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||次|1-|新||
1:瀝血ノハ◆z.Nk3L7mjZ7D
06/06 22:17:34

月が 過去を改編する月は 未来を再編する
それは 新たな繁栄の為。それは 更なる虚栄の為。

双つの月は交差する。 暦を見つめる眼の中で。

チャプター              

一清同体 いっしんどうたい  信ずるのは何か
>>2 >>13-25 >>26-38 >>3-12
大体普通、敢えて言うなら少し愛想のない少年・清。
なぜか彼は『月神』として少女・メアトに協力していた。


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21:想為/剣標瀝血ノハ◆z.Nk3L7mjZ7D
06/11 14:54:36

そこで、天音はスカートのポケットから
こっそりスマホを取り出した。

「…見て」

自然と小声になる。

一応、校則に反している為、
机の下でスマホの電源を入れ、
視線を下にやる。

スマホには、一つのメールが写っていた。
                   
 久し振り 天音
 季さんが亡くなって
 しばらくは学校に行けなさそうなんだ

 心配しなくていい
 すぐに元に戻るから
                   

「…」

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22:想為/剣標瀝血ノハ◆z.Nk3L7mjZ7D
06/11 15:09:23

「…き さん?」

「季さん… 路留のおじいさんだよ」
 とき

読みづらい名前は止めてほしい。

「…こんな事言うけど、路留は
 自分の事は抱え込むタイプなんだよ。
 何か、ほんと、心配だなぁ…」

路留からのメールを眺めるその目は、
憂いを帯びている。
本気で心配してるっぽいな、これは。

「…」

「ん、どうした清。
 何か言いたげだが?」

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23:想為/剣標瀝血ノハ◆z.Nk3L7mjZ7D
06/11 18:31:24

そこで、右手前の新が僕の顔色を窺った。

「…え…」

画面を見て、考えていたのがバレたか。

「特に、何も」

「そうか? まぁ、ならいいけども。
 天音ちゃん、」

天音に疑問を投げる新を確認し、
スマホの画面をじっと見詰めた。

(…最後の文、あれは…)

『すぐに元に戻る』

普通、『また学校に登校する』事を
『元に戻る』と言うのか?

『いない家に戻る』と意味ならば、
理解できるが。
それでも、『元』が邪魔をする。

「家に元に戻る」何て言うはずがないし、
今伝えたい事…
自身がそこに帰る事を伝えられない。

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24:想為◆z.Nk3L7mjZ7D
06/11 18:50:57

(じゃあ何が『元に戻る』…?)

『自分が家・または学校に戻る事』は
絶対に違う。

けども、何か『元に戻る』ものがなきゃ、
そんな事書かない。
せいぜい、使い方を間違ったか。

「…でも、路留が
「心配するな」って言うんだし、
 そこまで深く考える必要なくないか?」

お前は深読みしまくってる
僕の心を読んでるのか?

「そう…」

「路留にとって季さんは家族なんだしさ、
 なくなったら悲しくもなるし、
 誰かに会いたくなくなる時もあるさ」

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25:想為◆z.Nk3L7mjZ7D
06/12 08:47:46

「…だね、心配しなくて大丈夫だよね。
 えへへ…
 ごめん、付き合わせちゃって」

「いいよ、別に…」

「オレ達は友達だろ?
 そんな気にしなくてもいいって!
 な、清?」

僕の言葉を遮り、何か言った。
そして、僕の肩を新が掴み、
共感を求める様な目で見詰める。

「…別に、そこまで思ってない」

「だってさ、清も苦にしてねぇぜ?
 ま、可愛い女子の願いだもんな~?」

新のジョークに、自他共に笑っていた。


…時たま思う事がある。
どうして僕がここにいるのか。
どうして僕がこの輪にいるのか。

理由は分かってる。

僕が抗う事をやめたから。
抵抗する事を諦めたから。


自分の意思何て、必要ない。


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26:想為◆z.Nk3L7mjZ7D
06/12 16:49:55

3:それが嘘かは試すのみ


「…は?」

(何を言ってるんだこいつは…?)

多分、そんな目で
彼を見詰めていただろう。

「それ、嘘じゃないよな?」

「マジ。大マジだぜ?
 何かやべー奴だった…」

廊下を歩きながら、
僕より背も高く体格もいい少年・
 南 正護 と話していた。
みなみ しょうご
…何で僕は他人と関わるのが嫌いなのに、
こんな友達関係が作られているのだろう?

「右の羽根が白、左が黒って感じで…
 角と輪が『ぐるっ』てしてたし…」

それは本当に天使なのか…?

「よくわかんねぇけど、『あのアプリ』を
 開いたら出て来たんだよ!

 画面から『ぬるーっ』て…。
 オレ恐ろしくてよ、
 スマホ投げ捨てて逃げて来た訳だ…」

正護は、いつにもまして真剣そうに、
思い出した物体に怯えながら
そう続けた。

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27:想為瀝ハ◆z.Nk3L7mjZ7D
06/14 08:54:55

…信じられない話だ。
証拠もないんじゃ、当然だろうが。

「で、証拠みたいな物はないのか?
 スクショ、とかさ」

「スクショ?撮った…」

ポケットを漁った時、
彼の顔が分かりやすく青ざめた。

「ああーっ!拾ってねぇ!」

「は?」

何を?

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28:想為瀝ハ◆z.Nk3L7mjZ7D
06/14 17:41:59

「スマホ!逃げて学校来てずっといるし…
 どこで投げ捨てたっけ!?」

「はぁ…!?」

意外な言葉に、動揺を隠せなかった。

「おいおい…」

「あんな状況だったし… どこだったか…
 つっーか… 盗まれてるんじゃあ…」

まぁ、他人に拾われてたら
盗まれてるだろうな。

(…いや?それが校舎の周りだったら、
 教師に拾われてるんじゃ?)

校則上、学生が校舎にスマホを
持って来ちゃいけない。

…幸い、今日は快晴だ。
降水確率もゼロパーセント。

「今から探しに…」

『ピーンポーン パーンポーン♪』

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29:想為瀝ハ◆z.Nk3L7mjZ7D
06/14 17:55:16

慌て始めた正護を止めたのは、
廊下中に響き渡る校内放送だった。

『一年生に連絡します…
 十時半から、ボランティア清掃を…』

うわあぁぁぁ!
 やべぇ探して来る!」

止めるどころか、
絶望に叩き落とした放送。

人がいないのをいい事に、
正護は廊下を全速力で走る。

「外で待ってるから速く来い!」

「何で…!?」

訊ねる余裕もなかったみたいだ。
あっと言う間に二階へ消えて行き、
僕は追う事を義務付けられたんだ。

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30:想為瀝ハ◆z.Nk3L7mjZ7D
06/20 17:18:20

「外で待ってる」…

少し前、
そんな言葉を聞いたはずなのだが。

(…いない…)

これだから正護の言葉は信じられない。

あっちに悪気はないんだろうが…
何て言うか、
『思い付いた事に突っ走るタイプ』
だと割り切るべきか?

「全く…」

おまけにどこ行ったあいつ。

(まぁ見付けるか…)

…結局僕も僕だ。

こんな『面倒を避けてお人好し』を
続けているから、
逆に変な奴に巻き込まれるんだろうに。

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31:瀝血ノハ◆z.Nk3L7mjZ7D
07/01 06:32:10

確か、正護が使っているスマホは、
ゴールドの本体に黒いカバー。

でももう誰かに拾われてそうなんだよな。
登校時から、既に二時間も空いている。

(あいつ… 人に委せて…
 危機感あるのかないのか…)

それとも、単純に僕に迷惑をかけたいか。

どうしようもない考察ばかり
脳によぎらせて歩いていると、
木陰で何かが煌めいていた。

「…?」

そこに本人はいない。
木の根本まで確認しに行くと、
カバーの外された金色のスマホが
幹に寄りかかって置かれていた。

(…誰だよこんな影に置いた奴…)

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32:瀝血ノハ◆z.Nk3L7mjZ7D
07/01 06:46:38

僕は、それを何気なく拾い上げる。
その衝撃でロック画面が開いた…

「…ん?」

はずなのだ。

『おめでとうございます
 あなたは 神に選ばれました』

画面内で、そんな文字が踊る。

「神?」

そんなの、馬鹿らしい。
神に選ばれる って何だよ。

神はよくある
『人類全員を愛し慈しむ者』
じゃないのか?


『そう、神は人類全員を愛し、慈しむ。
 そして、生物全てに生命を与える。
 好機を与える。天罰を与える。
 神は世界全てを見通している。

 神がいる世界。
 すなわち世界と呼ばれる檻。
 神に閉じ込められた監獄』



(…え… 今、スマホから…)

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33:瀝血ノハ◆z.Nk3L7mjZ7D
07/01 06:53:12

声が聞こえた。
凛々しくどこか青い、青年の様な声。

「…」

『君には資格がある。
 さぁ清。キミの力、
 ボクに貸してくれないか?』

その声は、間違いなく
スマホから流れている。

…もしかして、この後
あいつが言っていた様に、
画面から『ぬるーっ』と天使が…

『共に、監獄から脱け出そう。
 ボクと組めばキミは本当の神になれる』

「…誰だ、どこから話しかけている!?」

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34:瀝血ノハ◆z.Nk3L7mjZ7D
07/01 07:00:30

『ボクはここさ』

ぶわり、白と黒の羽根が溢れる。

刹那、僕の瞳を奪ったのは、
右に白い翼、左に黒い翼を背負う、
ツノと輪を持つ少年だった。

「…ッ!?」

これが正護の言っていた天使だろう。
夜空に似た青髪を一度手ぐしし、
青年は言う。

「ボクはカフシエル。
『カシェル』とでも呼んでほしい」

「…」

しかし、彼… カシェルは天使か?
どちらかと言うと、天使と悪魔、
二つで一つの様な姿に見える。

「…ボクが天使か悪魔、どっちかって?」

「!」

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35:瀝血ノハ◆z.Nk3L7mjZ7D
07/01 07:07:56

「答えは見てわかる… どちらもだ。
 月の天使とも、
 皇帝とも呼ばれているね」

…皇帝、やっぱり男か。

「そう、ですか。 悪いですが、
 僕はあなたに協力しません」

こんなやつに関わると、
逆に面倒な事になりかねない気がする。

それに、神とか天使とか馬鹿らしい。

「ふぅん… そっか、残念だな。
 偉大なる月神の片鱗を見せるキミなら
 ボクは、最高のパートナーに
 なれたはずさ」

あ、案外速くまとまりそうだ、これは。

「おーい!」

「!?」

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36:瀝血ノハ◆z.Nk3L7mjZ7D
07/01 10:46:15

そんな時に、空気を読まぬ声が
後ろから聞こえたじゃないか。

「…ん、その声は…」

「シン、こっち側探してたのな。
 見付かったの…」

…振り向きたくない。
だって、正護の話だと…

「…」

正護の声が、綺麗に停止する。
多分、カシェルの姿に気付いたか、
バッチリ目があったか。

「あぁ… キミかぁ。
 強い力を持つ者。集う者。
 引き寄せられた者…。
 っくく、いいね。どっちでもいいや」

少年は、二種類の羽根を天に広げる。
両腕の様にも見えるそれが、
彼に向かって伸ばされた。

「正護 …!」

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37:瀝血ノハ◆z.Nk3L7mjZ7D
07/03 08:48:31

僕は振り返る。
伸ばされた腕を追って。

「!」

しかし 

(あれ…)

そこにいるのは、正護じゃない…
少女だ。

「やっと見付けた…」

腰位長い髪を結んだツインテール。
白と紺のミニドレスの裾や肩には、
黒に近い羽根が付いている。

「お返しなっ!」

彼女は、両腕を顔の傍まで上げ、
地面を叩く様に下ろした。

羽ばたいた羽根が全てを吹き飛ばす。
モノクロの腕は、その風圧に負け、
彼女付近から離れた。

「…っ、さすがだメアト…」

…彼女の後ろに
黒い羽根が見えた気がした。

(何だあの子…)

ただ者じゃない。
いや、絶対人間でもない。

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38:瀝血ノハ◆z.Nk3L7mjZ7D
07/03 09:03:11

もう、何なんだよ。
僕は今、本当に現実にいるのか?

「当然だなっ!
 だって、地上を光で照らす、
 サンシャインガールだもんなっ!?

 でしょっ、シン!」

…何でこいつ、
僕の名前知ってるんだ?

「ちょっとちょっとー!?
 何その顔ーっ!?
 せっかく頼れる
 秘書ちゃんが来たのにー!」

「え… いや、だって…」

秘書を持つ程の存在じゃ…
じゃなくて、こんなの秘書にしたくないし
近付きたくもない。

僕は、相手の顔を見詰めながら
後ろへ確実に歩く。

「…あっ、そうか!
 そう言えば、いつも言われてたなー!」

何言われるんだ僕は。

少女は、深く息を吸う。
そんな自信ありげの彼女の覚悟とは別に、
僕も、多分言われる
絶望的ワードに覚悟する。


「 シン様、お帰りなさい!だなっ! 」


「…」

普通…

いや、 違う!


「 『お帰りなさい』ッ!? 」


僕はこんな奴と関わった記憶等ない!

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39:瀝血ノハ◆z.Nk3L7mjZ7D
07/04 08:46:49

4:這いずるは形なきモノ

「…!」

上から街を見下ろしていると、
少女の足元から、
何かがくすぶっている気がする。

「…メアト、あれは…」

「間違いない、
 天魔界の霊種・ゴルトタントだなっ!」

ゴルトタント?
霊って事は、幽霊って事か?

あの世界にも霊っているんだな。

「ええ…」

このままじゃ被害が出る。
少なくとも、すぐ傍の少女には。

「霊種、彼らがなぜ
 こちらに来たのでしょうか…
 いや、理由の前に未来を見ましょう」

首の前で両手を広げると、
巻物の形をした月光煌めく
キーボードが現れる。

シン達の住んでいた『天月夜の境』は
かなりの近代化が
進んだ場所だったそうだ。

(Nin 3DS/Nin 3DS)
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