政府と民間企業が共同でQRコードの規格統一に乗り出すのは、日本での現金を使わない「キャッシュレス決済」の出遅れに対する危機感があるからだ。規格が分かれたままでは、消費者や店舗の利便性を損ね、今後の普及の足かせになるとの見方は強い。企業にとっても業務効率化や新たなイノベーションの創出に直結するだけに、オールジャパンで巻き返しを図る。
「五輪が試金石になる」。ある銀行関係者は2020年東京五輪・パラリンピックを見据え、キャッシュレスに慣れた訪日外国人が利用しやすい決済環境の整備が急務と指摘する。
経済産業省が今年4月にまとめた報告書によると、諸外国でのキャッシュレス決済の比率は40~60%で、国を挙げて推進した韓国は90%に達する。一方、日本では18%と世界の潮流から取り残されている。
もっとも、キャッシュレス決済手段の多彩さでは日本は世界の先を行く。クレジットやデビット、電子マネーといったカードの1人当たりの保有枚数は日本が8枚弱で、主要国の中ではシンガポールに次ぐ。それでもキャッシュレスが根付かないのは、消費者や店舗がメリットを実感できずにいるからだ。
日本では全国にATM(現金自動預払機)網が張り巡らされ、消費者にとって便利で安全な現金の信頼性は高い。店舗側もキャッシュレスの決済手段が多数に及ぶため、それぞれの読み取り端末を設置するには費用がかさみ、導入に二の足を踏んでいるのだ。
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