旧国鉄横黒線の遺構出現 西和賀、湯田ダム貯水量減で
2018.07.03
西和賀町の錦秋湖で、梅雨に備え湯田ダムの貯水量が減る6月下旬~7月上旬、同ダム建設に伴い水没した旧国鉄横黒(おうこく)線の遺構が見られる。1924(大正13)年に営業開始した横黒線は、現JR北上線が走る新線に切り替わる62年まで、旧湯田村住民の生活と産業を支えた。この時期だけ現れる遺構が、50年余前の姿を伝える。
同ダムの貯水位は今月2日現在、220・5メートルで、最も高い春先より約15メートル低い。年間約20メートル水位が変動し、水量が減る時期は当時の路線のトンネルや橋りょう跡が湖面に現れる。水没した大荒沢駅付近にあるロックシェードでは、幅約2メートルの大穴が連なるように顔を出した。
横黒線は秋田県横手市-黒沢尻町(現北上市)間61・1キロを結んだ。65年の同ダム工事誌によると、59年から3年4カ月行われた延長約15キロの線路付け替え工事で、和賀仙人、大荒沢、陸中大石の3駅が移転または廃止となった。
湯田ダムは53年に着工し、11年の歳月をかけて完成。同線の歴史に詳しい湯田ダムビジョン推進協議会事務局の佐井守さん(49)=西和賀町沢内新町=によると、当時は銅山などの鉱山で栄えたが、ダム工事で役場や学校、住民622世帯3千人以上が集団移転し、565戸が水没した。
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