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なにを血迷ったか、一年間世界一周にでることにしました。 飛行機はビジネスクラス。でも、住所不定無職。
ボリビア中部の街、ポトシ。
ここは、銀などが取れる、巨大な炭坑を中心とした町です。
現在も炭坑は稼働しており、多くの労働者が働いているのですが、その炭坑に労働者を潜らせるというツアーも行っており、一粒で二度美味しい炭坑により潤っている街です。
ツアー前日、炭坑に潜る予習として、ホテルで上映していた炭鉱労働者のドキュメンタリー「Mine's Devil(炭坑の悪魔)」をみてから炭坑のツアーに突撃です。
このツアー、細くて暗くて汚い炭坑に本当に潜っていくツアーなので、ヘルメット、炭坑着、長靴の三点セットを装備します。
朝から続く青空の中、そして、時たまトロッコを押す炭坑夫が飛び出してくる
炭坑に潜っていきます。
中は、暗く、ほこりっぽいです。
写真でキラキラ光ってるのが、フラッシュで光っている粉塵です。
出来るだけ息をしたくないのですが、ここは標高4200mオーバー。世界で一番高いところにある都市。少し歩いただけで即息が切れるのに、はしごを登るわ、細い穴をかがんで歩くわでかなりハードです。
この炭坑、様々な鉱物が入り交じっているので、この粉塵の身体への影響ははかり知れません。
実際、ここで働く炭坑夫の多くが35-40歳で命を落とします。
また、炭坑夫は一日8時間労働ですが、その間は食事をしません。
口にするのは、
コカの葉のみ。
このコカの葉は、ご存じコカインの原料であり、生でかじっても覚醒作用や感覚を麻痺させる作用があります。
実際かじってみると、下がしびれて味が分らなくなります。
さらに、時々は96%アルコール
を飲んで気付けをする。
健康を犠牲にしながら、コカの葉とアルコールで気付けをしながら、穴を掘り続けるという労働環境。
さらに、坑内で普通にダイナマイトを爆破するため、常に落盤事故の危険にさらされている。
これだけのリスクを背負いながら、得られる報酬は一日$10程度。
「過酷」という言葉では表しきれない、悲惨な職場です。
日本の映画で、炭坑夫を扱った作品に「フラガール」があります。
石炭炭坑の街で、炭坑の閉鎖が決まり、新たな産業としてハワイアンセンターを設立する話。
その中で、炭鉱労働者たちは、
自分たちの仕事、暗い穴の中で、真っ黒になりながら石炭を掘る仕事に誇りを持っており、
フラダンスという、明るい太陽の下で、へそを出しながら踊る仕事に大きな反発をします。
ボリビアの炭鉱労働者に誇りはあるのでしょうか?
映画の中で、炭坑で働く子供は言っていました。
「炭坑で働いていることを、学校の友達には知られたくない」
また、このツアーのガイドも、
「私は炭坑で働いていたが、大きな銀の鉱脈を見つけて、その報酬でこの観光業に就くことが出来た。非常にラッキーだった」
と、言っています。
多くの日本人は、どんな仕事であっても自分の仕事に誇りを持ち、その道を究める」という、類い希な求道者的なメンタリティーを持っており、それが「働き過ぎ」の日本を作っていると思います。
しかし、そんなメンタリティーが全くない、普通の国ボリビア。
炭鉱労働者は、何故に炭坑で働いているのか。。
答えはもちろん貧困です。
炭鉱労働者は、ボリビアの中でも最も貧しい地域の人たちが、ここでしか働けないから働いているのです。
前述の映画の中の子供の言葉。
「将来は教師になりたい。
炭坑を出て、(日給ではなく)月給をもらいたい」
村上龍が以前、
「人間は、貧困と無知がなくなると、厳しい仕事をしたがらなくなる」
と、言っていました。
ここボリビアをはじめ、多くの中南米やアフリカの国の国家財政は炭坑から掘り出される地下資源が大黒柱です。
そして、その大黒柱を支えているのが、貧困と無知からくる労働力であるならば。。
自体は非常に深刻です。
実際、アメリカでは、兵士志願者を作るために、政府が意図的に貧困層を作っている節があります。
もし仮にボリビアが経済発展を遂げたとしても、この炭鉱労働者の生活は改善されるのでしょうか。。。
炭坑には、Tioと呼ばれる悪魔が祭られています。
これは、先の映画のタイトル「Mine's Devil」であるのですが、炭鉱労働者はこの悪魔に捧げものをして、炭坑の悪魔が地獄に炭坑夫を引きずり込まないように祈っています。
映画の中で、この街の神父が言っていた言葉が印象的です。
「彼らに悪魔ではなく、神を信じさせたい」
働かなくては明日食べるものも手に入れることが出来ず、
働き続けたら自分の命が40年で終わることが見えている
そんな彼らが、神を信じる。つまり、人生に希望を持つことが出来るのか。
しかし、ボリビアの全ての炭坑夫が、炭坑から脱出できたとき、この鉱山からの資源の採掘は終わり、ボリビア国家の収入は下がり、世界に供給される資源の送料は減少するわけです。
全ての人の現在を背負って死んだキリストのように、
ボリビアの、世界の人が享受する利益を背負って暗い穴の中で働く炭坑夫。
我々が外に出ると、外は相変わらずの青空ですが、
彼らの仕事は、この空が暗くなるまで続きます。
>実際、アメリカでは、兵士志願者を作るために、政府が意図的に貧困層を作っている節があります。
Could you back up your claim?
2011-01-29 土 01:56:00 | URL | pico #-[ 編集]
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