たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

老後に必要な不労所得金額はいくらなのか

老後に必要な不労所得金額はいくらなのか

 私たち現役世代はせっせと貯蓄あるいは投資に励んでいます。人によってその目的は様々です。

  • 子どもの学費
  • 住宅購入資金
  • セミリタイア資金
  • 老後の生活のため

 このような理由の人が多いのではないでしょうか。

 

 最終的には、すべての出費を終えたら自分たちの老後に備えるということになるのでしょう。老後に必要な貯蓄額は1000万円あれば十分という意見もありますし、5000万程度ないと不安である、という意見も聞かれます。

 

 今回は、野村アセットさんが非常に参考になる資料を作成されていますので、これを元に記事を書いてみます。

 

※元資料「金融ジェロントロジーにおける資産運用に関する調査」※

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 生命表からみる年齢別生存率

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 年齢別の生存率です。60代を過ぎると生存率が急下降するのが見て取れます。実は人は60歳を過ぎるまではかなり高い生存率を示しています。損害保険会社よりも生命保険会社のほうが利益が上がる傾向にありますが、そういうことです。

90歳生存率

男性=25.6%

女性=49.9%

 平均寿命の違いから、女性に比べると短命に思われる男性です。それでも、4人に1人が90歳まで生きる、現在すでにそういう時代です。また、女性はおよそ半数が90歳を超えています。人生100年時代と言われていますが、すでにかなり現実的な数字になってきています。

 

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100歳生存率

男性=1.6%

女性=6.9%

 ただし、100歳になるとかなり数字が下がります。今後の医療の発達、あるいは生活スタイルの変化に伴いこの数字も伸びてくるのでしょう。100歳を超える男性は私自身あまり見たことが無いですが、それは数字でも裏付けられています。

 

 しかし、今後はこの数字も伸びてくることが予想されています。

年齢別の投資家人口と金融資産比率

 年齢別の投資家人口です。進学・就職の環境が極めて厳しかった40代の数字が伸びていないのは注目されていいでしょう。また、種銭の形成で課題がある20代などの若年層では投資家比率が低いです。

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 投資家人口比率が高いのは60代を超えてからです。やはり、「退職金で投資デビュー」をする方が多いのでしょう。時間とお金を手に入れて初めて投資に向かう、という生活スタイルが垣間見えます。とはいえ、それでも人口比率で16%です。

 

 日本における投資がいかにマイナーな存在なのかが分かると思います。

 年齢別の貯蓄の年間取り崩し額

 次に年齢別の貯蓄の年間取り崩し額です。要は、年金や定年退職後の収入が足りないために、いくら貯金から取り崩しているかということです。

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 思ったよりも世代差があるのですが、レンジとしては65万~80万円というところに集約されています。年を取るほど高くなるのは、介護や医療での自己負担分の増加でしょう。いずれにしても、平均で71.4万円、最大では80万円ほどの取り崩しとなっています。

 

 逆に言うと、80万円の不労所得があれば、資産を目減りさせることなく老後を送ることができるということです。今の現役世代がどの程度までインカムを成長させるかの目安にもなります。

 

では、資産を目減りさせない不労所得とはどのような方法があるのでしょうか。

 具体的には下記のような方法があります。

  • 米国連続増配銘柄
  • 米国ETF
  • 日本株(配当控除を意識しながら)
  • 不動産

 こういった様々なアセットを活用していけば、80万円の不労所得獲得は不可能ではありません。

 

 私たちは、様々な目的をもって投資をしていますが、老後の豊かな暮らしということを考えると、年金に加えてこの80万円の不労所得というのが1つの目標になってきそうですね。

預貯金の取り崩し可能年数と平均寿命

  では、現役時代に蓄えた預貯金を取り崩していくと何年間持続できるのでしょうか。多くのケースで30年弱から40年前後となっています。

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 ここで言う取り崩し可能年数は非常にシンプルに算出されています。

金融資産÷年間取り崩し額=取り崩し可能年数

 ということです。1000万あって、年間100万円使っていたら、10年しか持たないということです。

 

 平均的なところで計算してみましょう。生存年齢は長め、100歳です。

  • 65歳で退職
  • 100歳まで生存
  • 年間80万円の取り崩し

 35年×80万円=2800万円

  とりあえず、2800万円というのが安心できる金額ということになります。

 

 違う観点から計算してみましょう。年間80万円の不労所得を配当金で得るということです。配当金は利回り3%で計算してみます。実際には税引き後3%だとかなりの高利回りということになります。

 

 ただし、今から退職までに計画性を持って配当や分配金が成長する銘柄を買っていけば実現不可能な数字ではないでしょう。

 

 80万円÷0.03=約2666万円

 

 殆ど金額的には近似してきます。こういうことを考えると、大手企業などで退職金がおおよそ2000万円というケースというのはそれなりの妥当性ある数字ということになります。

 

 いずれにせよ、長期投資で時間を味方につけ、安心安全な老後に備える。それが「誰もができる人生100年時代を生き抜く投資術」ということになりそうですね。

 

関連記事です。

  年間配当金収入が80万円というのはわりと現実的な目標になりますね。年金との兼ね合いからも目指したい目標値であることが分かりました。

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  もっとも身近なつみたて投資が「つみたてNISA」ということです。年間40万、20年の積立で800万円の非課税枠になります。この3倍あれば、老後の必要積立額に近づきますね。年間120万の積立ということです。

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