"CHALONER"  1
De Winton

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2014/4/6
140406_1今度は、"De Winton"を作ろうかと思います。今回もスケールは16mm、ゲージ幅は32mmです。先ずはエンジンから。で、このエンジンをスケールどおりに作るとなると、かなり小さなものになってしまいます。そこで、妥協しつつ作ったのが左の写真のエンジンです。シリンダの外径は14mm(内径8mm)、長さは前後のふたを含めて23mm(ふたの厚み1.5mm)です。

140406_1左の写真はエンジンをバラしたところです。基本的には前回のハンスレットで作ったエンジンと同じですが、スケールに合わせてシリンダ径、給排気ポートの間隔や直径も小さくしています(それでも、まだ大きい)。また、実物の写真などを見るとバルブチェスト側を背中合わに張り合わさっているようなので、一応そのように変更しています。ふたつ張り合わせたときの幅は38.5mm。排気用の穴はふたつ有りますが、給気用はひとつだけです(上の写真の、エンジン上部から出ているパイプ)。ネジはすべてM1.7。


2014/4/11
ボイラ_1ボイラの製作
ボイラはいつものように1mm厚の銅板を巻いて作りました。上面と底板の厚みは1.5mm。ブッシュは全てリン青銅です。
底板はボイラ胴の継板で挟んで動かないようにしてあります。とりあえず、この状態で先にロウ付けしてしまいます。
ボイラ全体の長さは87mmありますが、底に火室の部分があるので、上板から底板までは59mmしかありません。ボイラの直径45mm。煙管は直径15mmです。

ボイラ_1ピントがあっていませんが、左の写真は全てのロウ付けが終わったところです。ボイラ側面にある二つのブッシュは水面計用です。上面には煙管でひとつ隠れて見えませんが、三つのブッシュがあります。レギュレータ用と安全弁用、それから給水用です。側面にロウ付けされたコの字型の板は、エンジンを両サイドから挟んで支える為のものです。真ん中のところは、あとで切り取ってしまいます。
*このボイラはDave Watkins氏の"IDRIS"のボイラを参考にしています。


2014/4/13
140413_1ボイラにエンジンを取り付けました。
シリンダにネジを切ったアングルをネジ留めし、それをエンジン支えの板の間に挟んで両側からネジで固定しました。
ネジは片側4本も使っていますが、一応実物に合わせました。今は仮の+ネジですが、あとで六角に替えるつもりです。

140413_2シリンダにネジ留めされているパーツが取り付け用に作ったアングルです。1mm厚の真鍮板を曲げて作りました。
真鍮丸棒でシリンダを作りましたが、こうして見ると、角棒で作った方が良かったような気もします。


2014/4/20
バルブギヤ_1バルブギヤは前作のハンスレットと同じスリップ・エキセントリック式にしました。実物の写真などを見ると、スチブンソン式のバルブギヤが使われているようなので作ってみたい気もしましたが、まだ、ちょっと無理そうなので止めました。写真中央三列がバルブギヤの部品で、両側がクランクとビッグエンドです。これ全部を車輪と車輪の間に収めなければいけないので、各パーツの厚みをハンスレットのときより薄くしています。

バルブギヤ_2上の写真のパーツを車軸に通したところです。この車軸に通したビッグエンドとエキセンストラップがエンジンからのピストンロッドとバルブロッドの位置と合うかどうか不安でしたが、エンジンを作る時に一応作図しておいたので、なんとか上手く合いました。このあと車輪を作ってから車軸をクランク状にします。


2014/4/21~26
140425_1車軸とクランク軸のロウ付け
車輪は、30mmの真鍮丸棒の切れ端が材料箱の中に転がっていたので、それを使いました。切削後の寸法は直径26mm、フランジまでは29mmです。車軸とクランクは直径4mmのドリルロッドです。このロウ付けですが、なかなか綺麗にロウが流れなくて難しかったです。2度追加のロウを流しましたが、何度もロウ付け酸洗いを繰り返していると車軸が細くなってしまいそうなので、2回で止めました。それでも0.1mmほど細くなっていました。この後、糸鋸で余分なところを切り取りクランク状にします。

140425_2ある程度木槌で叩いて振れを取ってから、旋盤で車軸の両端を掴んで車輪表面を削りました。でも、まだ振れがありますが、適当なところで妥協しました。車輪の内側にある円盤状のものがクランクですが、このクランクの丸いネジ用の穴があいた方にはロウを流していないので、ここを外してエキセンの部品を入れました。位相もここで合わせます。分割した車軸は2.3mmx0.4のネジで留めています。

140425_3エキセンストラップがボイラに当たってました。
スケール優先でエンジン支えの長さを決めたので、エキセンの振れ量まで考えていませんでした。1mmほどで大丈夫だとは思うのですが、エンジンをボイラから離さないとだめです。


2014/4/27
140427_1エンジンをボイラから離す方法ですが、ボイラへの取り付け金具に開けたネジ穴をボイラ寄りにすることで対処することにしました。ただ、その金具に穴を開け直す事ができないことと、真鍮板を曲げて作った金具では、曲げたところとネジ穴が干渉しそうなので、今度は17mmx17mmの真鍮角棒を使いました。中ぐりバイトでシリンダ径まで抜いてから、余分なところを切り落として作りしました(シリンダに取り付けられているものと、手前に並んだ左側のもの)。ほとんど同じようなネジ穴位置に見えますが、これでM2のネジ穴半分程ボイラ寄りなっています。

140427_2エキセンストラップを一番ボイラ寄りにした時のボイラとの隙間です。1mmちょっと空きました。


2014/5/17,18
フレームフレームの工作
フレームは、厚み5mmのアルミフラットバーに床板とブルドーザーの前に付いているシャベルみたいなエンドビーム(どちらも1mm厚の真鍮板)を直接ネジ留めして作りました。床板の裏側とフレームの中央に取り付けてあるのは、ボイラを固定する為の金具です。1mm厚の真鍮板をL字に曲げて作りました。

140518_1軸箱は既に作ってあったのですが、6mm幅のアルミフラットバーを想定して作ったので、幅が広くアルミのフレームからはみ出しています。5mm幅に削ろうかとも思ったのですが、面倒なので、そのまま付けてしまいました。
ボイラは直接ボイラの火室部分にネジ込んで固定していますが、このボイラの固定が結構微妙でした。取り付け位置(高さ)が少しズレただけでも、ピストンが上下の蓋のどちらかに当たってしまいますし、バルブのタイミングも変わってしまいます。火室の内側に間違えて開けたネジ穴が見えます。

De Wintonいつもの木彫りの船長を乗せてみました。この船長は高さが95mmです。大きさ的に16mmスケールにぴったりだと思うのですが、こうして見ると実物のDe Wintonがいかに小さいかが分かります。ちなみに完成時の寸法は、長さ168mm幅68mmです。

140518_4動画を撮りました。
動かしてみると、まだ少しエキセンストラップがボイラに当たっているようでカタカタ音がしました。今更ボイラや車軸の取り付け位置を変える訳にもいかないので、ボイラの方をヤスリで削りました。更に、念のためにエキセンストラップの角も少し削っておきました。


2014/5/22,23
スライドバー1スライドバー
このDe Wintonという機関車ですが、私が参考にしたモデルには"Chaloner"という名前がついているみたいです。
で、この"Chaloner"のスライドバーは、山型の補強板があります。ただ、この山型の補強板の付いたスライドバーをハンダで直接シリンダに付けてしまう訳にも行かず取り付けを諦めていましたが、いい方法を思いついたので作りました。その方法ですが、本来逆転軸を差し込んで固定する為の部品が、その補強板に取り付けられているのですが、逆に、その部品を使ってスライドバーを取り付ける事にしました。左の写真が出来上がったスライドバー(表側)です。山型の補強板に挟まっているのがその部品で、写真手前の様に真鍮板(厚み1mm)に三角の溝を入れ、折り曲げて作りました。

スライドバー2ボイラ側のスライドバー
ボイラ側はシリンダに取り付けられた金具(ボイラ固定用)にネジ留めして取り付けました。

スライドバー3出来上がったスライドバーをシリンダに取り付けたところです。特にスライドバーが無くても問題なく回っているので、作る必要もないと思っていたのですが、でも、こうして作ってみると、なかなか良い感じです。


2014/5/24,25
140524_1クランクはWild Roseのときと同じく2mm厚の鉄板を二枚重ねてロウ付けして作りました。車軸とクランクピンの穴開けは、そのロウ付けしたクランクを4つ重ねてハンダ付けしてから旋盤で開けました。ハンダ付けは写真下の四角い状態でしました。

140525_1連結棒は1.6mm厚の鉄板を使いました。ホイールベースと同じ間隔で穴(3mm)を開けてから糸鋸で切り抜きました。写真上段左から連結棒用のブッシュ、クランク用セットスクリュー、それとクランクピンです。

De Wintonまた、動画を撮りました。結構音がやかましいです。途中で回転方向を変えています。


2014/5/31
140531_1エンドビームの補強の板(?)です。左側二つがフロント用、右のがリヤ用です。フロント用はJ型の補強に、さらに大きな補強の板が付いています。
リベット(ダミー)は、いつものように1.2mmの銅線を差し込んで頭を丸めました。写真のリヤ用は、まだ銅線の頭を丸める前です。一応銅線は長さを揃えておきます。リベットの頭の大きさがバラバラにならないようにする為です。

140531_2補強の板をエンドビームに取り付けたところです。上の写真の補強の板に、さらに薄板をJ型にしたものをロウ付けして、それからエンドビームにロウ付けしました。リベットはダミーで、ロウ付けが終わってから銅線をカシメて作りました。

De Wintonフロントの床板に大きな四角い穴を開けました。ここに水槽が入ります。


2014/6/1~4
逆転機そろそろレギュレーターとか水面計とかを作りたいところですが、段取りが悪く、まだ、その材料が揃っていません。なので、半端の板切れを使って逆転機を作りました。一応動くようには作りましたが、もちろんダミーです。あと、シリンダの前の突っ張り棒みたいなのも作りました。ほとんど上から挿しただけですが。


2014/6/5~7
水槽_1水槽の工作 1
一枚の板を曲げて作るのは難しい(失敗しました)ので、L字に曲げた板を二枚組み合わせて作ることにしました。

水槽_2水槽の工作 2
二枚組み合わせてロウ付けしてから、上板をロウ付けしました。面一ではなく、0.5mmほど上板を高くしています。

140607_1水槽の工作 3
いきなり完成してますが、水槽のアップです。
リベットはいつもの打ち出しではなく、他と同じ様に銅線を挿して頭を丸める方法にしました。リベットもこれだけの数(134個)になると、早く終わらせてしまいたい気持ちになって、どうしても工作がいい加減になります。写真ではよくわかりませんが、ラインがぐにゃぐにゃです。

De Wintonとりあえず全景。給水口のふたは後で作ります。


2014/6/8
140608_1コールバンカーの工作
コールバンカーも一枚の板から曲げて作るのは難しそうなので、L字の板を二枚組み合わせて作りました。

140608_2石炭の取り出し口は、一応扉が開くように作りました。作り方はハンスレットのときのスライドドアと同じ要領です。でも今回は、この後ロウ付けがあるので、ロウ付けとリベットでかしめて作ってます。

140608_3縁取りは、0.8mm厚の真鍮板から幅2.3mmの板を切り出し、それを0.5mmの銅線を挿しながらロウ付けしていきました。

コールバンカー縁取りの後、内側にも0.8mm厚の板を貼り、ヤスリで削って丸みをつけました。石炭の取り出し口のある前板は最後にロウ付けしました。後は、これに座面の板を載せれば出来上がりです。

De Wintonコールバンカーは内側両サイドにロウ付けした5x5ぐらいのアングルでフレームに固定しました。最終的には、このコールバンカーの中にガスタンクを入れるつもりです。


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