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【大相撲】

稀勢、謎の覚醒宣言 白鵬に2勝8敗も「目覚めた」

2018年7月3日 紙面から

稽古で組み合う白鵬(左)と稀勢の里=名古屋市東区の九重部屋宿舎で(高岡辰伍撮影)

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 7場所連続休場中の横綱稀勢の里(31)=田子ノ浦=が2日、出稽古先の名古屋市東区の九重部屋で横綱白鵬(33)=宮城野=と鉢合わせし、1年4カ月ぶりに稽古場で激突した。2勝8敗と圧倒されたが「目覚めた」と、謎の覚醒宣言。開き直ったように31歳最後の日を締めたが、名古屋場所初日まで1週間を切っても明るい材料は見えてこない。

 2番続けて背中から土俵にたたき付けられ、砂まみれになった稀勢の里が「あー、くそっ!」と絶叫した。白鵬に子ども扱いされて息は終始、上がりっぱなし。2勝8敗の星取り通り、先輩横綱との仕上がりの差は明らかだった。

 それだけに、稽古後に発した「まあ、目覚めた気はします」のひと言は、謎に満ちていた。新横綱だった昨年の春場所前以来、1年4カ月ぶりの白鵬との三番稽古。濃密な時間でつかんだ手応えを明かすことなく、そそくさと迎えの車に乗り込んだ。

 本調子からはほど遠い中、唐突すぎる覚醒宣言だった。番付発表後、弟弟子の大関高安とは番数を重ねてきたが、6月29、30両日の二所ノ関一門の連合稽古では、三役や幕内上位を“無視”。本場所で対戦する可能性がほとんどない幕内下位を指名し続ける低空飛行だった。

 普段は、横綱に調整を一任する師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)も「全然ダメ。物足りない」と稽古ぶりに苦言を呈していた。周囲から、全休を予想する声も絶えない。

 早ければ、5日にも出場の可否を判断する稀勢の里は「しっかりやります」と調整続行を明言。3日に32歳になる。年齢を重ねて最初の決断へ、稽古場で結果を出して目覚めを証明するしかない。 (志村拓)

 

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