新製品レポート
Summer NAMM 2018発表モデルを一挙紹介

“ありえないギター”がついに日本上陸!? Fenderは2018年夏も攻めてる

あの“ありえないギター”がついに日本上陸する模様!?

あの“ありえないギター”がついに日本で発売される!?

創業から70年を超えた世界的ギターメーカーの「Fender(フェンダー)」が、最近ますます攻めの姿勢を見せている……という出だしで筆者が前回の記事を書いたのは、2018年の春のこと。そして季節は移って夏。世界的な楽器の祭典「Summer NAMM 2018」 にて同社は多くの新製品を発表したが、やはり攻めのモードは続いているようだ。ここでは、日本でも正式リリースされたモデルを中心にご紹介していこう。

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10万円を切る“PLAYER”シリーズ、一気に21モデル94製品登場

最近のFenderの挑戦のひとつに、「未来のプレイヤーとなるキッズたちを育てる」というコンセプトがあげられる。これにならい、同社は定評のあるハイクオリティモデルだけではなく、エントリーモデルを強力に拡充しているのだ。

今回のSummer NAMMで目玉となったのが、Fenderが「次世代プレイヤーのためのモデル」とアピールする“PLAYER”シリーズだ。定番のテレキャスター、ストラトキャスター、プレシジョンベース、ジャズベースなど一気に21モデル94製品をラインアップする。Fenderが培ってきた技術を投入しながら、シンプルで使いやすいエントリー設計としているのがポイント。さらに販売価格は7万円台からと、ブランド中でもっともリーズナブルなラインとなっている。

日本でもすでに発売をスタートしている“PLAYER”シリーズ。新設計のブリッジとボディ、新デザインのクラシックロゴなど、ディテール面でも大きくアップグレードしている。SAGE GREEN、POLAR WHITE、TIDE POOL、BUTTER CREAM、SONIC RED等の多彩なカラーリングもポイント

「Player Jaguar」(左)と「Player Precision Bass」(右)。全モデルに共通して、アルニコピックアップ、22フレットのネック(ギターのみ。ベースは20フレット)を備えている

カジュアルな“SQUIER”に、アクティブピックアップ搭載のジャズマスターとジャズベ登場

さらに今回は、もうひとつの入門者向けカジュアルライン“SQUIER”シリーズにも、新しくジャズマスターとジャズベースが追加された。Fenderによれば、それぞれモダンなルックスに加え、アグレッシブなトーンにリニューアルしたとのこと。さらに、デザインが⼀新された「SQUIER SQRアクティブピックアップ」など、これまでエントリークラスのモデルにはなかった機能を搭載するのもポイントだ。

「Contemporary Active Jazzmaster HH ST」は、アクティブ9V回路を搭載した2基のSQRセラミックハムバッカーピックアップを搭載。弾きやすい“C”シェイプネック、チューニングを安定させるストップバーテイルピースなどのギミックを備えている。ボディの素材はアルダー。12インチラジアスの指板を備え、早弾きもしやすい仕様

2基のSQUIER セラミックシングルコイルピックアップに、ジャズベのスタンダードなコントロールレイアウトを配した「Contemporary Jazz Bass」

「Contemporary Active Jazz Bass」は、9V のアクティブプリアンプに加え、マスターボリューム、バランサー、マスタートーン、トレブルブースト、ベースブーストによる直感的な操作に対応する。4弦の「Contemporary Active Jazz Bass HH」(左)と、5弦の「Contemporary Active Jazz Bass HH V」(右)をラインアップ

あの衝撃作“トラブルメイカー”が日本上陸!

続いて注目したいのは、“PARALLEL UNIVERSE”シリーズ。「パラレル世界に存在するもうひとつのFenderが作ったギター」というコンセプトで、本来ありえないデザインのギターを製品化する遊び心あふれるシリーズだ。

たとえば、同社の2大代表モデルであるストラトキャスターとテレキャスターをハイブリッドにした「Strat-Tele Hybrid」や、ジャズマスターとテレキャスターを融合させた「The Jazz Tele」などが、日本でも発売中である。

ストラトなのかテレキャスなのか? 不思議な感じの「Strat-Tele Hybrid」は日本でもすでに発売中

ストラトなのかテレキャスなのか? 不思議な感じの「Strat-Tele Hybrid」は日本でもすでに発売中

この“PARALLEL UNIVERSE”シリーズの発表時に話題をかっさらったのが、Fenderみずから“衝撃作”とアピールする「Troublemaker Tele」だった。“もうひとつの世界的ギターブランド”を彷彿とさせるデザインのテレキャスターで、付いた名称が“トラブルメイカー”。このたび、満を持して日本での発売が決定したそうだ。正式リリース前なので発売時期や価格等については続報を待ちたい。

「Ice Tea Burst」(左)と「Ice Blue Metallic」(右)の2色をラインアップ

「Ice Tea Burst」(左)と「Ice Blue Metallic」(右)の2色をラインアップ

「Troublemaker Tele」の実機がついに日本上陸。Fenderではこれを「勇敢なプレイヤーのためのギター」とアピールしている

“CALIFORNIA”のウクレレが新カラーでかわいい

Fenderといえばやはりギターだが、実は同社はかなり前からウクレレも手がけている。“CALIFORNIA COAST SERIES UKULELES”「VENICE」と「ZUMA」の各シリーズには、同社のルーツである南カリフォルニアにインスパイアされたという新カラーが追加された。いずれも、これまでのFenderのイメージとは異なる、ある種かわいらしいカラーリングが魅力的。女性ユーザーにも強力にアプローチしそうなラインアップだ。

「VENICE SOPRANO」(10,000 円・税別)には、夏らしい「SURF GREEN」「DAPHNE BLUE」「SHELL PINK」の 3 色が追加された。マットフィニッシュのスタイリッシュなデザインが特徴で、ビーチでのプレイのほかに、スタジオでのリハーサルやレコーディング現場でも活躍する。

バランスよく温かみのあるトーンが特徴的な、コンサート仕様のウクレレ「ZUMA CLASSIC」(22,000 円・税別)には、シックな「BURGUNDY MIST」「CANDY APPLE RED」「LAKE PLACID BLUE」の3色が加わった。トップとヘッドストックには “CALIFORNIA SERIES”と同様のペイントを施し、サイドとバックはナチュラルな木目デザイン

そのほか、ストラトキャスターのヘッドを採用したアコギ“CALIFORNIA”シリーズにも、新モデルが追加された。12 弦ギター「THE VILLAGER」、ベースギター「KINGMAN BASS GUITAR」、左利きプレイヤー⽤の「NEWPORTER PLAYER」「REDONDO PLAYER」などをラインアップする。

ジャズベと同じネックを備えるベースギター「Kingman Bass V2」(左)と、1960年代のホッケースティックヘッドストックを備えた12弦ギター「Villager 12-String V3」(右)

エフェクターにも3種類の新モデルが追加

Fenderが楽器用エフェクター市場に本格参入することが発表されたのが、2018年初頭。その際にリリースされた“FENDER EFFECTS PEDALS”は、リバーブ、ディレイ、オーバードライブ、ディストーション、コンプレッサー、バッファーといった定番製品を取り揃え、プロからビギナーまであらゆるタイプのプレイヤーにアピールするシリーズだ。

ここに新しく、「ENGAGER BOOST」「THE PELT FUZZ」「FULL MOON DISTORTION」の3種類が追加される。いずれも発売日は未定。

全部で9機種になった「FENDER EFFECTS PEDALS」シリーズ。最大20dBの範囲に対応するブーストペダル「ENGAGER BOOST」や、サウンドの輪郭を作る「BLOOM」コントロールノブを搭載する「THE PELT FUZZ」、TEXTUREスイッチで対称クリッピングと非対称クリッピングを切り替えられる「FULL MOON DISTORTION」の3機種が追加された

本シリーズの製造にあたっては、Fenderのアンプ製品を多く手がけてきたスタン・コーティ氏が設計リーダーを務めている。同氏は、エリック・クラプトンやジ・エッジ、ジョー・ボナマッサといった、ギタートーンに強いこだわりを持つアーティストたちの要望に応えるアンプ開発を行ってきた経験を持つ人物で、エフェクターの開発にも、そんな経験に基づいた独自視点が生かされているそうだ。

そのほか、Fenderユーザーの著名ミュージシャン、ジミ・ヘンドリックスのシグネチャーアクセサリーも登場。ジミヘンを象徴するカールコード「Hendrix Voodoo Child Cable」は、内部の銅線に無酸素銅を採用し、6.5mm皮膜と銅鋼線によって95%をシールディング

新しいピックも。デボス加工の「WAVELENGTH」(左)と、爪に近いウルテム素材を使用することで爪弾きのようなサウンドを得られる「TORTUGA」(右)

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杉浦 みな子(編集部)

杉浦 みな子(編集部)

オーディオ&ビジュアル専門サイトの記者/編集を経て価格.comマガジンへ。私生活はJ-POP好きで朝ドラウォッチャー、愛読書は月刊ムーで時計はセイコー5……と、なかなか趣味が一貫しないミーハーです。

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