先週25日(月)から6回連載された毎日新聞「検証・森友文書」(https://mainichi.jp/ch180600006i/%E6%A4%9C%E8%A8%BC%E3%83%BB%E6%A3%AE%E5%8F%8B%E6%96%87%E6%9B%B8)を材料に、今回はマスコミについて論じたいが、やはり、ワールドカップの行方も気になる。ワールドカップが始まるまで、マスコミの中で日本の16強入りを予測していたものはほとんどなかった。その意味では、ワールドカップについて論じることもマスコミ論の一つだ。
日本はアジア勢で唯一、グループステージを突破した。3日早朝のベルギー戦の行方が大変気になるが、トーナメント進出を賭けた28日(木)の対ポーランド戦では、一点ビハインドの状態での、最後のパス回しについて意見が分かれた。
筆者も、仲間とともに生中継で第三戦を見ていたが、やはり見ている仲間の間でも賛否両論だった。これは、サッカーの試合をどのように見るかによって、意見が分かれるところだ。
そこで、筆者は次のようにツイートした(https://twitter.com/YoichiTakahashi/status/1012536580232212480)。
「最後のパス回し。ゲームを『勝ち点を取るもの』として考えれば疑問となるが、『グループステージを突破するもの』と考えれば、その確率を高めるものとして、(ボール回しは)今のルールのもとでは合理的。意見が分かれるのは、ゲームの目的をどう考えるかの差だろう」
つまり、賛否が出るのは当然で、結局各人の「ゲームの味方」「価値観の違い」の問題なのである。
さて、筆者がワールドカップを見るときに、各国代表選手の市場価値を重視しているのは、先週の本コラムの通りである。それからみれば、日本代表の市場価値は他国と比べると格段に低い。にもかかわらず決勝トーナメントに進出したのだから、本当に良くやっている。
各国の選手の市場価値ごとに8チームずつ分けると、グループステージ突破についてはきれいに分かれている。市場価値最上位のグループの突破率は7/8、次のグループは5/8、次は3/5、最下位グループは1/8。日本は「最下位グループ」からただ一つのグループステージ突破国だったのだ。
ただし、今度対戦するベルギーは最上位グループに属する強豪だ。市場価値で日本トップである香川選手を超える選手が、ベルギーには15名以上いる。日本とベルギーを比べると各選手ごとにその差はだいたい10倍である。
グループステージにおいて、最上位グループと最下位グループとの対戦は計9試合だった。結果は、最上位グループの8勝1分だ。やはり「市場価値」で測ると、残酷なまでに価値と結果が一致する。これから考えると、日本がベルギーに勝つのはかなり難しく、引き分けPK戦で勝機を見い出すほかないと思う。
もっとも、イギリスのブックメーカーのオッズをみると、日本が勝つ確率は2割ある、となっている。
これまでの試合結果をみると、番狂わせはドイツのグループステージ敗退だけであるが、筋書き通りに進まないのがスポーツである。ここで、日本も一泡吹かしてほしい。