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2018年6月29日(金)

“BRA★BRA”の楽しさハンパないって! 『FFVII REMAKE』神羅ビルトークも飛び出す神奈川公演をレポート

文:電撃オンライン

 2018年6月23日、神奈川県民ホールにて“BRA★BRA FINAL FANTSY VII BRASS de BRAVO with Siena Wind Orchestra”の公演が開催された。BRA★BRAツアーは今年で4年目を迎えるが、神奈川での公演は初めてとなる。

 今回の記事では、吹奏楽コンサート“BRA★BRA FINAL FANTASY”に参加したことがない人でも、どんな企画が行われているか分かるよう、公演の様子をレポートする。なお、今後の公演に行かれる方は、記事内にネタバレが含まれる可能性がありますので、ご注意ください。

『BRABRA』
『BRABRA』
『BRABRA』
『BRABRA』
▲今回のツアー用に起こされた特別な渋谷員子さんによるドットイラスト。

 14時の定刻通りに開演。オープニングトークでは『FFVII』楽曲を制作し、今回のツアーの制作総指揮を務める植松伸夫さんが登壇し、BRA★BRAならではの楽しみ方をレクチャー。「BRA★BRA公演に来たことがある人は?」との問いかけには、会場では半数以上の手があがった。一方で、初めて参加するという人も多く、友人や恋人同士、親子で参加しているグループも多数見受けられた。

 続いて植松氏のコンサートではおなじみのブラボー係の任命に。ブラボー係とは、素晴らしい演奏だった! と感じたら、「ブラボー!」と積極的に大声で歓声をあげる人のことを指す。演奏者に、会場の観客の声を真っ先に届ける、重要な役割だ。毎度おなじみになっているので、植松氏からブラボー係を決める、という話が出た途端、食い気味の「はぁぁぁいッ!」がそこかしこからあがったことで、植松氏も「まぁまぁそう焦るな!」と、ファンとの連係プレーのうまさを魅せた。1階の観客席を後方まで走り回り、ブラボー係を任命。2015年の初開催以降、開催を重ねるごとにブラボー係志望者が増えている印象を受けた。

 オープニングトークから笑い声の絶えないBRA★BRAも、いよいよ演奏開始となった。1曲目は“オープニング~爆破ミッション”。人気かつ定番曲からの幕開けとなった。演奏後はもちろん、会場中から「ブラボー!」の大歓声となった。

 続いてのMCコーナーでは、植松氏、司会の山下まみさんにより、今年のBRA★BRAが『FFVII』の楽曲のみで構成された“FFVII縛り”での開催であり、そもそも『FFVII』としても初のオフィシャルコンサートであることが紹介された。今回のツアーでは『FFVII』でディレクターを務めた北瀬佳範氏もステージに登壇しており、植松氏から“北ちゃん”と愛称で紹介された。

 続いて“F.F.VIIメインテーマ”“星降る峡谷”の演奏を経て、観客参加型のボディパーカッションのコーナーへ。このコーナーはBRA★BRAツアーでは定番の人気コーナーの1つだ。打楽器奏者の東佳樹氏が、曲に合わせたボディパーカッションを観客に伝授してくれる。昨年までのツアーでは“モーグリのテーマ”で行われていたが、今年は“ケット・シーのテーマ”になるということで、これまでコンサートに来場したことがある人も、初めて来た人もイチから覚えることに。植松氏が「伝説の、ケット・シーのおっちゃんがいてくれればなぁ!」と、登場を促し、扮装した東氏が現れた。

 伝説のケット・シーおっちゃん(東氏)は、「“ケット・シーのテーマ”といえば、ジャズや。ジャズといえば即興とコール&レスポンスやんなぁ! ようわからんけど!」と、軽快な大阪弁で観客をひきつけ、動きをレクチャー。

 しかしながら、たった1回の練習で、一糸乱れず完璧にこなしてしまう観客に「ハンパないやん! ハンパないって!」と、去る6月19日のサッカー日本代表対コロンビア戦でハンパないゴールを決め日本中を沸かせた大迫勇也選手のネタをぶっこんできたことで、会場は大爆笑。「もうおっちゃん、やることないやん!」「ハンパない指揮頼むでひろふみぃ!」と、指揮者の栗田博文氏を巻き込みつつ、本番演奏へ。ボディパーカッションを出演者、観客みんなで楽しめたが、サプライズがもう1つ。植松氏、ケット・シーのおっちゃん(東氏)、山下まみさんの3人で軽快なタップダンスを披露。なんでもやれるんかい! という驚きもあり、会場からはわれんばかりの拍手が贈られた。

『BRABRA』

 続いて、楽器を用いた来場者参加企画へ。“FINAL FANTASYメインテーマ”をリコーダーを持参した観客は着席のまま演奏参加できるというコーナーでは、北瀬氏もリコーダーを練習して参戦。お子さんが学校で使っていたものを借りているらしく、リコーダーにはお名前入りだとか。

 このコーナーでも、リコーダー持参者の熱量が高く、会場からのリコーダーの音色がしっかりとシエナ・ウインド・オーケストラの演奏ボリュームに負けずマッチしており、素敵な音色が響いた1曲となった。

 MCで植松氏が、「暑い!」と言いだし、上着を脱いだら今回のツアーTシャツを着用。このあとおとずれる20分休憩(かつ、物販タイム!)に向けた巧妙な宣伝トークが行われ、会場からまたしても笑いが漏れた。神羅デザインがかっこいい赤いマフラータオルや、山下さんが「書物と言っていいほど文字たっぷり」と伝えた公式パンフレットなどが紹介された。とくに、今回のパンフレットは『FFVII』にまつわる貴重な対談が収録されているうえ、“片翼の天使”の吹奏楽スコアまで収録されており、内容は超充実。ファン必携の1冊となっている。

 今回のツアーでは、『FF』シリーズのキャラドットを担当した渋谷員子さんによる描き下ろしドット絵を使用したグッズも販売されており、とくにクラウドのラバーキーホルダーは各会場で売り切れを起こしているほどの人気っぷり。ぜひ公式サイトのグッズページでチェックしてみてほしい。各会場での物販完売情報は、公式Twitterにて、発信されているので、7月のコンサートに参加する予定の人は、フォローしておくと情報収集が捗るだろう。

 第二部の開幕曲は“ルーファウス歓迎式典”。途中からまさかの口演奏(合唱ではなく、口演奏!)に、会場からからはどよめき交じりの笑いがこぼれた。吹奏楽演奏の型にはまらないシエナ・ウインド・オーケストラらしい、印象に強く残る1曲となった。力強い“常に闘う者達”演奏後、北瀬氏による『FFVII REMAKE』開発に言及したトークが披露された。若手スタッフ中心に開発が進んでいる『FFVII REMAKE』だが、“神羅推し”の北瀬氏としてはどうしても譲れない部分があるということで「神羅ビル69階70階の企画書を書いている」とのこと。『FFVII REMAKE』への期待感がさらに高まった。

 続いて定番コーナーである、“思い出エピソードコーナー”へ。入場時に配布されたコーナー企画用用紙に、いくつかのキーワードが記載されているので、どれかを選び、それにまつわるエピソードを記入して会場前までに提出するとこのコーナーで紹介されるかも……という、ラジオ番組のような企画コーナー。今回のツアーでは、星/カンパニー(会社)/花/腐ったピザ/末裔/花火/天使、という7つのキーワードから選ぶかたちとなった。

 ハープによる“旅の途中で”の優しい音色にのせて、『FF』シリーズやBRA★BRAコンサートにまつわるエピソードも、そうではないエピソードも紹介された。“花”のキーワードを選んだエピソードは、“毎日一輪の花を贈ったら365日目に妻になってくれた(涙)”というもので、植松氏が「このあいだ、女の子をおとす方法という本を読んだんだけど」と会場の笑いを誘いつつ「押して押して押すべし! で合ってたんだね。」とコメントを添えた。

『BRABRA』

 コーナー後は、少人数編成でのアレンジ楽曲が続いた。“牧場の少年”“花火に消された言葉”“忍びの末裔”の3曲が披露された。普段の『FF』シリーズ楽曲を集めたコンサートではなかなかピックアップされる機会の少ない“牧場の少年”“忍びの末裔”が聴けるのも、ナンバリング縛りならではといえそうだ。

 “花火に消された言葉”は、植松氏によれば『FFVII』のなかでも個人的に好きな楽曲とのこと。「デートイベントで、おそらく多くのプレイヤーはエアリスとデートしているはずなので、聴いているとは思うが、バレットとデートしていたら流れない曲。『FFVII』縛りでも、バレットのテーマはこぼれてしまう(選ばれない)だろうなぁ」とのことだった。

 『FFVII REMAKE』の時にでも! とのフォローが入ったので、“バレットのテーマ”好きの人は期待して念を送れば実現するかもしれない。もっと積極的に“バレットのテーマ”を聴きたい、とメッセージを届けるのが確実かもしれない。また、植松氏は楽曲制作について、「例えば“エアリスのテーマ”はわかりやすい盛り上がり部分を用意している。“ここで泣け―ッ!”みたいな。ゲーム楽曲では40時間遊んでも飽きないような曲作りを意識してる」と語った。改めて、『FFVII』の楽曲をゲームプレイをしながら堪能してみよう、と感じさせられた。

 山下さんからの北瀬氏、植松氏に「2人にとっての『FFVII』とは?」との問いかけに、北瀬氏は「ライフワークの1つとなっている作品」、植松氏は「ゲームは子どもに向けたもの、というだけでなく、新しいエンタメとなるきっかけになった作品」とコメントした。その後、ラストバトル曲“完全なるジェノヴァ”、リバース・セフィロス戦の“神の誕生”“片翼の天使”が披露された。もうこのバトル曲については、ゲームプレイの想いが爆発する人も多いはず。早く聴きたかったような、でもこれを聴いたらいよいよコンサートも終わってしまう……。そんな葛藤を抱えた観客も多かったのではないだろうか。

 盛り上がらないわけがない熱いバトル曲後、アンコールをはさみ、ついにお待ちかねのメインコーナー“みんなで吹こう BRA★BRA FINAL FANTASY”へ。BRA★BRAコンサート最大の特徴である、観客もプロの演奏者と同じステージに立って演奏できる、というもの。シエナ・ウインド・オーケストラだからこそ実現する、神企画だ。

 会場前、駅から会場までの道では、楽器ケースを持った人たちや『FF』シリーズのキーホルダーを鞄につけたファンが多数おり、今日の公演ではステージ登壇者がものすごく多いかもしれない……! という予感がズバリその通りとなった。ステージにあがりきらないのでは、と思えるほどの人数が登壇し、“マンボ de チョコボ”の大演奏会となった。吹奏楽で使われないような楽器を持ち込むプレイヤーもいるし、当日楽器を持参しなかった人も、物販でグッズを購入するとおもちゃの楽器がもらえるので、それを使って登壇する人もいる。この企画のタイミングで、渋谷員子さんも登壇し、ファンと一緒の演奏を楽しんでいた。

『BRABRA』
▲“思い出エピソードコーナー”で“天使”のキーワードを選んだ“親子でBRA★BRA初参戦”という人のエピソードを覚えているだろうか? まだ集合写真をもらっていない! という人は、ぜひ植松氏の公式LINEをフォローして、あのキーワードを送ってみてほしい。

 意外性のあるアレンジで毎回驚きと感動をくれる演奏はもちろんのことながら、BRA★BRAのアットホームさが生み出す出演者と観客の一体感の強さであったり、心の距離感が近い点も、BRA★BRAコンサートの最大の魅力点だと感じた。なお、コンサート会場では、出演者へのファンレターやプレゼントも受け付けてもらえる。

 2018年のBRA★BRAツアーも折り返しを過ぎたが、今後もまだ公演があるので、参加したことがないという人も、『FFVII』には特別な思い入れがあるという人も、ぜひ公演会場に足を運んでみてほしい。何度参加しても、“次は楽器を持ってステージあがろう!”という目標や、ちがう楽しみ方を見つけられること間違いなしのBRA★BRAで、大声で“ブラボー!”の歓声をあげてみよう!

“BRA★BRA FINAL FANTSY VII BRASS de BRAVO with Siena Wind Orchestra”公演情報

7月15日(日)【兵庫】神戸国際会館・こくさいホール
7月20日(金)【福岡】福岡シンフォニーホール
7月21日(土)【広島】上野学園ホール
7月23日(月)【台湾】國家表演藝術中心國家音樂廳 (National Concert Hall)

“BRA★BRA FINAL FANTSY VII BRASS de BRAVO with Siena Wind Orchestra”神奈川公演セットリスト

<第一部>
1.オープニング~爆破ミッション 編曲:三浦秀秋
2.F.F.VII メインテーマ 編曲:小林洋平/スーパーバイザー:岩﨑英則
3.星降る峡谷 編曲:佐藤泰将
4.ケット・シーのテーマ 編曲:挾間美帆
◆ボディーパーカッション
ボディーパーカッション:東佳樹(打楽器奏者)
5.FINAL FANTASY メインテーマ 編曲: 石毛里佳
◆リコーダーで奏でる FF メインテーマ
6.FFVII バトルメドレー(J-E-N-O-V-A~闘う者達~更に闘う者達) 編曲:樫原伸彦
7.エアリスのテーマ 編曲: 佐藤泰将

<第二部>
8.ルーファウス歓迎式典 編曲: 石毛里佳
9. 常に闘う者達(神羅カンパニー~神羅軍総攻撃~ウェポン襲来) 編曲:挾間美帆
10.牧場の少年 編曲:小林洋平/スーパーバイザー:岩﨑英則
◆アンケート「下記の7つのキーワードのうち1つにまつわるあなたのエピソードを教えてください」
キーワード:星/カンパニー(会社)/花/腐ったピザ/末裔/花火/天使
11.花火に消された言葉 編曲:星出尚志
12.忍びの末裔 編曲:石毛里佳
13.完全なるジェノヴァ 編曲:三浦秀秋
14.神の誕生 編曲:挾間美帆
15.片翼の天使 編曲:佐藤泰将

<アンコール>
16. ティファのテーマ 編曲:石毛里佳
17. マンボ de チョコボ 編曲:佐藤泰将
◆みんなで吹こう BRA★BRA FINAL FANTASY

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