フリーライター、書くヒト

フリーライターの篠原修司が書くブログ。実際に働きながら身につけた文章のテクニックやネット炎上の事例、フリーランスについてのあれこれを書いてます。

ヤフコメよりも放置されているコミュニティとしての『はてなブックマーク』

 Hagexさん殺害事件をきっかけにして、「はてなブックマークは廃止するべき」「仕組みが悪いだけ」「はてななんとかしろ」といった議論がはてな界隈で起きています。

fujipon.hatenablog.com

tyoshiki.hatenadiary.com

 いちはてなユーザーとして思うことは、『はてなブックマーク』ってコミュニティとして考えるとあの評判の悪いヤフコメより放置されているなということです。

嫌韓コメントであふれかえるヤフコメと戦うYahoo!

 『Yahoo!ニュース』のコメント欄と言えば、まあひどいものです。とくに韓国、中国の記事なんかは差別コメントであふれかえっています。「なぜYahoo!はあれを放置してるんだ?」と思っている人もなかにはいることでしょう。

 でも、じつはYahoo!はヤフコメをこの状態から抜け出させようと頑張っているんです。

 「嘘でしょ?」と思うかもしれませんが、「ホント」です。論より証拠。Yahoo!のコメント欄に対する発表を見ればわかります。

 Yahoo!、頑張ってます。

 というかこの時代にあの規模のコメント欄を維持するというのがどれだけすごいことか。

 大きなメディアの運営に携わった人であれば、コメント欄の管理がどれほど大変なのかは身にしみているはず。中川淳一郎さんなんかはコメント欄を残すYahoo!の姿勢に「あっぱれ」とまで言っています。

blogos.com

 そんなわけでYahoo!はひどいひどいと言われながらもコメント欄を維持するため、人力だけでなく機能面でもコミュニティを少しでもまともな方向へと誘導しています。

新機能は追加されまくるはてなブックマーク

 一方、はてなブックマークはどうでしょうか?

 もちろんはてブも放置されているわけではありません。はてなははてブが使いやすくなるよう、次々と新しい機能を追加したり廃止したりしています。

 でもね、これ全部「個人が使いやすくなる機能」であって「コミュニティのための機能」じゃないんですよ。

 はてなブックマークはまず記事があってこそのサービスですが、そんな記事提供者に対して用意されたのは「コメントの全非表示」か「自分限定の特定ユーザーの非表示」。

 そうじゃないだろ。はてなブックマークのコメント自体はあっていいんだよ。あと自分だけ見えなくしてもほかの人に見えてたら意味ないだろ、と。

中傷コメントがなければブックマークは楽しい

 中傷コメントがなければブックマークは見ていて楽しいものです。

 いろんな意見が読めるし、誤字脱字があれば指摘してくれるし、異論があったとしても「そういうふうに読んだのね」とも思うし。あれはいいものです。

 ただそんななかに混じってしまうんですね。相手のことを全く考えていないひどい中傷コメントが。

 そういうのを目にすると、心にダメージを負います。少しずつじわりじわりと染み込んでくるような黒いなにか。

 これを見ないために「コメント欄を全部見えなくする」のは対処方法としてはおかしいと思います。なんでゼロか百なんだ。

批判コメントに反論できない謎

 で、次に批判コメントについてなんですが、これなんで反論できない仕様なのかわかりません。

 えっと、「叩かれ続けろ」というはてなからのメッセージ?

 批判コメントが1件なら自分のコメント枠を使ってなんとかなるんですが、2件、3件ってなったら文字数足りないですよね?

 もちろん2階建てにしたり、自分のブログ内に反論を書いたりとかできるんですが、批判コメントには同じ場所で反論したい。だってそのコメントほかの人読んでるんだもの。

 たとえば以下はボクが執筆した記事に対するはてブのとあるコメントです。

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 前半の「調べて書きました的な記事で、無理に書かなくても良かったのでは? 全体に低品質な上に」ここは記事についての感想なのでどうでもいいんです。

 でも「なぜかイケハヤ、はあちゅうの名前は伏せているちぐはぐさ」こっちには反論したい。

 「事件に直接関係ない人の名前は極力出さないようにしてます!」と。

 でもそんなことわざわざ記事に書けないじゃないですか。コメントに対する反応をひとつずつ記事に入れてたらどれだけ長くなるんですか、と。

 問題はこの「イケハヤ、はあちゅうの名前は伏せている」という部分を、ボクがそれについて反論していない状態でほかのはてなユーザーが読めてしまうという点です。伏せているのは理由があります。でもそれを伝えられないまま「なぜか伏せている」疑惑だけ向けられる。

 これはもうコミュニティの作りとしておかしい。

 はてなははてブのコメントについて「サービス利用者の表現活動の一環であり、他者の権利を侵害しない限りは自由が認められる」と主張しているのですが、そのサービス内で反論する権利も付与して欲しいです。一方的な(より細かくいうと片方の負担だけが大きい)表現活動っておかしいですよ。

補足できるようにして欲しい

 というわけでボクの希望としてははてなブックマークページで、記事の筆者にかぎり各コメントに対して補足コメントが返信としてつけられるようになって欲しいです。

 「ありがとう」とか「誤字指摘感謝」とか「情報助かります」とかポジティブなものも書ければ、「うるせえ」とか「きのこの山派乙www」とか「お前それ勘違い」とかネガティブなものも書ける。

 まあ考えただけで「荒れそう」なんですが、はてなブックマークというサービスが第三者のコンテンツに「従」として紐付いているかぎり、まずは「主」であるコンテンツ提供者を大事に扱って欲しいですね。

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黙っていられない

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