ソニーミュージック・エンタテインメントは、保有していたSpotify株7億6100万ドル(約840億円)相当を売却して得た資金全額を、アーティストやレーベルに還元します。ソニーミュージックは4月に保有していたSpotify株5.71%の約半分を売却していました。
支払いの対象には、約10万のアーティスト、約200万曲のカタログが含まれ、個別の契約内容に関係なく資格のある全てのアーティストとレーベルが含まれます。
レーベルに送られたメールでソニーミュージックは「私たちの音楽クリエイターに対する配慮と捉えてもらえることを期待しています」と述べています。
支払いの分配方法は、ソニーミュージックが株式を保有していた時期のSpotifyの売上高とソニーミュージックの売上高から計算するとしていますが、詳細は該当するレーベルへのメールで送っている模様です。
ソニーが保有するレーベルは、コロンビア・レコード、RCAレコード、エピック・レコード、ソニーミュージック・ラテン、レガシー・レコーディングスなど、多数のレーベルを傘下に抱えるだけに、Spotifyから得たソニーミュージックの売上の多くはこうしたレーベルと契約する数多くのアーティストたちによって生み出されています。
ソニーミュージックは今後もSpotify株を売って得た資金はアーティストとレーベルに直接支払うことを明言しています。
ワーナーミュージックがいち早くアーティストへ還元
5月にはワーナーミュージック・グループが保有していたSpotify株75%を売却して、約4億円相当の資金をアーティストにデジタルの売上と共に分配することを発表していました。
メジャーレコード会社では、唯一ユニバーサルミュージックがSpotify株を売却していません。
Spotifyは今年4月にニューヨーク証券取引所で初値165ドルで上場しました。株式公開には直接上場(Direct Listing)方式を取ったため、株主は上場以降に株式を売ることが可能になっているため、ソニーミュージックとワーナーミュージックの資金分配を可能にしています。