43歳未経験からプログラマになるルートを検討してみた
1ヶ月くらい前に「今43歳でプログラミングとは関係のない職業に就いているんですが、これからプログラマに転職することは可能だと思いますか?」といった趣旨のご質問をコメント欄にいただきまして、どうなんだろうなあ、とつらつらと考え続けていたんですが、案の定、考えた結果が長すぎてコメント欄に書くのもどうなの、という感じになったので、コラムにしてみました(なんか最近このパターン多いな)。
回答に時間がかかりすぎてしまったので、ご質問くださった方が忘れ去っているんじゃないかと不安なんですが、せっかく考えたのであげときます。
とりあえず、「趣味」ではなく「職業」としてプログラマをやりたい、ということで、話をすすめます。
趣味なら「どうぞお好きに!」で終了です。
まず、これからプログラミングを学んだとして、プログラマとして雇用されるのはかなりむずかしいと思います。
なぜかというと、40過ぎた人がチームに入ってくることを好まない人が多いからです。未経験だと30でも厳しいと感じます。
わたしが50過ぎてまだチームの中でプログラマとして受け入れてもらえてるのは、年がいってる分だけ経験を積み上げてるからで、年齢高くて経験がない、というのは確実にマイナス査定です。
最近はプログラマが売り手市場になりすぎてて、若い人を探すのをあきらめて年齢不問になりつつある、という話もきいたりするので、ここらへんに関する問題は緩和しつつあるのかもな、という気配があるんですが、受け入れてくれる場があったとしても、未経験で開発現場に飛び込むのはかなりな忍耐を必要とすると思いますね。
でも、ご質問をくださった方が現在、どんなご職業なのかは存じ上げませんが、それがIT化できるような職種でしたら、アドバイザ的な立場で開発現場にもぐりこむ、ということは可能かもしれません。
たとえば、経理のお仕事をされているのでしたら、経理の仕事をIT化しようとしている開発会社さんに転職して、自分の経験を活かしつつ、アプリ開発の領域にちょこちょこ首をつっこんでいって、少しずつプログラマサイドに軸を移動させていく、という作戦ですね。
プログラミング未経験でも、他のやり方でチームに貢献できるのなら、受け入れてもらえる可能性はあると思います。
これはうまいこといけばうまいこといきそうな感じですが、そう都合よくはいかないだろうな、というのが率直なところです。
ご質問くださった方の現在のご職業とか、持っているコネとかが、うまくハマればいける! って感じですね。
というわけで「雇ってもらう」というルートはやはりむずかしいと言わざるを得ません。
となると、フリーランスルートですね。
マッチング系サイト経由で仕事を受注し、スキルレベル低めの依頼をこなしながら経験を積んでいく、というのはそこそこ現実的な案かと思われます。
けれど、自分の生活を支えられるぐらい稼げるようになるのは大変なことだと聞き及んでいるので、これまた茨の道ですね。
それに、実際の開発現場を経験せずに、いきなりひとりで始めるのは無理があるんじゃないかな、という気がします。
ソフトウェア開発の現場には、技術書には載っていないノウハウがたくさんあります。
きちんとしたものをつくるためには多くのめんどくさいことが必要で、それはだいたいの場合、無駄に終わるんですが、無駄に終わったからいらないものだった、とも言い切れません。
そういった、無駄そうにみえるけど省くと危険なもの、を独学でみつけるのは意外と難しいのです。
無料のスマホアプリとかなら、そこらへんまるっと無視しても、評価欄でボロクソ言われる程度ですみそうですが、セキュリティ的な問題を引き起こすと、最悪、訴えられるリスクがあります。
というところまで考えて、自分でとってきた仕事のレビューを経験者にお願いすることでノウハウを得る、というのはどうかな、と思いつきました。
お金を払ってプログラミングを習う、と、プログラミングでお金を稼ぐ、を同時進行させる、ということですね。
元々少ないと思われる受注額をさらに減らすことにはなりますが(ていうか多分マイナスになる)、ひとりで暗中模索するよりは、ひとりでなんとかできるようになるまで誰かにサポートしてもらう方が、合理的な気がします。
仕事を受注してきちんとこなした、という履歴は自分のものになりますしね。
信頼できるレビュアーを探せるか、がカギになると思うんですが......これって副業としてアリな気がするな。実際、やってる人いるのかな。
といった感じで、いろいろと考えてみたんですが、どのルートもいろいろ困難です。
率直に言って「趣味にとどめといた方が良い」というのが、もっとも親切な回答かと思います。
それでも、「そんなの不可能だ」とはわたしは言いたくないのです。
これはわたしの意地みたいなものなので、とても無責任な発言と受け取っていただきたいんですが、「探せばどこかにルートはある」とわたしは言い続けていたいのです。
わたしは自分の人生の責任をとるのでせいいっぱいで、ご質問くださった方の人生に対して、なにひとつ責任をとる気はありません。
それを前提としたうえで言えることは、「どうしてもやってみたいのなら、まずプログラミングを学んでください」です。
学ばないことには何も始まりません。
というわけで、まずは転職云々ということはまったく考えずに、プログラミングの勉強をしてみることをお勧めします。
「先のことをちゃんと決めてから動け」とよく言われますが、知識を得ずに思考するとろくなことになりません。
プログラミングを学びながら、自分はどうしたいのか、を再考してみるのがいいんじゃないかと思います。
一歩、踏み出してみて、さらに前進したい、という気持ちが湧かなかったら、撤退すればいいだけですしね。
わたし自身は40過ぎてからも右往左往してた人なので、43でもまだいろいろ変えられる、という気持ちがあるんですが、「そんな無責任なこと言うもんじゃない」とよく言われるので、こういう話をするのはちょっとビビります。
でも、20代の頃に選んだルートを定年まで突き進むのが一番安全、というのはなんか違う気がするんですよ。
「夢見させるようなこと言うな!」と言われそうですが、最後にひとつくらいはポジティブな話をしましょう。
43でプログラミングをはじめてそのまま続けたら、63になれば「キャリア20年のプログラマ」になれます。大卒でプログラミングをはじめて、43までプログラマやってる人はかなり少ないので、そこまで粘ればそこそこ上位陣ですよ!
もっともその頃にはわたしは「キャリア50年のプログラマ」になってるかもしれませんけどね(ドヤァ
コメント
仲澤@失業者
プログラムをやってみもせずに相談した可能性がありますね。
プログラムは特に大金が必要と言うわけでもないので誰でも始められます。
若宮正子氏は82歳からMacでSwiftを学び製品をリリースしました。
WWDCにも招待されてますよね。
そもそも論になっちゃいますが、やってみて好きなら仕事にすればよいし、
嫌いならやめれば良いという程度の話。
金になるかどうかは才能と努力次第といったところでしょうか。
社会人としての時間の大半をプログラマで過ごしましたが、
結局大好きな趣味の一種だと言い切れますし、
別の趣味でもお金もらってやってます
(副業と言えるほどの収入はありませんが)。
「好きにすれば」というのは実は正解といえるかもしれませんね。
むく
自分のアプリを作って稼ぐがいいと思います
匿名
いま、人手不足ですが、40代で、プログラミング未経験者を雇う会社は、皆無ですよ。