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商標 出所表示に内包される品質保証機能・広告宣伝機能 昭和49年(ワ)第393号 ポパイアンダ-シャツ事件

昭和49年(ワ)第393号 ポパイアンダ-シャツ事件

・・・「本来の商標」は、これにより自己の営業に係る商品を他の商品と区別するための「目じるし」として、すなわち、自他商品を識別することを直接の目的として商品に附されるものである。「本来の商標」の経済的機能として、出所表示機能のほか、品質保証機能、広告宣伝機能があることは一般に認められている。
したがつて、商標法における商標の保護とは、「本来の商標」が指定商品について商品の出所表示等の機能等を発揮するのを違法に妨害する行為から法的に保護することを意味する。商標権者の権利内容は登録商標を指定商品について排他的に使用することであるが、これを防害する違法な行為は、登録商標と同一又は類似の商標を指定商標と同一又は類似の商品についての使用についても行われ得る。そこで、前記三七条が設けられたわけであるが、その立法理由は、同条に列挙せられた行為が一般に登録商標の正当な権利行使、すなわち、登録商標の機能の発揮を防害するものであるからこれを排除し、登録商標の権利者に正当な権利行使を得せしめる必要があるからである。そうすると、右三七条の法意は、単に同条に掲げる商標が同条に掲げる商品に表現せられているという形式のみ充足するだけでなく、実質的にも、その行為が「本来の商標」的使用の行為であることを要すると解すべきである。けだし、登録商標の機能と関わり合いがない使用態様のものは、特別の事情がない限り、登録商標の正当な権利行使、すなわち、出所表示、広告、品質保証等の本来の商標の経済的機能の発揮に不当な影響を及ぼすことはないと解せられ、この行為についてまで権利侵害を認めることは、実質的理由なく不必要に権利者を保護する幣害をもたらす反面、一般人は不当に自由を奪われることになり、公正な競業秩序を維持するゆえんではないからである。・・・

<私的理解・私的考察>
出所表示機能のほか、品質保証機能、広告宣伝機能があることは一般に認められている。つまり「本来の商標」が指定商品について商品の出所表示等の機能等を発揮するのを違法に妨害する行為から法的に保護することを意味する。
出所機能は、指定商品の出所である。商標法は条文解釈でなく判例法により、出所に内包されている各機能(品質保証機能、広告宣伝機能)を違法に妨害する行為から保護する事を目的としている。


商標権侵害についての私的理解

A.品質保証機能とは・・・
 合法パタ-ン
①需要者が指定商品(指定商品類似)を、商標権者の製品である事を正確に理解して購入。→商標権者が品質を保証してくれる。商標権者が困らない。→合法
②需要者が指定商品(指定商品類似)を、商標権者の製品でない事を正確に理解して購入。→商標権者が品質を保証してくれない。商標権者が困らない。→合法
 違法パタ-ン
③指定商品(指定商品類似)が、商標権者の製品である事を正確に理解できずに購入。→商標権者が品質を保証してくれるか理解できない。→需要者が選択を誤る事になる。商標権者も困る。→違法

 B.広告宣伝機能とは・・・
 合法パタ-ン
①需要者が指定商品(指定商品類似)を、商標権者の製品である事を正確に理解できる広告宣伝をしている。→商標権者が困らない。→合法
②需要者が指定商品(指定商品類似)を、商標権者の製品でない事を正確に理解できる広告宣伝をしている。→商標権者が困らない。→合法
 違法パタ-ン
③需要者が指定商品(指定商品類似)を、商標権者の製品である事を正確に理解できない広告宣伝をしている。理解できずに購入。→需要者が選択を誤る事になる。商標権者も困る。→違法


商標法は混同惹起行為を違法としているのである。
※惹起とは辞書では「事件・問題などをひきおこすこと。」
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