とはいえ、このままでは日本だけが取り残され、技術革新が進まずに経済発展に影響が出る懸念もある。中国で圧倒的なシェアを誇るQRコードを利用したスマートフォン決済「支付宝(アリペイ)」は、日本人向けのサービス開始を検討。当初予定の今春からは延期されたが、邦銀は消費者の購買情報が中国に流出することに危機意識を強める。
QRコードに関しては、国内では現在、無料通信アプリLINE(ライン)の「ラインペイ」やNTTドコモの「d払い」などが決済に利用しているが、各企業が異なる規格を採用している。このため、利便性が高いとはいえず、規格統一はこうした事態を打開するための第一歩になる。
官民協議会に先駆け、お金の流れの中心を担う3メガ銀行はQRコードの規格統一で合意。低金利による収益悪化にあえぐ銀行はATMや店舗網の維持が負担になっており、キャッシュレスを推進したいのが本音だ。IT企業や携帯電話会社などとともに規格づくりに参加できれば「オールジャパンを打ち出し、加盟店も獲得しやすくなる」(銀行関係者)と期待する。
しかし、企業や銀行はサービスや狙いでは戦略が異なる。利害関係や主導権争いを乗り越え、消費者や店舗がメリットを実感できる利用者本位の仕組みを構築できるかどうかが、今後のキャッシュレス普及の鍵を握る。(万福博之)
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