小説の種類とジャンル、作風と長さと内容での分け方
小説は作風で純文学と大衆文学で分かれる
芥川賞のノミネート作品になる純文学、直木賞のノミネート作品になる大衆文学、小説は作風によって純文学と大衆文学の2種類に分かれます。
純文学
純文学は、明治時代に作家の北村透谷さんによって「学問のための文章でなく美的形成に重点を置いた文学作品」と定義されました。
純文学で重視される芸術性、それは人の心の美しさも醜さも露わにする文章表現、情景が飛び込んでくるような描写。
以降、芥川龍之介を始め、純文学作家の方々は作品の芸術性を突き詰めるように小説の世界観を文章で表現することを求めていくようになります。
大衆文学
純文学は作品の芸術性の高い作品ですが、大衆文学はどのような作品なのでしょうか?
大衆文学は「作品の娯楽性」を重視している文学作品といわれています。
この「娯楽性」には、取り上げるテーマ、物語のストーリー、登場人物のキャラクターであったりします。
大衆文学が純文学から分けられたのが、大正から昭和にかけて。
谷崎潤一郎をはじめ、多くの大衆文学作家の方々は小説の「ストーリーの面白さ」を求めるようになり、現代の多くのジャンルを生み出す元になりました。
小説は長さでも分けられる
小説は、作品の長さによってもいくつかの分け方があります。
出版社によって細かな違いはありますが、400字詰め原稿用紙の枚数によっての長さの違いと文字数でまとめることにしますね。
長編小説
長編小説は、400字詰め原稿用紙300枚から550枚、文字数120000〜250000文字。
2冊分の厚さのある小説や、上巻と下巻に分かれた小説が長編小説になります。
中編小説
中編小説は、400字詰め原稿用紙100枚から300枚、文字数40000〜120000文字で長編小説の次に長い小説です。
私たちが手にすることの多い文庫本1冊が中編小説の長さと同じくらいです。
短編
短編小説は、400字詰め原稿用紙10枚から100枚、文字数4000〜40000文字と長さに幅のある小説です。
中でも特に短い作品はショートショートと呼ばれることもあります。
短編小説のみでは、出版することが難しいため、複数の短編小説を集めた短編集として。
また、他の中編小説と合わせて出版されることがほとんどです。
小説は内容で細かなジャンルに分けられる
大衆文学は現代では、エンターテイメント小説(エンタメ小説)とも呼ばれるようになり、作品の内容によって多くのジャンルが生まれました。
中には青春・恋愛小説、経済・ミステリ小説のように複数のジャンルにまたがる作品もありますが、1つ1つ分けて合計12のジャンルを紹介します。
②青春小説
青春小説は、主人公や登場人物が若く、若者ならではの人間関係や悩みを取り上げた作品とされています。
③恋愛小説
恋愛小説は名前の通り、登場人物同士の恋愛を描いた作品です。
④SF小説(サイエンス・フィクション小説)
SF(サイエンス・フィクション)は、「科学的論理を基盤にしている。また、たとえ異星や異世界や超未来が舞台であっても、どこかで「現実」と繋がっている」物語、大森望さんによって定義されています。
⑥ホラー小説(怪奇小説、怪談小説)
ホラー小説は怪談小説とも呼ばれていて、読者に恐怖感を抱かせる作品です。
⑦ライトノベル
明らかな定義がないことがライトノベルの特徴でもありますが、いくつかの特徴があります。
登場人物のキャラクターや物語の舞台のイラストがあること、読者層が10〜20代の若い方を対象にしていること、登場人物同士の会話が多い作品はライトノベルと呼ばれています。
⑩歴史小説、時代小説
名前が似ている歴史小説と時代小説は、実は明らかな違いがあります。
歴史小説は歴史上に実在した人物を登場人物として、ほぼ史実に即したストーリーを描いた作品。
また、その時代の中での空想上の物語が書かれたものとされています。
一方、時代小説は、歴史上に実在する時代を設定して、史実とは違った設定をする、架空の人物を登場させる作品です。
⑩①児童小説
世界的に歴史のある児童小説は、児童文学とも呼ばれ、12歳程度までの児童を対象に書かれた作品です。
今後新しいジャンルは生まれるのか?
大衆文学が時代を経て、12のジャンルの小説を生み出しました。
今回分類した12のジャンル以外にも、冒険小説、教養小説、芸術小説というジャンルもあり。
SF小説の中に、ハードSF、スペースオペラといった細かなジャンルもあります。
ほとんどの小説が、いずれかのジャンルに分けられていますが、これから時代が進むにつれ、新しいジャンルはできるのでしょうか?
少し興味が湧きます。
もし、最新のジャンルをご存知の方がいらっしゃるなら。
ぜひ教えてくださいね!
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