のテレビで、女友達と二人で性被害のニュースを見ている時に、「この女性も、もっと気をつければよかったのに。」とぽろりとつぶやいたとしましょう。でも、その食事を共にしている、その女性は性被害者かもしれないのです。その、性被害者の友達は、あなたに何の反論もしないものの、その言葉に「あなたは何も分かっていない。」と唇をかみしめているかもしれません。

 

声をあげろと言われても困る女性たち

 もしかしたら最悪の場合、その女友達はレイプで妊娠してしまい、堕胎した経験があるかもしれません。もしかしたらレイプ加害者が、父親、祖父、親戚のおじさん、兄弟などで、誰にも相談できなかったかもしれません。

そんなこと、普通は多くの人には話しません。たとえ、相手が友達であっても話せることと話せないことがありますからね。警察、弁護士、精神科医にでさえも、つらくて話せないかもしれませんね。

 

セカンドレイプは男女とも気軽にしてしまう

一人で男の部屋に行っちゃダメ!(注意喚起)

一人で男の部屋に行かないほうがいいよ。(注意喚起)

一人で男の部屋に行くのは危険だよ。(注意喚起)

どうして一人で行ったの?(質問)

一人で男の部屋に行ったから、起こった事件だ。(因果の分析)

一人で男性の部屋にいくなんて、私には考えられない。(自分自身の感想)

 

 これらは、どこからがセカンドレイプだと思いますか?二番目に貼った記事のような性被害に遭った私としては、いくら先方が善意で言ってくれていたとしても、いくら、個人的な感想だったとしても、被害を過去のことだと消化できていなければ、責められていると被害妄想を持ったことでしょう。

 

個人的にはセカンドレイプは女性がする印象

 元記事では、「男性に気をつけてほしいこと」とタイトルをつけていましたが、私個人としてはセカンドレイプについては女性の方が多いというか、キツイ気がしています。(もちろん、私の周囲のみの話なので一般化するつもりはありません。)恐らくですが、この印象の違いはネット社会とリアル社会の違いかな?と思ったりします。

 男性は(もし被害を知ったとしても)気を使ってそのことに触れないでおいてくれるけれど、女性は親切心から「もっと気をつけたら良かったのに。」「なんで、一人で行ったの?」「私は気を付けているから、そんな目に遭ったことはない。(だから、あなたも気をつけるべきだ。)」などという言葉を発しやすい気がします。

 ですから、性被害者を傷つけたくないなら、本人の前で言わないのはもちろんのこと、本人に伝わるであろう可能性のあるネットには書き込まないほうがよいと思うのです。それでも、自分の考えや表現の自由のほうが大切だと思うなら、それはそれで一つの考え方ですから、好きにすればいいと思います。

 ただ、私は、そのようなことを言っている人を見たら、性被害者が周囲にいなかったんだろうな、とか、性被害者はこういうタイプの人には被害を打ち明けないから、知らないんだろうなというふうには感じますし、私がそう感じるのもまた自由だと思います。

 

女性同士でもこのありさまですから

 女性ですら被害の有無、危機感の強弱などで、性被害に対して関心が薄かったり、勉強をしていない人もいるわけですから、男性だけに、ことさら自力で勉強しろというのも難しい気もします。

 宇野さんの記事は被害を受けたことのある私にとっては、非常に良い記事に見えましたが、性被害に関心のない男女にとっては、なんで私が時間を割いて関心のないことを自力で勉強しなければいけないの?めんどくさい。ってなる気持ちも分かります。

 正直、私も自分の関心のないことを勉強しろと言われても、めんどくさがりやなので、めんどくさいです。

 ですから、今回の記事のように、感心を持って欲しいと促すのであれば、じゃあ、加害者にならないためにはどうしたら良いのかを具体的に書き添えてあげたほうが親切だったかな?とは思います。(言及記事に具体的方法もあったが、言及記事まで読まない人も想定して書かなければならぬ難しさ。)

 

考え方・感性・理解力の違い

 また、私達夫婦が同居を続けていられるのは、互いに理解し合えない感性については触れないという暗黙の了解があるからです。私自身は人間同士は必ず理解し合えるとは全く思えなくて、「人間は互いに完璧に理解し合うことなどない」ということを理解しよう派です。ですから、夫の、根本的には理解できないと思える部分についてはスルーして「どうして、そうなの?」とは、もう言いません。個別に、されて嫌なことについては、それは止めて欲しいと伝えるようにしていますが、根本にある考え方まで私の気に入るように矯正するってのは違う気がするので、スルーです。

 

宇野さんのブログが好きです

 宇野さんは、私なんかよりはるかに文章がうまいし、頭も良いのですごく羨ましいです。私も宇野さんのように過去のトラウマに引っ掛かってしまうと、かなりエモーショナルな文章になってしまい、時々燃やしてしまいます。なんだか、そんなこんなで、宇野さんのブログは結構好きなんですよね。

 ただ、まあ、宇野さんのブログを選んで読みに来るような方は、もともと男女差に関心がある方でしょうし、燃えた時しか見に来ない方は、性被害・男女差にあまり関心や知識のない方でしょうから、そういった方たちにも伝わるような分かりやすい文章で、具体例を出しながら書いたほうが、より、多くの人につたわるかな?とは思いました。

 また男性側も、男女からの痴漢被害、レイプ被害、ストーカー被害などの性的被害を受けているという着眼点も忘れないでほしいとも思いました。

 宇野さんには頑張ってほしいです。

 

おわり

 

■性被害関連の記事はこの辺にまとめてあります

 

 宇野さんからコメントをもらっていたので、お返事。せっかくいい記事なのに、ペーペーの新人とか書いちゃったりして、女性嫌悪の人たちを挑発しちゃったのとか、もったいないなーとおもっちゃったのよ。

 関心のある人たちに向けて書いたつもりでも、燃えたら関心のない人とか、女性嫌悪の人とかまでみにきちゃうわけじゃないですか?その時に、相手を興奮させずに、理解してもらえる書き方ってあるって、教わったんです。これは、自分自身がネットの人の教えてもらって反省した点なので、宇野さんだけでなく、男女差について書きたい人達に書き残しておきたいと思ったので書きました。

 あと、マスコミは報道機関なので、啓もうは行政の仕事かな?と思います。実際、行政には、男女共同参画(旧:女性センター等)に関する局や課がありますし、私の知人も働いています。ですが、その分野は人が足りてないとか、その他の諸事情で上手く回ってないのも知っていて、宇野さんは自力で発信しようとしてるのかと思っていました。そこまで、求められるのは責任が重すぎると感じたならごめんなさい。