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絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで 作者:鬼影スパナ

ダンジョンプロデューサー・ケーマ

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ホイホイ

(大丈夫、水曜更新です。……いや、急いで書いたからあとで結構修正するかもだけど)


 #Sideケーマ


 さてと。そんなこんなで階段を愉快にキャンプファイヤーしてたわけだが。


「……あー、アイディさん? そろそろ奥進んでも良いんだよ?」

『あらごめんなさい、ちょっと燃やすのが楽しくなっちゃって。……ロクコなら私の気持ち分かるかしら?』

「いや分からないわよさっさと攻略しちゃいなさいよ」


 すっかり本来の目的を忘れてたき火に興じていたアイディに攻略をせかす。

 二階以降にも十分煙は行きわたっただろうし、たき火はこのくらいでいいだろう。


『そういえば、地下の探索はどうなの?』

「あーうん、今地下3階を攻略中……何階まであるかねぇ」

『……えっ、もう3階?』


 仕方ないだろ、2階は下りた階段から割とすぐ近くに次の階段があったんだから。実体のない壁で隠れてたけど。丁度ハクさんが言ってた「幻影の壁」ってヤツだと思う。


「一見何もない通路でうまいこと隠されてたから、普通に攻略してたら相当時間のかかるダンジョンだっただろうな」

「ケーマ、リスを壁を走らせてたものね」

「迷路攻略の方法で右手法ってのがあってな? まぁなんだ、近くに階段置いてる方が悪い」


 まぁ対応できないのもあるけど、少なくとも外周がどんなもんかは分かるし……あと道の中央とか床って結構罠仕掛けられてること多いし……


「まぁボス部屋とかあったら止まるから、あくまでサポートなんだけどな。最短経路を見つけたらあとはガーゴイルに踏破させればいいし……【サモンガーゴイル】【サモンガーゴイル】【サモンガーゴイル】。よし、ミカンの指示に従えー」

「んきゅ。じゃあ小部屋に送ってゲート通過させて地下へゴーきゅよー」


 ちなみに俺の召喚したモンスターをミカンが配置するのは割と簡単にできた。

 まぁ俺のダンジョンでも普通にゴーレム配置とかしてたもん。できない訳ないよね。


『もう少し燃やしてていいかしら?』

「……できれば探索してほしいんだけど?」

『ガーゴイル向かわせればいいでしょう。石だし、飛べるから階段なくても大丈夫でしょう?』

「仕方ないな……【サモンガーゴイル】【サモンガーゴイル】、ダンジョン探索の手伝いをしてこい。ミカン、こいつらも頼む。どんどんいくぞー」

「わかったきゅよー」


 ぽいぽいとガーゴイルを送り込む。

 【クリエイトゴーレム】よりお手軽なのはホント便利だよね。さすがハクさんおススメのサモン系。


「アイディもスケルトン呼んでいいんだぞ?」

『564番コアと戦うときのために多少温存しておきたいわね』

「ならいいか」

『ええ。……ああ、それと今の援軍は不要よ。どうやら来たみたい』

「え?」


 と、そこでアイディはひょいと体を捻る。

 ズガン! と飛んできた剣が壁に突き刺さった。


『666番んんんんンンンッ!!』

『はぁい、564番。ダンスパーティーの招待状は受け取ってくれたみたいね』


 と、そこに現れたのは564番コアだった。うん、ヤギ頭でアイディより頭2つは軽くデカい。壁に刺さった剣とは別に剣を持っている。


「……おびき寄せられちゃったかー」


 まぁ普通に家の中でたき火してたら怒るよな。俺も怒る。


「ケーマ、これってコイツ倒せば勝ちでいいのかしら?」

「まぁ、こいつを倒しても即勝利じゃあないけど……ほぼ勝利だな。殺したらダメじゃないかな? そこらへんどうなんですかねー」


 と、貴賓室に向かって聞くように言ってみたが、返事は無かった。

 もしかしてこっちのマスタールームの事はいちいち見てなかったのだろうか。この独り言はちょっと恥ずかしいぞ。


「……えーと、アイディ、死なない程度に半殺しまでで」

『あらそれは……殺す気で戦わないと流石に勝てるか怪しいのだけど』


 と言いつつ、アイディは564番コアの剣をギィンギィンといなしていた。


『ぐぬっ! この、クソガキがぁあああ!』

『1ロット早かっただけでそんなに偉いのかしら? クスクス』


 うん、明らかに余裕そうに見えるんだけど。別に緊張せず自然体で相手できている。

 パワーは確かに564番コアの方が強いようだが、激高しているせいか動きが単調、とかいう奴なんだろう。俺にはよく分からんが。


『四肢をもぎ取って壁飾りにしてくれるわぁああ!』

『まぁ怖い。なら私も首を剥製にして部屋に飾ろうかしら』


 さすが魔王派閥というべきなのだろうか、お互い物騒なことを言う上にアイディのそれ確実に死ぬよね。


『ブラッディゴースト召喚ッ!』

『【サモンスケルトン】』


 564番コアが赤いゴースト系モンスターをDP召喚し、アイディは魔力を使ってスケルトンを出す。564番コアが目障りなスケルトンを排除したと同時に、アイディも炎の魔剣でゴーストを切り捨てる。

 ……属性魔剣ならゴーストを倒せるのかな。それとも他の、『不壊』みたいな特性によるものか?


「ねぇアイディ、こっちからモンスター送って手伝おうか?」

『不要よロクコ。決闘(ダンス)は1対1でやるものなのよ』


 ということなので、俺はガーゴイルを屋敷の探索に分けることにした。

 具体的には、空を飛んで上から入ることにした。


 ……だって外から見たら普通に煙もくもく出てるじゃない? そこに窓があるじゃない? 空から入れるなら入るじゃない。

 普通に入れたじゃない? こっち、ガーゴイルの数あるから全部の窓から入るじゃない。


 おっと、564番コアの私室、寝室っぽいじゃない?

 探索するじゃない?

 サキュバスは居るけど煙で弱ってるしガーゴイルには魅了が効かないじゃない?

 そしてなんとそこにダンジョンコアがあるじゃない?

 あれ。これダミーコアじゃなくない?

 タッチするじゃ――


 おっと、流石にキャスリングされたか。

 だがこれでダンジョンコアは残る地下にあることが確定したかな。

 ちなみに一度タッチされたダミーコアはダンジョンバトル中もう使えない。そういうルールだ。というか、タッチされたダミーコアにキャスリングし直したらタッチされた判定になるんだそうな。


『――ッ』

『あら、良いの入ったわね。気でも紛れた?』

『げほっ……くそっ! くそっ! くそぉおお! よくも俺の寝室にッ!』


 よそ見、というか本来やるべき仕事(キャスリング)をして隙ができたらしい。2人の戦いはますますアイディ優勢に傾いた。


 寝室に入ったのは悪かったよ。でもそこにダンジョンコア置いてあるんだもん仕方ないだろ?

 これこのまま普通に勝てるんじゃないかな、と思っていたが――


『この決闘は一旦お預けだ! バジリスク召喚ッ、くそ、酷い出費だ!』

『おっと。毒と石化は厄介ね』


 3体の大蛇を呼び出し、アイディは目を閉じ応戦する。その隙に564番コアは逃げ出した。

 そして、消える。おそらく地下へ自分を『配置』したのだろう。



 さて、あとは地下ダンジョンをクリアすればいいだけか。

 いやぁ分かりやすくなった。俺好きだよこういうの。んじゃ、さっさと終わらせて寝ようか?


(新作2つ、下にリンクつけといたのでどうぞ。

 連載中~完結してから少し くらいはリンク残しておく予定です)

新作2つ始めました。


N-Starの「異世界ぬいぐるみ無双 ~俺のスキルが『人形使い』~」
 https://ncode.syosetu.com/n5822ev/

勢い10割「冷やし中華始めさせられました。~ドラゴンの卵に転生したら料理された件~」
 https://ncode.syosetu.com/n6064ev/

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