その女子学生に電話したのは数週間前だった.「9月の中旬ヒマ? 北海道行きたいとか思わないかな?」とボク.「ずっとヒマですよ.北海道行きたくてもお金ありません」と彼女.「そうなんだ.じゃ,研究室に遊びにおいで」との誘いに,彼女はやって来た.ボク「こういうの見つけたから,とりあえず予約入れておいた.二人で 4泊 132,600円.お金がない P 子は払わなくていい.行きたくない?」「えっ,もう払ったんですか?」「いや,まだ払ってないし,キャンセル料も発生しない.とりあえず押さえておいただけだから,気軽に考えて」「それにしても強引ですね」「善は急がなければね」「善って言うなら,悪いことはしませんか?」「悪いことはしないけど,気持ちいいこととかしたいよな~」「まったく.エッチなこととかさせませんからね」「ま,それでもいいけど.P 子の心境が変化したら,こっちは遠慮しないから.」
ということで (ウソ) ボクらは東北海道へ向かって出発したのだった.去年はバス旅行だったが,今回は自分でレンタカーを借りて運転した.感想: あそこは,新しい高速道路はいらないな.いまある道路の制限速度を90キロくらいにすればいい.以下,印象に残った場所を行った順に列挙しよう:
- 釧路湿原道路.湿原の中を気持ちよく走れる釧路市内の農道.
- 細岡展望台.釧路川を見ることのできる定番の展望台.展望台に東から通じる道路は地図上では湿原の端っこを走っているが,とちゅうに湖もあり湿原をじゅうぶん感じられる.
- コッタロ湿原展望台.南から入ると砂利道をしばらく走ることになる.展望台に上るまでがけっこう歩く.すぐそばの沼の景観は圧巻.
- 釧路市動物園.あるひとに勧められて行ってみた.おっかないヒグマが立ち上がったり,手招きをしたり,手を叩いたりしてエサを求める動作がおもしろかった.エサを口でキャッチするのも上手.
- 和商市場.観光客が勝手丼を食べに来る釧路駅そばの市場.ボクははじめからウニイクラ丼にするつもりだったのでいろいろ店を回るつもりはなかった.他にもいくつか具を入れた女子学生もいろいろ店を回るのは面倒で,けっきょくご飯以外はひとつの店でそろえた.
- 摩周湖.日の沈むころに着いた.第一展望台の駐車場で 410 円取られた直後に料金所が閉鎖され無料駐車場になった.例の小さな島は今回もはっきりと見えた.しかし第三展望台に近づくと濃い霧でほとんどなにも見えなかった.女子学生とキスでもすればよかったな.
- 知床貴゛族車馬道.「ホームページ見ましたよ.なにか出してくださいよ」と店のマスターに言うと,サメガレイという肴の刺身を出してくれた.注文したのは食べやすい順に,エゾシカのユッケ (だったけ?),熊焼き定食,海馬(トド)焼き定食だった.北海道のいろんなところで取れた野生のを入手しているという.エゾシカは普通に食べられた,トドはレバーのような血なまぐささがあって女子学生の口には合わなかった.ヒグマは厚めの肉が少し歯ごたえある調理法でなかなかよかった.「今晩は盛りがついて初夜になるよ」とマスターは言っていた.
- ホテル知床.大きな温泉宿……といのはどうでもよくて,それまで拒んでいた (というか,ボクが求めなかったんだけど) 女子学生が初めてボクに身体を許した素敵な場所というのがポイント.こんなことになったのは,車馬道の珍獣メニューでお互い盛りがついたためか,(前日歩き疲れてくたくたになって夜はさっさと寝てしまった反省から) たまたまその朝ふたりでユンケルを飲んだためかは分からない.でもこの話は長くなるしたぶんウソなので,平凡助教授と女子学生とのセックスの詳細な記述はいずれべつの機会に書くかもしれない性愛日記に回そう.そういえば,一階のショップで見かけた女子高生くらいのかわいい女の子 (客) がだれかに似ていて,でもだれだかなかなか思い出せなくて,とても気になった.
- 知床半島のクルージング.高波による全便欠航のため,行けず.
- 知床峠.途中,シカとかキタキツネに出会った.国後島の南の部分を初めて見た.少し感動.
- 知床五湖.今回は一湖と二湖を歩いて,去年行った展望台にも行った.三湖以降は,ヒグマが出てきそうで怖いし,面倒なので行かず.
- 硫黄山 (川湯温泉の近くの).ここも入るときは料金所が開いていた (駐車券は摩周湖第一展望台と共通) が,出るときは閉まって無料駐車場になっていた.硫黄のいい匂いに釣られて,レストハウスで温泉卵を買って食べた.
- 屈斜路プリンスホテル東館.すべての客室が屈斜路湖に面している.やはり周りに店はない.割高になる夕食バイキングはやめて,買って来た温泉卵や地階のコンビニで買ったホームメイド・チョコレートやポテトチップスをおやつに.夜食にラーメンを食べにいった.
- 美幌峠.空は晴れ渡り360度展望が開けていた.最初は来る予定はなかったのだが,思ったより奇麗なところで,眼下の屈斜路湖がすごく印象的だった.今回のベストスポットかもしれない.おまけに,自衛隊のトラックが何台もやってきて峠の駐車場にずらりと停めたのも壮観だった.
- 和琴の湯.和琴半島の入り口付近の露天の混浴温泉だが,真昼のためかさすがにひとはいなかった.でも,近くにあった小屋の中の混浴共同風呂の方が,密室であるため入るのにもっと勇気が要りそうだ.というか,ボクらが訪れたときはどっちもひどく熱くて足湯さえためらわれた.