LINEモバイルは3月20日、ソフトバンクと資本・業務提携を締結。4月2日からソフトバンクの子会社として新たなスタートを切った。
7月2日、同社はソフトバンク傘下に入ってから初めての記者発表会を開催し、ソフトバンク回線を利用するMVNOサービスの詳細を発表した。
この記事では、同発表会における嘉戸彩乃社長のプレゼンテーションと報道関係者との質疑応答の様子をまとめる。
「格安スマホ界にさらなる革新を」と語る嘉戸社長。「マルチキャリア」「格安スマホ最速チャレンジ」「スマホそのまま」の3つをキーワードに今後の戦略を説明した。
新たに親会社となったソフトバンクの回線を利用したサービスの開始は、今回の発表会の目玉の1つ。「MVNOだからできること」として、嘉戸社長は既存のNTTドコモ回線を利用したサービスとのマルチキャリアを挙げる。
「シンプル」というLINEモバイルのモットーを貫くため、ソフトバンク回線プランは、ドコモ回線プランとサービス内容を極力合わせている。月額料金料金はもちろん、オプションサービスも回線提供元キャリアの仕様に依存する部分を除きできるだけ統一している。
マルチキャリア化を通して、「私たち(LINEモバイル)は欲張りなので、より多くのお客さまに使っていただきたい」とを語った。
MVNOサービス全般における課題の1つが「通信速度」。ランチタイムや帰宅ラッシュ時間帯において、MVNOサービスは大手キャリア純正の通信サービスと比べて速度が遅くなる傾向にある。
LINEモバイルのブランド認知アンケートを実施した所、ネガティブ(後ろ向き)な印象の1位が「電波がつながりにくそう」、2位が「通信速度が遅そう」と、通信に関するものが続いた。その結果を踏まえて、嘉戸社長は「MVNO(サービス)は市民権を得てきたが『まだ本当につながるの?』という声は非常に多くある」と語る。
そこで「お客さまの不安を解消したいという思い」(嘉戸社長)から、ソフトバンク回線サービス限定で「格安スマホ最速チャレンジキャンペーン」を実施する。このキャンペーンでは通信速度を定点観測し、観測時間の速度が月に1回でも1Mbpsを下回った場合、その翌月にソフトバンク回線サービスの契約者全員に通信容量を1GBプレゼントするという。
観測開始は7月末を予定している。キャンペーンの詳細は観測開始前に改めて発表する予定となっている。
昨今、LINEモバイルでは「今使っているスマホをそのままに、SIMカードだけ差し替える人」(嘉戸社長)が増加傾向にあり、その割合は「ローンチ当初から2倍」(同)になっているという。端的に言えばSIMカード単体での契約が増えているということだ。
一方で、その前提となる「SIMカード」や「SIMロック解除」といった知識がなく、MVNOサービス(格安SIM)への乗換をためらう人も少なくないという。
この課題を解決する観点から、オンライン(Web上)とオフライン(店頭)におけるサポート体制を強化するという。
店舗面では、その場で契約できる「即日開通店舗」を現在の69店舗から2018年夏をめどに100店舗以上に増やすという。
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