【チェンライ=共同】タイ北部チェンライ県の知事は2日、チェンライ郊外の洞窟で6月23日以降、行方不明になっていた地元サッカーチームの少年12人と男性コーチ1人の計13人全員を洞窟内で無事発見したと発表した。いずれも命に別条はないという。行方不明から10日目の奇跡の生還となった。タイ海軍特殊部隊の潜水士らが早期発見を目指し、捜索を続けていた。
洞窟内は水位が上昇している場所が多く、少年らをすぐに洞窟の外へ連れ出すのは難しい。そのため、少年らが避難している場所に医療チームを派遣するほか、潜水士らが飲料水や食料を運ぶ方針という。
知事は「全員を発見できて大変うれしい。全ての関係者の協力のおかげだ」と述べた。
少年らが洞窟に入った理由は不明だが、23日のサッカーの練習後も自宅に戻らず、洞窟入り口近くに自転車やサッカーシューズがあった。このため、少年らが洞窟に迷い込んだか、洞窟内で水位が上昇したため、閉じ込められたとみられていた。
タイ軍や警察など約千人が24時間態勢で捜索を続行。米国や英国などからも潜水士や専門家らが加わった。
知事らによると、潜水士らは1日、洞窟の入り口から約2.5キロの地点に到達した。2日朝までにさらに前進し、少年らが避難していると想定する場所に通じる丁字路まで到達した。丁字路から先は幅が狭い上、ジグザグに曲がっている箇所が多く、一番の難所とみられていた。
気象当局によると、3日までは降雨が比較的少ないが、4日以降は豪雨が予想され、洞窟内の水位が再び上昇する恐れがあった。