ロサンゼルス市の「パピーミル-ペットショップ禁止条例」は偽善に終わった~無くならない禁止動物のペットショップ販売



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LA's ‘Puppy Mill-Pet Shop Ban’… Success or Hypocrisy?


 記事、
懲りない大嘘サイト「ペトこと」~狂気の動物愛誤家たち
「ロサンゼルス市には生体販売ペットショップがない」という、懲りない大嘘サイト「ペトこと」~狂気の動物愛誤家たち
ペットショップ規制で犬のインターネット販売が激増したロサンゼルス市~狂気の動物愛誤家たち
ロサンゼルス市の「パピーミル-ペットショップ禁止条例」は、成功かそれとも偽善か?~アメリカのメディアの記事から
の続きです。
 これらの記事では、ロサンゼルス市の「商業生産された犬、猫、ウサギをペットショップ(小売業者)が販売することを禁じる条例」が、全くのザル法で機能していないことを書きました。本条例が機能していないことと、その理由について分析した記事があります。今回は記事、LA's ‘Puppy Mill-Pet Shop Ban’… Success or Hypocrisy? の詳細について見ていきたいと思います。



 前回記事では、2012年に施行した、ロサンゼルス市の「商業生産された犬、猫、ウサギをペットショップ(小売業者)が販売することを禁じる条例」(以下、「パピーミル-ペットショップ禁止条例」と記述します)が、「パピーミルなどの犬などの大規模商業生産を抑制し、保護犬などの譲渡数を増やす」という、目的とは真逆の結果となったことを書きました。条例施行後も、商業生産された犬などが堂々とペットショップで販売されています。また、保護犬猫の譲渡数は、条例施行後は激減しました。
 その理由は、本条例がいわゆる「ザル法」で、ペットショップの商業生産された犬などの販売を防ぐことが事実上できなかったからです。具体的には、次の事柄が挙げられます。

1、ペットショップ(小売業)のみに対する規制なので、ペットショップがブリーダーの免許を得て自社生産品を販売(「ペットショップ」という形態の店舗であっても)するのは合法。
2、保護団体由来であれば、商業生産された「犬、猫、ウサギ」であってもペットショップが販売することは合法なので、形式的に保護団体を経由させる。
3、罰則が200ドル台の過料という行政罰のみで軽く、抑止効果が極めて低い。


上記については、アメリカのメディアが詳細な分析を行っています。記事、LA's ‘Puppy Mill-Pet Shop Ban’… Success or Hypocrisy? 「パピーミル-ペットショップ条例は成功か偽善か?」 2017年6月5日 には、次のような記述があります。


The irony -- and hypocrisy -- of the "puppy mill pet shop ban" is that anyone can get a breeders' permit for a dog from LA Animal Services by merely paying $235, plus $100 for an intact dog license/permit.
Or they can breed and sell pets without a permit without much fear of penalty.
Also, breeding permits are issued without a zoning requirement or premises check.
The City's Finance Office advised me that it does not enforce the requirement for a business license unless someone complains or they are notified by the State of possible unreported earnings.
According to Brenda Barnette's Woofstat report for February 2017, breeders' licenses sold by LA Animal Services increased by 44% from 466 to 669, and increased by 71% from the same period last year.
This is especially true since existing pet shops could merely board up their windows, transform to Internet puppy-sales brokers, and avoid all inspection or regulation by the City or State.
Within months after supporting an ordinance to prohibit any pet stores from selling puppies, kittens, dogs or cats from puppy mills or local breeders and a mandate that all dogs and cats sold in any pet store must be "rescued" or shelter animals, In her Fiscal Impact statement in the report, “Fostering puppies until they are eight weeks old, and returning them to Animal Services to be adopted out, represents additional revenue opportunities through adoptions to the public or through pet shops."

「パピーミル-ペットショップ禁止条例」の皮肉と偽善は、誰でもロサンゼルスのアニマルサービス(ペットショップやブリーダーの許認可を行う行政機関)に許可証を235ドル支払うだけで、つまりペットショップは100ドルを加算して支払うだけで、そのまま犬のブリーダーの免許/許可を得るということです。
あるいは、処罰(註 ペットショップが商業生産した犬、猫、ウサギを販売したとしても、罰則はわずか250ドルの行政罰の過料です)をあまり気にすることなく、許可なしでペットを繁殖し、売ることができます。
また、ブリーダーの許可証は、地区要件や施設の確認をせずに発行されます(註 小売業者がブリーダーの許可を受ければ、商業施設、小売店舗そのものので犬を展示販売することが事実上合法になります。ロサンゼルス市では、ペットショップとブリーダーの許可は別)。
ロサンゼルス市の財政事務所は、誰かがペットショップの違反で苦情を申し立てたり、もしくは州によってペットショップの収入が未申告である可能性があるとの通知がない限り、ペットショップにブリーダーの営業免許を取得することを強制しないと助言しました(註 つまりロサンゼルス市は、ペットショップがブリーダーの免許の取得すらしなくても、そのまま禁止の動物種を「ペットショップ」という形態の店舗で販売しても黙認するという意味)。
2017年2月の、ブレンダ・バーネット・ウーフスタット氏の報告によると、ロサンゼルス市のアニマルサービスの、ブリーダーの免許発行数は、466から669に44%増加し、前年同期より71%増加しました。
これはまさに、既存のペットショップが単にショーウインドーを板で囲って目隠しをしてインターネットの子犬販売ブローカーに変身したのであって、市または州による検査や規制をすべて回避するだけということが本当のところです。
ペットショップが子犬工場、地方の繁殖家から子犬、子猫、犬または猫を仕入れて販売することを禁止する条例が可決し、その後の数ヵ月以内に、ペットショップで販売されているすべての犬と猫などの動物をレスキューするか、アニマルシェルターに収容させなければならないという命令ですが、それはロサンゼルス市の「財政的影響に関する報告書」に次のように書かれています。
「ブリーダーが子犬が8週齢になるまで育て、子犬たちをアニマルサービス(公的な保護機関)に養子縁組のために引き取らせることは、一般への保護犬などの養子縁組やペットショップでの販売を通じて、新たな収益機会になることを表しています」(註 本条例は、むしろブリーダーやペットショップにとって有利になったという意味)。



 本記事では、ロサンゼルス市の「パピーミル-ペットショップ禁止条例」施行後は、ブリーダー「犬などの生産者」の免許取得数が、「前年同期より71%増加」したとあります。本条例施行後に、ロサンゼルス市のペットショップが「小売業」のみならず、「生産者」の免許も取得した数が尋常ではない増加を示しています。これは、本条令が対象を「小売業」である、ペットショップだけを対象としているからです。
 ブリーダー(=「生産者」。ロサンゼルス市は、ペットショップ「小売業」とブリーダー「生産者」の免許は異なります)の免許があれば、自社生産品の犬、猫、ウサギは、消費者に直販ができます。ロサンゼルス市の本条例は、一応ペットショップの店舗の立地を制限していますが、ブリーダーの免許申請の際は、ブリーダーの場所や設備の確認もしません。つまり、既存のペットショップの店舗のままで、ブリーダーの免許が与えられるということです。それは、既存のペットショップが、「ペットショップ」と言う店舗形態のままで、自社生産品ならば犬などを販売できるということです。さらに、小売業の免許を持っている者は、わずか100ドルの手数料を追加するだけでブリーダーの免許が与えられます。くりかえしますが、わずか100ドルの手数料を払うだけで小売業者であるペットショップは、本条例施行後も自社生産したものならば、犬、猫、ウサギを今までどおり「ペットショップ」という店舗で販売できるということです。

 また、大量営利生産の犬ブリーダー(パピーミルなど)が生産した子犬であっても、形式的にでも、保護施設に引き取ってもらったことにすれば(書類上の譲渡契約でも可能です。子犬を全く移動させなくても)、ペットショップ(小売業者)が今までどおり仕入れて販売することができるのです。パピーミルなどのブリーダー(生産者)は、今まででは売り物にならなかった「品種特性がよく出ていない犬」、「繁殖明けの老犬」、さらには「傷病犬や先天性の奇形」があるものまで売り物になります。ペットショップ(小売業者)にとっても、「保護犬」であれば、「健康保証」もつけなくても良い、傷病であっても「商品保証」の責任を負わないので、願ったり叶ったりです。保護犬の販売価格は、~750ドル(一応「寄付金」という名目で)とかなり高価です。
 引用した記事には、このように書かれています。「ブリーダーが子犬が8週齢になるまで育て、子犬たちをアニマルサービス(公的な保護機関)に養子縁組のために引き取らせることは、一般への保護犬などの養子縁組やペットショップでの販売を通じて、新たな収益機会になることを表しています」。つまり、ロサンゼルス市の本条例「パピーミル-ペットショップ禁止条例」は、「パピーミルを抑制する」どころか、その目的とは正反対の、パピーミルに新たな収益機会を与える結果となったのです。

 さらに、ロサンゼルス市の本条例「パピーミル-ペットショップ禁止条例」は、ペットショップがブリーダーの免許を得て、合法的に「犬などのインターネットの販売」を行うことも促しました。なお、アメリカ合衆国においては、インターネットによる非対面の犬などの販売を禁じていません。事業者の規模により、事前登録などの規制はあります。一定規模未満であれば、ブリーダーの免許があれば、全く規制はありません。
 事実、ロサンゼルス市で「パピーミル-ペットショップ禁止条例」が施行された後は、インターネットの犬販売サイトでは、ロサンゼルス市の業者の出品数が激増しています。ペットショップでの犬などの販売を「保護施設由来のもの」に限ったことで、より自由な商品選択(多くの品種から選びたい)を望む消費者が、インターネットによる犬の購入に流れた可能性があります。また、インターネットによる犬などの購入はお手軽です。しかし本条例施行後に激増したロサンゼルス市の犬のインターネット販売は、「病気の犬を売りつけられた」などというなどの詐欺商法が横行しています。ロサンゼルス市の「パピーミル-ペットショップ禁止条例」は、「パピーミルとペットショップを抑制する」効果は逆効果に終わったのみならず、新たな「インターネット犬販売詐欺」という社会問題を顕在化させるというマイナス面をもたらしました。次回以降の記事では、ロサンゼルス市における、「インターネット犬販売詐欺」の実例について取り上げます。


(動画)

 VIDEO: Smash and grab dognapping in La Mirada 「ビデオ:ロサンゼルスのミラダで、油断していたところを窓を壊されて犬を盗まれたペットショップ」 FOX 11 Los Angeles (ロサンゼルスのTV局) 2018/01/24 に公開
 今年の事件です。ロサンゼルス市ラ・ミラダで、ペットショップに泥棒が乗用車を突っ込ませ、窓を破壊して商品展示していた犬を持ち去りました。ロサンゼルス市では、2012年に「商業生産された犬、猫、ウサギ」をペットショップが販売することを条例で禁じました。しかしいわゆる「ザル法」でしたので、本条令施行後も、堂々とこれらの動物がペットショップで販売されています。あららっ、日本で「ロサンゼルスには生体販売ペットショップが一軒もない」とのたもうていた芸能人やメディアのライターの顔を見てみたいものです(大笑い)。そのほかでも、今年はロサンゼルスではペットショップに強盗が入り、展示ペットが盗まれる事件が相次いでいます。それらの事件は、アメリカの4大メディアなどで大きく報道されています。別の機会に記事にします。

A pet store owner in La Mirada is worried about a stolen puppy after a brazen break.
The puppy napper and how he stole the exact yorkie he met the day before.

ロサンゼルスのラ・ミラダのペットショップのオーナーは、大胆に窓を破壊されて盗まれた子犬を心配しています。
前日に起きた、隙をついてヨークシャーテリアを盗んだ泥棒の、その方法の真実です。





(動画)

 ローラ「ロサンゼルスは、ペットショップが1つもない。殺処分もない(註 ロサンゼルス市は年間~22,000頭の犬猫を殺処分しています。その数は人口比で日本の~14倍」 2018/05/24 に公開
 よほどバカなのか、精神に異常をきたしている病的虚言癖なのでしょうか。「ロサンゼルスに住んでいる」ローラさん。「ペトこと」編集者も然り。もう、精神科を受診したほうがいいレベル。そのほかに、この動画のコメントの誤りをいくつか指摘しておきます。「ドイツは公的(保健所の)殺処分がないが民間が殺している」~真実は。ドイツには州が行う犬の公的な強制殺処分、狂犬病規則による犬猫などの州による強制殺処分、通関事務所が行う検疫不備の犬猫などの公的な強制殺処分(日本にはない)があり、相当数あります。「ロサンゼルス市の保健所から犬を引き取った」~ロサンゼルス市保健所は、一切犬猫などのペットの収容と譲渡を行っていません。

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フランスの食品廃棄禁止法と同じ

このロサンゼルス市の、「パピーミル-ペットショップ禁止条例」が全く失敗に終わったことで思い出したのは、数年前に施行された、フランスの「食品廃棄禁止法」です。
これは、食品スーパーの食品廃棄を禁止する法律で、「まだ食べられる」食品は「慈善団体に寄付しなければならない」という内容です。
結果は、形式的に食品スーパーが慈善団体に食品を寄付して、慈善団体が食品を廃棄していました。
「慈善団体に食品を寄付する」ですが、書類上だけでできます。
書類上、慈善団体に食品を寄付したことにし、従前通り食品スーパーが食品を廃棄します。
産廃業者に依頼したのは書類上慈善団体で、産廃費用を慈善団体に食品スーパーが寄付した形にします。
食品スーパーは、寄付金控除を受けられてむしろ儲かるかもしれません。
フランスは、この法律が施行後も、食品廃棄量は全然減っていません。

メモ

(メモ)

ロサンゼルス 犬猫飼育統計 ~2018年
http://www.laalmanac.com/environment/ev21d.php

ロサンゼルス 犬猫殺処分統計https://www.dailynews.com/2014/08/05/los-angeles-sees-record-drop-in-dog-cat-euthanasia/

アメリカ 犬猫平均寿命https://www.1800petmeds.com/education/life-expectancy-dog-cat-40.htm

またもや、有害な大嘘サイト、ペトことの発狂記事。
「ロサンゼルスでは保護犬・保護猫をペットにすることが当たり前」。
ロサンゼルスは、保護犬猫の入手割合は1割なく、東京都より低い。
精神科にいけ。
https://petokoto.com/2180

なるほど

フランスの例も含めて見事な利権のための立法ですね。全く国民のためにはなっていない。
企業が利益の為にロビー活動を行う事が平然と行われる国だからなのでしょう。
こういう事を日本でもそっくり真似ようというのが彼らなのですね。

Re: Re: なるほど

> 流星 様、コメントありがとうございます。
>
> > フランスの例も含めて見事な利権のための立法ですね。
>
> フランスの食品廃棄禁止法は、立法した議員が裏をかかれることを予測でいなかった能力不足です。
> ロサンゼルスの「パピーミル-ペットショップ禁止条例」は、アメリカ連邦法との兼ね合いで、本音はペットショップでの販売を全面禁止にしたい愛誤利権団体と、ペットショップ業界と議会がギリギリのところでお手打ちしたのだと思います。
> ペットショップでの例えば生体販売を全面禁止にすれば、これはアメリカ合衆国連邦憲法や、反トラスト法に反し、無効となる可能性があります。
> 現に、ほかの自治体で「ペットショップでの生体販売を制限する条例(禁止ではない)」が、合衆国連邦憲法に違反して無効だとする提訴が行われています。
>
>
> > こういう事を日本でもそっくり真似ようというのが彼らなのですね。
>
> 私は、ペットショップでのペットの生体販売を全面的に禁じる(例えば犬猫に限っても)法律がある国を知りません(ご存知の方は、具体的に国名とその国の原語で法律名と該当する条文をコメントしてください)。
> 愛誤が、「○○国ではペットショップでの生体販売は禁止(犬猫などの特定の種に限ってもそのような国はないと思います。特殊な野生動物や都市部での展示に支障がある場合などは除く)」と主張し、日本でもしろと主張しています。
> しかし日本でもそれは、憲法の職業自由の保障や、独占禁止法に抵触する可能性があります。
> 愛誤は無知。

No title

フランスの食品廃棄禁止法・・・・・笑いました、正直。一体誰が「まだ食べられる」食品と判断するんでしょうね。渡された慈善団体がその食品を配布して、食べた人が食中毒を起こしたら一体誰が責任を取るのか・・・・・渡された団体が廃棄するのは当然でしょうね。廃棄するだけだから書類上の操作で構わないというのもわかります(苦笑)

ちなみに犬以上に鸚鵡や鸚哥は高値で売れると思いますよ。あの国はCITES1類も国内で販売する限りは登録票もいりませんしね。鸚鵡や鸚哥は一定の人気があります。
オオバタンとコンゴウインコの欲しい私から見れば本当に羨ましい国です。
ペットショップの強奪事件、やはりあるんですね。

ロスアンゼルスの条例はザルなんて言うもんじゃないですね。とりあえず作りました、と言う感じしか受けません。本当に馬鹿馬鹿しい法律です。

そういえば、個人よりも組織が優遇されている法律で思い出しましたけど、家畜市のある日には、市場から一定の距離内の家畜の個人取引が禁止されています。これも、こうと言う組織を優先させる考えなんでしょうね。

各位

コメントありがとうございます。

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1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
しかし私が管理人であるサイトは、このページのフリーエリアにあるリンクだけです。
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