株式投資家の『終活』に必要な生前に考えておくべき4つの準備とは

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終活(シュウカツ)、しかも株式投資家におけるそれに関する話題です。若い方にとって終活はあまり旬なテーマではないかと思いますが、私のような40代の方にとっては、終活は多かれ少なかれ考え始めるべき話題だと言えましょう。

 

一般的な終活であれば、仮に準備していなかったとしてもそれほど大きな影響はありませんが、投資家にとっては、長い期間をかけて家族のために築いた大切な資産が、場合によっては意図していない状況に陥らないとも限りません。

 

そこで今日は、株式投資家の終活として必要な4つの準備についてご紹介してみようと思いますので、終活についてあまり考えたことがない方やご興味のある方は、是非この機会にご参考ください。

 

終活とは

 

終活とは、終末活動の略とも言われる通り、人生の終わりに向けた活動の略語であり造語であり、具体的には自らの死を意識した上で、人生の最期を迎えるに当たり必要になる様々な準備や活動全般を指す言葉です。

 

そもそもは、就職活動をあらわす「就活」をもじる形で週刊朝日が造った言葉であり、一般的には葬儀や墓などをはじめとした幅広い対象や人に対して使われる言葉ですが、今日は株式投資家に限定した終活にスポットを当てて考えてみたいと思います。

 

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投資家に必要な4つの終活とは

 

それでは早速、4つの主な終活準備についてご紹介します。それぞれ置かれている状況は異なるため全てが当て嵌る訳ではありませんが、多かれ少なかれ当てはまる内容は多いのではないかと思います。

 

 

①保有株式資産の整理とリスト化

 

まずはじめにご紹介する終活は、現在保有している証券口座内の株式資産の断捨離です。具体的には、断捨離を通じて没後も残すべき銘柄を選別し、何をどこにどれ位保有しているのかを、市販のエンディングノートでも良いので目録化しておくことをおすすめします。

 

特に、ETF並みに保有銘柄数数が多い方や、複数の証券口座に株式を分散して保有している方などは必須です。我々自身は関連知識もあり、そもそも自身で買い集めた株でもあるため把握できていますが、残された家族にとっては非常に分かりづらい代物です。

 

かのウォーレン・バフェット氏が、バークシャー・ハサウェイの年次レターの中で遺言執行者に対して残した遺言のように、残された家族が分かりやすく扱いやすく、しかもリターンも期待できるため、S&P500指数連動ETFなどに一本化しておくやり方も有効な方法だと言えましょう。

 

現金の10%を米国短期国債に、90%を低コストのS&P500インデックスファンド(お勧めはバンガードのファンド)に投資せよ。この方針に従えば、管財人の長期的な運用成績は多くの投資家-年金ファンドであれ、機関投資家であれ、個人であれ-の成績を上回ると確信しています。なぜなら、投資家は、コストの高いファンドマネージャーを雇っている分、収益が低くなるからです。

 

 

②不要な証券会社(口座)の整理

 

続いては、証券口座の整理です。具体的には、①の銘柄整理と同時に行われることになる、実際に利用する証券口座の取捨選択です。おそらく平均的に2つ以上の証券口座を併用している方も多いのではないかと思いますが、この機会に家族が分かり易いように可能な限り1つの証券会社に絞り込みましょう。

 

銀行口座のペイオフとは異なり、貸株をしていない現物株であれば、仮に証券会社が破綻した場合でも、資産額に関わらず資産は守られるため、わざわざそのためだけに証券口座を分散させておく必要はありません。

 

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また、使い勝手や売買手数料などのサービスレベルについても、短期的には差は出る可能性はありますが、大手レベルであれば常時改善しキャッチアップが図られることが多いため、仮に1つに絞り込んだとしてもサービスレベル的に他に比べて大きく劣ることもないはずです。

 

私のようなネット証券ユーザーが1つに絞り込むのであれば、やはり最大手のSBI証券がおすすめです。というのも、あくまでも個人的な感想ですが、やはり最大手だけあり、いずれの切り口でも概ね業界トップレベルの高いサービスレベルを確保できていると感じるからです。 

 

 

 

③口座へのアクセスに必要な情報共有

 

次は、証券口座へのアクセスに必要なIDやパスワードに関する準備です。IDやパスワードは、残された家族が最も手を焼く可能性の高い厄介な代物であり、多かれ少なかれ誰もが生前に準備しておくべき最も重要な終活の一つだと言えましょう。

 

ITリテラシーが高くない40代の私でも、ネット証券口座を2つ保有しているだけでなく、それ以外に確定拠出年金の口座、さらには投資専用の銀行口座も2つ保有しているため、それぞれ異なる5種類のIDとパスワードを管理しています。

 

また、それだけではありません。おそらく大半の方は、パソコンやスマートフォンの中で一括管理しているのではないかと思いますが、そもそもデジタル遺品と呼ばれるパソコンやスマートフォン自体にパスワードがかかっている場合、それを家族が知らなければアクセスできないため、それらのパスワードもリストに追加しておく必要があります。

 

その意味でも、時代遅れ感は否めませんが、おすすめの共有方法としてはノートでも切れ端でも、証券口座に行き着くまでに必要な全てのIDとパスワードを、デジタル端末の中ではなく、セキュリティ上も安全な紙のリストで家族に渡しておく形がベストだと言えましょう。

 

 

④没後の投資方針の決定と伝授

 

最後の終活準備は、没後の投資方針の決定と伝授です。当然ながら、我々自身が当たり前に実践していることも、一般的には分かりづらい金融の話でもあるため、奥様やお子様がそれを忠実に再現できるとは限りません。

 

というよりも、恐らく大半のご家族にとって我々と同じような投資を再現することは不可能だと言えましょう。しかも、私の場合は心配ありませんが、優秀な投資家であればあるほどご家族にとっての難易度が上がってしまうので尚更です。

 

確かに自分の没後は、家族の好きなように煮るなり焼くなり好きにすれば良いという考え方もありますが、長い期間をかけて苦労して大切に築き上げた資産を、軽率な売買により無駄に溶かしてしまうことだけは最低限避けたいところです。

 

そこで必要になるのが、可能な限りシンプルかつ機械的に実行可能な方針の策定とご家族に対する伝授です。先ほどご紹介したバフェット氏のアドバイスにあるETFに投資する形も、かなりシンプルで分かりやすい有効な手段だと言えましょう。 

 

決めるべきポイントは、購入対象と購入方法の2つであり、何を、どのような基準で購入すれば良いのかを明らかにしておく必要があります。例えば購入基準で言えば、株価が下がったタイミングで購入するというような基準は適切とは言えません。

 

なぜなら、株価が下がったタイミングと言っても、どこまで下がれば良いのかは不明確であるほか、複数銘柄全ての株価が下がった際にどの銘柄を購入すべきかも明確ではないからです。

 

もちろんそれぞれ詳細な基準を設けることはできますが、そうなるとリテラシーが低いご家族がその基準を理解し、正確に実行すること自体が難しくなってしまうため、現実的にはワークしない基準になってしまいます。

 

その意味では、多少のリターンは犠牲にしたとしても、ご家族でも理解や判断に迷いや狂いがでないよう、購入対象銘柄と購入基準は具体的かつ明確なもので、しかもできる限り機械的に実践できる方針を策定し、ご家族に教えておく必要がありましょう。

 

最後に

 

以上、株式投資家に必要な終活準備について、一通りご紹介してみましたがいかがでしたでしょうか?特別なアイデアというものでもなく、少し考えれば思いつくものばかりでもあるため、既に知っているもしくは実行しているものもあるかと思います。

 

このような記事を書いていながらも、私自身もまだ40代であり、そこまでリアルに自分の死というものを身近に感じられていませんが、人間である以上、病気も含め事故まで含めて考えればいつどうなってもおかしくないため、私も含め老若男女問わず終活の開始に早過ぎることはありません。

 

確かに、少しでも高いリターンを実現する方法を模索する時間も確かに大切ですが、万一の際の資産の行方についても、それと同じかそれ以上の時間を使って考えておかなければならない終活テーマだと言えましょう。

 

これまで終活についてあまり考えたり準備したりしていなかった方は、この機会に改めて自らの没後をイメージした上で、不備なく資産をご家族に引き継ぎ、その後もご家族の手で資産の成長を図ることができるよう、ご自身なりの終活の形について検討いただくことを是非おすすめします。

 

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