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インタビュー

永野芽郁 Vol.1

「鈴愛」じゃなかったら、私は選ばれていなかったかも

オーディションに合格してヒロインに決まったときは、どんな気持ちでしたか?

スタッフさんからいただいた紙に書かれた「あなたです」という文字で合格を知ったんですけど、そのときは実感が湧かなくてパニックでした! でも、自然と涙が出てきて……。あー、わたし本当にヒロインをやりたかったんだなって、自分の思いに気が付きました。それでも、実感が湧いたのはクランクインして岐阜でのロケが終わったころなので、ジッカンまでにジカンがかかりましたね。あっ! ダジャレみたいになっちゃった!(笑)。

オーディション用の短い台本だけを見ても、明るくて楽しいことの大好きな鈴愛(すずめ)は本当に魅力的でした。しかも私と同じ18歳で、別の作品でも「すずめ」という女の子を演じたことがあったから、勝手にご縁を感じてしまって(笑)。マイペースなところや早口なところは私にもちょっと似ていたので、「私、なんだか向いている気がする!」って思いながらオーディションを受けていました。「鈴愛」じゃなかったら、きっと私は選ばれてなかったと思います。

鈴愛は人を不幸にすることがない子

永野さんが特に感じた鈴愛の魅力は、どんなところですか?

鈴愛は、とにかく明るくてマイペースなところがいいですね。小学生のときに左耳を失聴してしまうのですが、そのこともあまりマイナスに捉えず、「まわりの人とちょっと違うかも」くらいにしか思っていなくて。もちろん、聴こえなくなったその日は落ち込むんですけど、すぐに明るい鈴愛に戻るから、まわりの人たちも「鈴愛が気にしないなら気にする必要ないよね」って笑顔になっちゃう。そんなことが自然とできる子なんです。

だから鈴愛は、人を不幸にすることがない子だと思います。自分のやりたいことが見つかったときも、それがお母ちゃんを泣かせることだと分かれば、スッと身を引きますし。「思い立ったらすぐ行動!」なところもあるんですが、意外とまわりの人たちを大事にしている。応援したくなるような子です!

動作の一つひとつを、ツッコミたくなるような感じに

鈴愛を演じるうえで特に大切にしているポイントはありますか?

鈴愛は「了解いたした」みたいな面白いセリフが多いんですが、動作の一つひとつもコミカルにして、視聴者の方がツッコミたくなるような感じにできればと思っています。
走り方なんかも、ちょっと違うんですよ! 高校で昼休みになった瞬間にパンを買いに走るシーンがあるんですけど、とにかく動きが大げさというか……「それ、ちゃんと前に進んでる!?」っていう感じで(笑)。
ビックリしたときに一瞬だけフリーズしちゃうとか、いろんなお芝居を試したいです!

片耳が聴こえないことは、あまり意識せずにやっていますね。クランクインのときには実際に片耳が聴こえない方からレクチャーをしていただいて、撮影でもリハーサルでは耳栓をつけて演技して、感覚をつかもうとしています。でも鈴愛自身が耳をあまりハンデだと捉えていないので、本番では意識せずに演じることで、鈴愛の気持ちに近づけたらなと思っています。

これが北川さんのことばなんだ!

北川悦吏子さんの脚本を読まれて、どんなところに魅力を感じましたか?

全部が魅力的だと思いました! お母ちゃんたち家族とのお話は、温かくて切ないし。同級生の菜生(奈緒)やブッチャー(矢本悠馬)、律(佐藤健)との友情、恋愛もいろいろありますから。いろんな絆が描かれていて、本当にすてきだなって思います。

あと、細かいことを言うと、鈴愛のセリフやナレーションにある読点の位置もいいんですよ。すごく不思議なところに打ってあるんですが、そのとおりにセリフを発すると、より鈴愛らしくなる。変えてしまうと、ことばのニュアンスがちょっと変わって、鈴愛らしさが出なかったりするんです。
たぶん北川さんは、セリフ一つひとつを頭の中で再生しながら書かれているんだと思います。「これが北川さんのことばなんだ!」と思いました。

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