古墳時代の弓など木製品大量発見
明日香村で約1700年前の古墳時代の弓など、保存状態のよい木製品が大量に見つかりました。
奈良文化財研究所は「泥水につかって空気にふれない状態だったため腐食が進まずそのまま残ったのではないか」と分析しています。
木製品が大量に見つかったのは、国内では最古級とみられる人工の池の跡が見つかった明日香村にある遺跡です。
奈良文化財研究所が池の跡の下を発掘調査したところ、古墳時代前半の木製の弓や横槌(よこづち)と呼ばれる道具など保存状態のよい20点余りの木製品がまとまって見つかりました。
このうち木製の弓は、残っている部分が長さ80センチ余りで、先端の部分が弦をかけるように加工されていて、表面には漆とみられる黒い塗料が塗られていました。
奈良文化財研究所は、「木製品は土の中で腐ることが多いが、見つかった場所が水分がたまる地形で、泥水につかって空気に触れない状態だったため腐食が進まず残ったのではないか」と分析しています。
劣化しないよう保存処理を進めているため、見つかった木製品の実物を見ることはできませんが、奈良文化財研究所では、橿原市にある奈良文化財研究所藤原宮跡資料室で写真を展示・公開しています。