フジテレビの連続ドラマ『怪談百物語』の第1回は日本の怪談として有名な『四谷怪談』です。この記念すべき第1回では日本を代表する大女優菅野美穂さんが熱演していて、大きな話題を集めたので、詳しく紹介しましょう。
スポンサーリンク
『怪談百物語 第1回四谷怪談』のキャスト
江戸時代に伊右衛門によって、命を落としたお岩が幽霊となって復讐を果たす『四谷怪談』をモチーフにした第1回に登場する人物や役者さんたちは、以下の通りです。
- 蘆屋道三/貧乏暮らしをする陰陽師(演:竹中直人)
- 小夜/道三の娘(演:大村彩子)
- 幸兵衛/道三の家主(演:芝本正)
- お吉/道三に仕事するようにさとす女(演:鷲尾真知子)
- 甚太/道三を働かそうとする男(演:緋田康人)
- 田宮岩/父の仇討ちを夫に託す妻(演:菅野美穂)
- 田宮伊右衛門/岩の夫(演:原田龍二)
- 宅悦/伊右衛門に仕える男(演:火野正平)
- 伊藤喜兵衛/岩をさとす武士(演:田山涼成)
- おこと/伊右衛門の新しき妻(演:川村亜紀)
『怪談百物語 第1回四谷怪談』のストーリー
道三は、陰陽師としての誇りを持っていましたが、家賃の支払いを催促される日々を送っていました。それに娘は半ば呆れていましたが、そこへお吉や幸兵衛は、しっかりと仕事をするようにさとします。しかし、道三が仕事をするために出かけた事によって、大きな騒動に巻き込まれていくのです。
伊右衛門の舅の姿(起)
幸兵衛は道三を連れて仕事させようとしたら、その道中で無残な遺体を目撃してしまいます。これにあわてる道三に、幸兵衛は「あなた陰陽師なんでしょう?」と言いますが「陰陽師でも怖いもんは怖いんじゃい」と恐れる始末。
そこへ伊右衛門がやってきて「これは間違いなく、私の舅」とつぶやきます。伊右衛門は妻に何と言ったらいいのかと困り果てますが、家に戻り妻の岩に「舅の仇は私が討つ」と誓います。そこへ一緒にいた伊藤喜兵衛は「よくぞ申された」と相槌をうって、岩は感激します。
所が、伊藤喜兵衛は貧しい暮しなので「下働きしてみないか、仇討ちをする前の間だけでも」と言いますが、お岩は「やせてもかれても武家の娘」と言って、首を縦にふりません。しかし、夫の伊右衛門に頭を下げられてしまい、お岩は泣く泣く下働きに出かける事にしました。
お岩に恋していた宅悦(承)
お岩は、伊右衛門と別れる最後の夜でも、遅くまで内職をする献身的な妻でした。しかし、伊右衛門はわずかな銭しか稼げないのに夜遅くまで内職をする妻を軽蔑する眼差しで、辞めさせます。
伊藤喜兵衛や伊右衛門たちは、お岩の下働きの案内を宅悦に任せました。そして、お岩や宅悦が出かけようとする時に、伊右衛門は「仇を討ったら迎えにいく」と約束します。しかし、お岩が出ていった後に、伊藤喜兵衛は笑いながら、伊右衛門にお金を与えます。
実は、伊藤喜兵衛は面倒になった妾のおことを伊右衛門に預けたくて、お岩を追い出したかったのです。その頃、宅悦は夜になって、何とお岩に抱きつこうとしてきたのです。それに怒るお岩でしたが、宅悦は「旦那は、あなたを5両で私に売ったんだ、伊右衛門は本当にひどい男なんですよ」と口走ります。
夫に裏切られたお岩(転)
お岩は、宅悦の言葉が信じられなくて、伊右衛門の家へ走ります。しかし、そこには夫の隣に見た事もない女おことの姿がいました。伊右衛門は、宅悦に「お前、お岩をてごめにしようとしたな、女中に売っぱらって、金にしてしまえば良い物を」と吐き捨てます。
さらに、伊右衛門は伊藤喜兵衛から任されたおことを女房にする事まで伝えてしまって、お岩は「では父の仇討ちは」と聞いても「そんな気はさらさらない」と言い切られたのです。それに絶望するお岩は出ていきますが、おことは「伊右衛門様ってひどい人」と笑ってしまいます。
しかし、お岩はひどい夫と思っても諦めきれずに、伊右衛門の家に戻って出て行こうとしなくなりました。これに業を煮やした伊藤喜兵衛は、ある薬を伊右衛門に渡して「これは岩殿に効く妙薬じゃ」と耳打ちして、伊右衛門は具合を悪くしたお岩に薬を渡します。
怨霊と化したお岩(結)
夫に優しくされたお岩は嬉しく思いますが、そこへ宅悦がやってきますが、お岩は宅悦を冷たくあしらって薬を飲みます。未だに夫を信じるお岩に対して、宅悦は「あなたは何もご存知でない、父上を殺したのは誰と思し召しですか?あれはあなたの旦那の伊右衛門の仕業です」とバラしますが、それに信じようとしないお岩。
所が、薬が効いてしまって、お岩は苦しんでしまって宅悦は外は逃げ込んでしまいます。そこへ伊右衛門がやってきて、お岩は「恨めしや伊右衛門様、父上を殺したばかりか、この私まで」と言って幽霊となって現れたのです。伊右衛門はお岩を斬り殺そうとしますが、幽霊となったお岩は忽然と消えて、少し離れた所に現れます。
そして、お岩の顔は大きくゆがみ血が流れている状態で不気味な笑みを浮かべているのです。それに狂いそうになった伊右衛門は刀を振り回していきます。そして、宅悦やおことたちを次々と切り殺していき、伊藤喜兵衛まで刺してしまったので、その手下の武士たちに囲まれてしまうのです。はたして伊右衛門はどうなってしまうのでしょうか?
『怪談百物語 第1回四谷怪談』の豆知識
冷酷非情な伊右衛門に復讐を果たそうとする『怪談百物語 第1回四谷怪談』に関連する豆知識を紹介するので、良かったら、ご覧になってみて下さい。
映画『喰女-クイメ-』
歌舞伎役者として知られる『市川海老蔵』さんが主演を務めたホラー映画『喰女-クイメ-』は、意外にも四谷怪談がモチーフになっています。この映画を見れば分かるかと思いますが、見る前までは現代風のホラー映画のようなタイトルになっているだけに少し意外に感じてしまいます。
実際に、四谷怪談がモチーフになっていても、現代風のホラー映画になっているので、怪談話よりもホラー映画が好き方でも満足できる怖さになっているので必見です。
映画『四谷怪談』
私が生まれるよりもずっと前の1959年に製作された映画『四谷怪談』には、 長谷川一夫さんや中田康子さんたちが出演しています。今のようなホラー映画とは違って、CGがなかった時代ですが、思ったよりも怖さを感じる予告動画になっていますね。四谷怪談を詳しく知りたい方であれば、1度でも見ておく価値はあります。
『怪談百物語 第1回四谷怪談』の感想
日本の数多くある怪談でも、特に有名なお岩さんが登場する『怪談百物語 第1回四谷怪談』を見た感想を紹介するので、良かったら参考にしてみて下さい。
『怪談百物語 第1回四谷怪談』の残念な所
四谷怪談と言えば、やはり伊右衛門に裏切られたお岩が醜い顔となって現れるのが大きな見所です。しかし、菅野美穂さんという美しい女優さんが演じている事もあってか、少し美しい顔立ちのままになっていましたね。
本来であれば、髪の毛がはげている状態のはずなので、そこは、あとひと押し醜いメイクとなって、お岩さんには登場して欲しかったかなと思いました。
『怪談百物語 第1回四谷怪談』の見所
お岩を冷たくあしらう伊右衛門の冷酷非情さが、随所に現れていて「こんな奴であれば、祟られても当然」と思える内容になっていました。それを見事に演じた事を考えたら、やはり原田龍二さんは、さすがという言うべきでしょう。
そのような事もあって、伊右衛門がお岩に追い詰められていく時には、思わずお岩さんを応援したくなるほどでしたね。顔はあまり醜くなっていませんでしたが、やはりお岩さんが登場する所は迫力があって、見応えが十分ありました。