中国人民銀、金融政策のかじ取り難しく-債務抑制に景気支援加わる

  • 経済の一部に引き締め気味の政策、一方で景気全体にも配慮する必要
  • 米利上げや貿易摩擦で投資家は元売り強める-人民銀は通貨防衛も

中国人民銀行(中央銀行)は国内経済の一部に引き締め気味の金融政策を採用する一方で、景気にも配慮する必要があり、難しい政策運営を迫られている。

  人民銀は既に40兆ドル(約4400兆円)超規模を誇る国内金融システムの不良債務圧縮という壮大な任務に取り組んでいる。今では減速気味の景気支援と株価の下支えをしながらこれを実現しようとしている。

  この場合、どのセントラルバンカーでも難しいかじ取りを迫られるが、就任からわずか数カ月の人民銀の易綱総裁にとって先行きはさらに複雑化している。米利上げにトランプ政権との貿易摩擦の深刻化が重なり、投資家は人民元売りを強めており、人民銀が元の防衛を強いられる可能性が高まりつつある。

  人民銀研究局の徐忠局長は北京で先週開かれたフォーラムで、「金融政策で国内外における安定のバランスを取るという圧力は大きく、運営余地はさらに小さくなりつつある」と指摘。「金融政策は万能ではない。外的ショックが絶えず強まっている状況ならなおさらだ」と話した。

原題:China’s Central Bank Faces Policy Bind Over Debt, Growth Goals(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE