白鵬は4場所ぶりの対戦が予想される千代の国との稽古をもくろみ九重部屋へと出稽古。そこに偶然居合わせたのが稀勢の里。白鵬から声をかけ、昨年春場所前以来、1年4カ月ぶりの稽古が実現した。
白鵬からの1日早い粋な誕生日プレゼントだった。「あした(稀勢の里の)誕生日でしょ。そういうの聞いてたんで。たまたまだけど久しぶりにね」。復活をかける稀勢の里の力になれればという思いだ。
稽古では圧倒。それでも「良かったと思いますけどね。少しの勘、というものがありましたけどよかったです」と予想以上に稀勢の里の状態は良かったようだ。
「稀勢の里は横綱として千秋楽まで取り切った経験が少ないし感じてもらいたい。何とかこの危機を乗り越えてもらいたい。横綱になった者にしか分からない。きょうは良かったけど、本場所はどうなるか。本場所が終わった時点で、稽古の成果が分かる。そのときおれをたたえてくれ」と熱いエールを送った。 (岸本隆)