豚への愛に満ちた

フランス料理
12 /10 2017
テット・ド・フロマー
「テット・ド・フロマージュ」に初めて出会った時、なぜ豚肉なのにチーズを名乗るのか? と思った。
調べてみると、フロマージュの語源はローマ時代にさかのぼり(注1)、「型に入った」→「形作る」という意味で、テットは頭だから(注2)、「頭を形作ってまとめました」という意味になるらしい。
しかし、「ブーケドフランス」の「テット・ド・フロマージュ」はまとまっていない。
まとまっているようでもあるが、ゆるゆるである。
豚の首皮肉にまとめられながらも、耳、タン、頬肉たちが、気持ちよさそうに背伸びをしている。
食べれば、首皮肉のコラーゲンの甘さが目を細めさせ、タンの柔らかな滋味が流れ、頬肉が歯を抱き込み、耳がコリっと弾む。
このゆるいまとまりこそ、豚と豚の頭を愛したがゆえのゆるさなのである。
互いの食感と味わいを活かすべく考えられた、ゆるさなのである。
それぞれの部位が的確な大きさで身を寄せ合って、歯や舌に訴えかける。
食べるごとに、「どう? おいしいでしょ」と、井本シェフが耳元で囁いているようで、笑ってしまう。
豚への愛に満ちた「ブーケドフランス」の「テット・ド・フロマージュ」は、日本一だと思うのである



(注1)
ローマ時代チーズは「カーセウス・フォルマティクス」と呼ばれた。「カーセウス」とは凝乳、つまり軟らかいチーズ様のものを指し、この言葉はイタリア語の「カッチョ」、ドイツ語の「ケーゼ」、そして英語の「チーズ」へと派生していった。
一方、「フォルマティクス」は、「型に入った」という意味で、凝乳を樅や樺の木の皮などで作った型枠に流しこんで石をのせて脱水したことに由来している。「フォルマティクス」は後に、フランス語の「フロマージュ」やイタリア語の「フロマッジョ」に派生していった。

(注2)
新ラテン語(ロマンス語)は正しいラテン語の代わりにローマ軍の兵舎で生まれた俗語を取り入れた。頭はCaputと呼ばれていたが、兵隊がふざけてTesta(丸鍋)を頭の意味に使った。これがteteとなってフランス語になり、testaとなってイタリア語に残った。ちなみにCaputマフィア言葉の「首領」という意味で今でも残っている。
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