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【インタビュー】牛尾憲輔が語る『リズと青い鳥』音楽の秘密「映画を観終わった方が、鼻歌を歌ってくれればいい」

2018/6/29



 女子高生ふたりの心の機微をていねいに表現している『リズと青い鳥』。その音楽について、劇伴を担当した牛尾憲輔氏のインタビューが、「アニメディア7月号」に掲載されている。超!アニメディアでは、誌面では紹介しきれなかったロング版インタビューをお届けする。

――牛尾さんは山田尚子監督と『聲の形』でご一緒されていますが、『リズと青い鳥』に参加することになった経緯は?
 去年の初夏くらいにお話がありました。すでに脚本ができあがっていて、山田監督と会って作品についてお話をしました。

――脚本を読んだ感想は?
 みぞれと希美の気持ちになって考えると、まず〝知られてはいけない〟と思いました。この物語は、自分の才能や能力に対する挫折、自分と相手の〝好き〟の気持ちが釣り合っていない可能性を描いているのですが、そういうことって自分以外の人に知られたら傷つくと思うんです。ですから、本作の音楽は彼女たちの心情を表現するのではなく、彼女たちを取り巻く〝モノ〟の視点、傍観者の視点で音楽を描かなければと思いました。

――人ではなく〝モノ〟の視点というのが面白いですね。どういった形で、〝モノ〟の視点を表現したのでしょうか?
 北宇治高校のモデルとなっている学校を訪れて、音楽室のイスを叩いたり、窓をこすったり、生物室のビーカーをヴァイオリンの弓で弾いてみた音を収録しました。そして、学校にあるものから出る音を全体に散りばめていったんです。そうすることで、空間の残響が作れますし、ごく小さな音量で入れこむことで、彼女たちを〝モノ〟が見守る視点が表現できるかなと思って。そういった形で音楽を作ることにより、映像上では描かれていない部分を描き出したいという気持ちもありました。カメラの背後に〝モノ〟があるということを音楽で表現できれば、空間が広がり、そのなかに彼女たちしかいないような秘めやかさが出せるんです。

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